生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_グルタコンアルデヒドジアニル誘導体の製造方法
出願番号:1995090717
年次:2006
IPC分類:C07C 249/02,B01J 27/02,B01J 31/04,C07D 295/12,C07D 295/20,C07B 61/00


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原田 徹 JP 3745405 特許公報(B2) 20051202 1995090717 19950417 グルタコンアルデヒドジアニル誘導体の製造方法 富士写真フイルム株式会社 000005201 小栗 昌平 100105647 本多 弘徳 100105474 市川 利光 100108589 高松 猛 100115107 濱田 百合子 100090343 原田 徹 20060215 C07C 249/02 20060101AFI20060126BHJP B01J 27/02 20060101ALI20060126BHJP B01J 31/04 20060101ALI20060126BHJP C07D 295/12 20060101ALI20060126BHJP C07D 295/20 20060101ALI20060126BHJP C07B 61/00 20060101ALN20060126BHJP JPC07C249/02B01J27/02 XB01J31/04 XC07D295/12 AC07D295/20 AC07B61/00 300 C07C249/02 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) 特開昭63−055544(JP,A) 特開昭64−033547(JP,A) 特開平03−138638(JP,A) 米国特許第03482978(US,A) 米国特許第03552974(US,A) 2 1996283224 19961029 11 20020204 関 美祝 【0001】【産業上の利用分野】本発明はシアニン化合物の中間体として有用なグルタコンアルデヒドジアニル誘導体及びその製造法に関するものである。本発明の化合物は、染料、写真用染料、写真用増感色素、フィルター用染料、インク、光学情報記録媒体の記録用化合物、細胞等生体試料染色剤または医薬あるいはこれらの中間体としても用いることが出来る。【0002】【従来の技術】メソ位にアミノ基を有するグルタコンアルデヒドジアニル誘導体は、US3,482,978号及びUS3,552,974号に記載されているように対イオンとしてClO4 - 塩が用いられている。ClO4 - を含む化合物は爆発性であり製造するのに適していない。またこれら化合物の合成には、エチルイソホルムアニライドが用いられている。エチルイソホルムアニライドは、ORGANIC SYNTHESES Collective Volume 4, 464〜466 頁に記載されている方法で合成されるが蒸留を必要とする。【0003】【発明が解決しようとする課題】 したがって本発明の目的は、爆発性を有しないメソ位にアミノ基を有するグルタコンアルデヒドジアニル誘導体、すなわち上記有用中間体を容易に且つ安価に製造する方法を提供することにある。【0004】【課題を解決するための手段】 本発明の課題は、下記一般式〔Ia〕または〔Ib〕で表されるグルタコンアルデヒドジアニル誘導体の後述する製造方法によって解決することが出来た。【0005】【化5】【0006】式中、R1 及びR2 は各々アルキル基またはアリール基を表し、R1 とR2 はお互いに連結してもよい。R3 は水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、R4 及びR5 は水素原子またはお互いに連結して5または6員環を形成するに必要な非金属原子を表す。XはBF4 - 、SbF6 - またはPF6 - を表す。【0007】一般式〔Ia〕または〔Ib〕を詳述する。R1 ,R2 及びR3 によって表されるアルキル基は、ヒドロキシ基またはハロゲン原子(Cl,F、Br)等で置換されていてもよい。好ましくは、無置換のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等を挙げることが出来る。R1 及びR2 によって表されるアリール基は、メチル基、メトキシ基、ハロゲン原子(Cl、Br,F)、カルボキシル基、メトキシカルボニル基またはヒドロキシ基で置換されていてもよいフェニル基またはナフチル基である。好ましくは、無置換のフェニル基である。