生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_クマリンを含む調製物および薬剤および美容分野におけるそれらの使用
出願番号:1995189325
年次:2011
IPC分類:A61K 31/37,A61K 31/35,A61K 36/18,A61P 17/00,A61P 17/02


特許情報キャッシュ

エツィオ ボンバルデリー アルドウ クリストウニー パオロ モラツォーニ JP 4611460 特許公報(B2) 20101022 1995189325 19950725 クマリンを含む調製物および薬剤および美容分野におけるそれらの使用 インデナ エッセ ピ ア 591092198 宮崎 昭夫 100123788 石橋 政幸 100106138 緒方 雅昭 100127454 太田 顕学 100129735 エツィオ ボンバルデリー アルドウ クリストウニー パオロ モラツォーニ IT MI94 A 001590 19940726 20110112 A61K 31/37 20060101AFI20101216BHJP A61K 31/35 20060101ALI20101216BHJP A61K 36/18 20060101ALI20101216BHJP A61P 17/00 20060101ALI20101216BHJP A61P 17/02 20060101ALI20101216BHJP JPA61K31/37A61K31/35A61K35/78 CA61P17/00A61P17/02 A61K31/00 A61K8/00 A61K35/00 A61P17/00 A61P9/00 特開平6−145035(JP,A) 特開平5−934(JP,A) 特開平2−17115(JP,A) 国際公開第93/24106(WO,A1) 特開昭61−16982(JP,A) 特開平2−134309(JP,A) 特表平5−504937(JP,A) 5 1996059463 19960305 6 20020718 2007011796 20070424 内田 淳子 伊藤 幸司 穴吹 智子 【0001】【発明の属する技術分野】 本発明は、エスクロシド、エスクレチン、それらを含む抽出物またはそれらの混合物などのクマリンとプロアンソシアニジンダイマーおよびオリゴマーとの配合物を含む末梢血管微小循環障害に関係する末梢血管疾患の治療のための局所的使用のための新規調製物の使用に関し、さらに、本発明は、瘢痕形成プロセスおよび慢性静脈鬱血症の合併症(脚のだるさ、皮膚潰瘍)および内出血および外出血の治療における上記クマリン誘導体のプロアンソシアニジンとの組み合わせ使用に関する。厳密な美容分野においては、配合物は表面毛細血管に関連する美容に反する症候(couperose)、酒さ(rosacea)、末梢血管拡張症などの治療において使用される。驚いたことにこれらクマリン誘導体とプロアンソシアニジンとの間に強力な共働作用のあることが見出された。【0002】【従来の技術】配合物の多くの性質に関連するエスクロシドの微小血管動力学的活性(瘢痕形成および抗出血性)は、試験物質による処理前後における局所的血管形成および毛細血管形態変化の検査が可能な赤外線光パルス血量計、レーザードップラーおよびビデオ毛細管顕微鏡などの非侵襲的方法によって評価された。エスクロシドは、毛細血管密度に好ましい変化をもたらし、基底値よりも300%の高値が認められる。【0003】本発明による配合物において、クマリン誘導体のプロアンソシアニジンに対する重量比は4:1〜1:4の範囲が好ましい。例えば、エスクロシド3部とプロアンソシアニジン(プロアンソシアニジンA2および異なる起源のプロシアニドールオリゴマー、好ましくはVitis viniferaおよびCamellia sinensisから抽出されたものから選択される)1部の配合物は、単一成分のものとは質的に異なる共働的活性を示す。この事実の非限定的説明としては、局部的血流増加の結果としてエスクロシドが局所的レベルでのプロアンソシアニジン吸収を増加させ、したがって水分を増加させることが考えられる。とくに、共働作用は瘢痕形成プロセスの調整活性であって、そこでは組織の回復刺激および瘢痕形成軸の横側の通常配置が観察され、それによってケロイドの形成が防止される。