R1 とR2 が連結して出来る環としては、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、モルホリン及びピロリジン等を挙げることが出来る。好ましくは、R1 及びR2 の少なくとも一方がフェニル基である。【0008】R3 で表されるアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ等を挙げることが出来る。R3 で表されるハロゲン原子は、Cl,Br,Fである。好ましくは、R3 は水素原子である。【0009】R4 及びR5 によって形成される5または6員環としては、ヘテロ環及び環式炭化水素が挙げられる。好ましくは環式炭化水素であり一般式〔Ia〕で表される場合には、シクロペンタン、シクロヘキサン(一般式〔Ib〕で表す場合には、シクロペンテン、シクロヘキセンになる、以後同様である)が挙げられる。これらの環はメチル基、t−ブチル基あるいはフェニル基などで置換されていてもよい。R4 及びR5 はお互いに連結して5員の炭化水素環を形成するのが好ましい。X- で表される対イオンの中で好ましくはBF4 - である。さらに好ましくは、R1 またはR2 の少なくとも一方がフェニル基であり、R3 が水素原子であり、R4 とR5 で5員の炭化水素環を形成し、X- がBF4 ー である。【0010】 本発明の課題は、酸の存在下、オルトエステル、アニリン誘導体及び下記一般式〔II〕で表されるイミニウムカチオンを反応させる製造方法によって達成できた。本発明の製法を反応式で示せば次のようになる。【0011】【化6】【0012】式中、R1 及びR2 は各々アルキル基またはアリール基を表し、R1 とR2 はお互いに連結してもよい。R6 及びR7 はメチル基またはお互いに連結して5または6員環を形成するに必要な非金属原子を表す。R3 は水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、R8 はメチル基またはエチル基を表し、R4 及びR5 は水素原子あるいはお互いに連結し5または6員環を形成するに必要な非金属原子を表す。X- はBF4 - 、SbF6 - またはPF6 - を表す。【0013】各々の置換基について詳述する。R1 、R2 ,R3 ,R4 ,R5 及びXは前記と同義である。R6 とR7 による5または6員環の形成はR4 とR5 による5または6員環の形成と同義である。さらに好ましくは、R1 またはR2 の少なくとも一方がフェニル基であり、R3 が水素原子であり、R6 とR7 及びR4 とR5 で5員の炭化水素環を形成し、X- がBF4 - である。【0014】上記反応を実施する好ましい方法は、酸(例えば、硫酸、塩酸、酢酸等)の存在下、アニリン誘導体、オルトエステル及びイミニウムカチオンを無溶媒または溶媒中(アルコール、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等)で0〜150℃、さらに好ましくは50〜120℃で反応させることである。さらに好ましい反応方法は、アニリン誘導体とオルトエステルを無溶媒で、80〜120℃でアルコールを溜去しながら反応させ、ついでアセトニトリルあるいはアルコール等の溶媒及びイミニウムカチオンを添加し、60℃〜100℃で反応する方法である。また、R1 R2 NHで表されるアミン誘導体、R6 −C(=O)−R7 で表されるケトン誘導体(R1 ,R2 ,R6 及びR7 は前記の同義)及びイソプロピルアルコール、エチルアルコール、アセトニトリルあるいはメチルアルコー等の溶媒中に、HBF4 ,HPF6 ,HSbF6 等を滴下しイミニウムカチオンを合成した後、上記の反応をone pot で行うこともできる。【0015】また、本発明の課題は、一般式〔III 〕で表されるN,N−ジフェニルホルムアミジン誘導体と一般式〔II〕で表されるイミニウムカチオンとを反応させることによっても達成できる。その製法を反応式で次に示す。【0016】【化7】【0017】式中、R3 は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、R1 及びR2 は各々アルキル基またはアリール基を表し、R1 とR2 はお互いに連結してもよい。R6 及びR7 はメチル基またはお互いに連結して5または6員環を形成するに必要な非金属原子を表す。R4 及びR5 は水素原子あるいはお互いに連結し5または6員環を形成するに必要な非金属原子を表す。X- はBF4 - 、SbF6 - またはPF6 - を表す。【0018】それぞれの置換基は前記と同義である。さらに好ましくは、R1 またはR2 の少なくとも一方がフェニル基であり、R3 が水素原子であり、R6 とR7 及びR4 とR5 で5員の炭化水素環を形成し、X- がBF4 - である。