【0004】 同様に、これらの配合物は、美容に反する症候においておよびcouperoseの軽減のために好ましく用いられる。後者の場合、男女20人の顔面の一方の側頭部頬骨隆起領域を1.5%のエスクロシドおよび0.5%のプロアンソシアニジンA2調製物で処理し、他方をプラセボで処理した。1日2回の処理を60日間続けた。美容に反する症候の程度の評価を、スコア評価および色強度の客観的評価測定を本発明の配合物で処理した領域とプラセボ処理した領域と比較することによって行った。処理後、患者自身を対照に用いて、美容に反する症候の40%の軽減が観察された。【0005】本発明による配合物の治癒効果はとくに重要であって、この効果は形成外科および褥瘡および静脈鬱血症潰瘍において使用することができる。瘢痕形成効果を評価するために、本発明の配合物とプラセボとの同時処理に適する大きさの創傷を有する表皮手術を受けた患者を選択した。例えば、2cmより大きい焼灼した創傷の場合、縫合後に、1cmをプラセボ調製物で、1cmを1.5%のエスクロシドおよび1.5%のVitis viniferaからのプロシアニドールオリゴマーを含む調製物によって処理することができる。処理後ただちに、付着端および創傷周辺域をハロゲン光プローブを供えた50〜400倍の倍率のビデオ毛細管顕微鏡(Scopeman-Moritex Video Imaging System, Alpha Strumenti、ミラノ)を用いて、毛細管密度(単位領域当たりの血液灌流された毛細血管数)を測定して、毛細血管の空間配置およびそれらの形態を評価した。処理15分後に、基底値およびプラセボ処理対照値と比較して毛細管密度は100%増加した。局部的循環の改善(今日までの常識に反して、瘢痕領域は通常血管新生が乏しい)および線維芽増殖刺激に続いて、通常毛細管新生が顕著に誘導されることが驚いたことに見出され、これが本発明の一部をなす。本発明の調製物による創傷治癒は、促進されて、同時に調整されることが明らかになった。褥瘡および不活発潰瘍において、壊死領域へのより多量の血流によって、組織治癒状態の回復および潰瘍の軽減および消失がもたらされる。同様の結果は出血性病状においても認められ、そこでは動脈および静脈への同時効果によって静脈鬱血症が速やかに退行する。【0006】上記の治療は、焼灼された創傷の処理および/または創傷の治癒または皮膚潰瘍、または静脈鬱血状態の治療に関連する。さらに、1%のエスクレチンおよび0.3%のCamellia sinensisからのプロシアニダノールオリゴマーを含む調製物の新たに形成された瘢痕への適用によって瘢痕がより速やかに消失して、対照と比較してより顕著な過血液領域の減少がもたらされることが驚いたことに見出された。そのような治療結果は、顔面美容手術、母斑の除去などが行われる露出身体領域においてとくに重要である。【0007】さらに、上記のクマリンは単独物でまたはプロアンソシアニジンとの配合物で、アトピー性皮膚炎およびあらゆるオリジンの血腫に著しく有効であることが見出された。したがって、2%エスクレチンを含む調製物のアトピー性皮膚炎への局所適用は、病状の軽重によるが、1週間またはそれ以下の期間内ですら皮膚炎の軽減をもたらす。同じ調製物を血腫に適用した場合、血腫は2、3日内に消失した。これはおそらく、調製物の微小血管動力学活性によるものと思われる。【0008】他の賦形剤は本発明の調製物を有利に運ぶことができるが、本発明の調製物の賦形剤としては物質自体の迅速吸収を可能にしてそれらの治療的および皮膚美容的機能を促進する燐脂質の純粋物またはその天然混合物がとくに有用であることが証明された。【0009】本発明による調製物は上記に定義した活性成分に加えて、発明の内容を限定することなく本発明を説明する以下の実施例に列記したような薬剤技術において公知の担体、添加剤、保存剤などを含む。【0010】【実施例】[実施例1] エスクロシド、Vitis viniferaからのプロシアニドールオリゴマーを含むゲル100グラムのゲルは以下の組成を有する。【0011】エスクロシド 1.50g96%プロシアニドールオリゴマー 1.50g硬化ひまし油40(OE)(クレモフォーRH40−BASF) 1.00gプロピレングリコール 1.50g保存剤 0.10gヒドロキシエチルセルロース(ナトロゾール250HHX−アクアロン) 3.00g精製水 全量を100gにする。[実施例2] エスクロシドおよびプロアンソシアニジンA2を含むアルコール性液体ゲル100gのゲルは以下の組成を有する。【0012】エスクロシド 1.50gプロアンソシアニジンA2 0.50g硬化ひまし油40(OE)(クレモフォーRH40−BASF) 5.00gプロピレングリコール 3.00gカルボマー940(カルボポール980−グッドリッチ) 1.00gエタノール95度 45.00gホスファチジルコリン(ホスホリポン90−ナッターマン) 1.60gグリセリル6(OE)カプリル酸塩/カプリン酸塩)(ソフチゲン767) 15.00g保存剤 0.40gブチルヒドロキシトルエン 0.05gα−トコフェロール 0.20gアスコルビン酸 0.30gジメチコンコポリオール(SF1188−ゼネラル・エレクトリック) 2.00g10%トリエタノールアミン 5.00g精製水 全量を100gにする。[実施例3] エスクロシドおよびプロアンソシアニジンA2を含むクリーム100gのクリームは以下の組成を有する。【0013】エスクロシド 2.50gプロアンソシアニジンA2 1.00g硬化ひまし油40(OE)(クレモフォーRH40−BASF) 2.00gプロピレングリコール 2.00gカルボマー934(カルボポール934P−グッドリッチ) 0.50gアルキルC10-30−アクリレート(カルボポール1382−グッドリッチ) 0.50gエタノール95度 15.00g保存剤 0.40gセチルパルミタート(クチナCP−ヘンケル) 8.00gポリイソプレン(シンテスクアル−ベビ) 5.00gポリソルバート80(ツイーン80−ICIアメリカンズ)2.00gα−トコフェロール 0.20gアスコルビルパルミタート 0.10g水素添加ラノリン(ラノセリナ−エスペリス) 5.00gジメチコン350cps(テギロキサン350−テゴ)0.50gホスファチジルコリン(ホスホリポン90−ナッターマン) 2.50g10%NaOH溶液 2.40g精製水 全量を100gにする。[実施例4] エスクレチンおよびCamellia sinensisからのプロシアニダノール(procyanidanole)オリゴマーを含むゲル化エマルジョン100gのゲル化エマルジョンは以下の組成を有する。【0014】エスクレチン 1.00g96%プロシアニドールオリゴマー 0.30gミリスチン酸イソプロピル 5.00g保存剤 0.40g香料 0.10gポリアクリルアミド C13-14イソパラフィンおよびラウリン酸アルコール 7(OE)(セピゲル305−セピック) 3.00g精製水 全量を100gにする。[実施例5] エスクレチンを含むゲル化エマルジョン100gのゲル化エマルジョンは以下の組成を有する。【0015】エスクレチン 2.00gミリスチン酸イソプロピル 5.00g保存剤 0.40g香料 0.10gポリアクリルアミド C13-14イソパラフィンおよびラウリン酸アルコール 7(OE)(セピゲル305−セピック) 3.00g精製水 全量を100gにする。 活性成分としてa)エスクロシド、エスクレチン、これらを含む抽出物およびこれらの混合物から選択されるクマリンを、b)プロアンソシアニジンダイマーおよびオリゴマーと組み合わせて含む、クーペローゼ(couperose)または瘢痕の治療のための局所的使用のための薬剤。 含まれるプロアンソシアニジンをプロアンソシアニジンA2、Vitis viniferaおよびCamellia sinensisから抽出されたプロシアニドールオリゴマーならびにそれらの混合物からなる群から選択することを特徴とする請求項1に記載の薬剤。 含まれるプロアンソシアニジンがプロアンソシアニジンA2であることを特徴とする請求項2に記載の薬剤。 燐脂質の純物質またはそれらの混合物を賦形剤として含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬剤。 クーペローゼ(couperose)または瘢痕を治療するための局所用の医薬品製造のためのエスクロシド、エスクレチン、これらを含む抽出物およびこれらの混合物から選択されるクマリンのプロアンソシアニジンダイマーおよびオリゴマーとの配合方法。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る