【0019】上記反応を実施する好ましい方法は、N,N−ジフェニルホルムアミジン誘導体とイミニウムカチオンを無溶媒または溶媒中(アルコール、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等)、0〜150℃、好ましくは50〜100℃で反応する方法であり、無水酢酸を用いてもよい。本発明の化合物の具体例を次に示す。但し、便宜上〔Ia〕に基づいた式で示す。【0020】【化8】【0021】【化9】【0022】【化10】【0023】【化11】【0024】【化12】【0025】以下実施例によって本発明を説明する。【0026】【実施例】実施例1(1ーシクロペンチリデンジフェニルアミニウム テトラフルオロボレートの合成)ジフェニルアミン507g、シクロペンタノン302.8g及びイソプロピルアルコール800mlの溶液を5℃に冷却する。42%HBF4 940.8gを20℃以下、30分で滴下した。滴下後そのまま1時間攪拌し析出した結晶を濾過した。 収量:875g(収率:90.3%) m.p.:205〜207℃【0027】(化合物1の合成)オルトぎ酸エチル277.8g、アニリン117.5g及び濃硫酸1gの溶液を外温120℃で、反応で生成するエチルアルコールを溜去しながら2時間攪拌した。その後、1ーシクロペンチリデンジフェニルアミニウム テトラフルオロボレート161.4g及びアセトニトリル100mlを添加し30分還流した。室温まで冷却した後、析出した結晶を濾別し化合物1を得た。収量:212.7g(収率:80.4%) m.p.:250℃以上λmax:515.0(MeOH)【0028】(DSCによる熱量測定)化合物1の発熱量をDSCを用いて測定した。比較化合物についても同時に測定した。 化合物1 23cal/g比較化合物a 226cal/g【0029】【化13】【0030】DSCとは、示差走査熱量測定法の略であり、「機器分析」 田中誠之、飯田芳男著(裳華房)312頁にその分析法が記載されている。本発明の化合物は、化合物aに比較して発熱量が少なく爆発性がないことがわかる。【0031】実施例2〜17実施例1と同様な方法で化合物2〜17を合成した。それぞれの化合物のλmaxを表1に示す。いずれの化合物もDSCは30cal/g以下であり爆発性の問題はなかった。【0032】【表1】【0033】実施例18(化合物1の合成)1ーシクロペンチリデンジフェニルアミニウム テトラフルオロボレート3.2g、N,N−ジフェニルホルムアミジン4.9g、アセトニトリル5ml及び無水酢酸1mlの混合物を2時間還流し、析出した結晶を濾過した。収量:2.3g(収率:43.5%) m.p.:250℃以上【0034】【発明の効果】本発明の化合物は、爆発性を示さず製造適性があることがわかった。また、本発明の製造方法は、蒸留を必要としないために製造工程が減少し安価に製造できる。 酸の存在下、オルトエステル、アニリン誘導体及び下記一般式〔II〕で表されるイミニウムカチオンを反応させることを特徴とする下記一般式〔Ia〕または〔Ib〕で表されるグルタコンアルデヒドジアニル誘導体の製造方法。式中、R1 及びR2 は各々アルキル基またはアリール基を表し、R1 とR2 はお互いに連結してもよい。R3 は水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、R4 及びR5 は水素原子またはお互いに連結して5または6員環を形成するに必要な非金属原子を表す。XはBF4 ー 、SbF6 - またはPF6 - を表す。式中、R1 及びR2 は各々アルキル基またはアリール基を表し、R1 とR2 はお互いに連結してもよい。R6 及びR7 はメチル基またはお互いに連結して5または6員環を形成するに必要な非金属原子を表す。X- はBF4 - 、SbF6 -またはPF6 - を表す。 下記一般式〔III 〕で表されるN,N−ジフェニルホルムアミジン誘導体と下記一般式〔II〕で表されるイミニウムカチオンとを反応させることを特徴とする請求項1に記載の一般式〔Ia〕または〔Ib〕で表されるグルタコンアルデヒドジアニル誘導体の製造方法。式中、R3 は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表す。式中、R1 及びR2 は各々アルキル基またはアリール基を表し、R1 とR2 がお互いに連結してもよい。R6 及びR7 はメチル基またはお互いに連結して5または6員環を形成するに必要な非金属原子を表す。X- はBF4 - 、SbF6 -またはPF6 - を表す。


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