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タイトル:特許公報(B2)_グリシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレートの製造方法
出願番号:1995044196
年次:2006
IPC分類:C07D 303/16,B01J 31/02,C07B 61/00


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磯崎 剛 黒川 正弘 本間 昭弘 JP 3775438 特許公報(B2) 20060303 1995044196 19950303 グリシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレートの製造方法 三菱瓦斯化学株式会社 000004466 磯崎 剛 黒川 正弘 本間 昭弘 20060517 C07D 303/16 20060101AFI20060420BHJP B01J 31/02 20060101ALI20060420BHJP C07B 61/00 20060101ALN20060420BHJP JPC07D303/16B01J31/02 102XC07B61/00 300 C07D303/16 B01J 31/02 C07B 61/00 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) 4 1996239371 19960917 10 20020226 瀬下 浩一 【0001】【産業上の利用分野】本発明はグリシドールとメタクリル酸メチルまたはアクリル酸メチル(以下、「メタクリル酸メチル等」ということがある)とをエステル交換触媒の存在下に反応させて、グリシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレート(以下、「グリシジルメタクリレート等」ということがある)を製造する方法に関する。グリシジルメタクリレート等は樹脂改質剤、熱硬化性塗料、接着剤、繊維処理剤、帯電防止剤、およびイオン交換樹脂等種々の工業用原料として広く使用されている。近年、塗料材料、特に紛体塗料分野、電子材料および繊維分野において塩素含有量の少ないグリシジルメタクリレート等が求められている。【0002】【従来の技術】グリシジルメタクリレートは一般的に、メタクリル酸とアルカリを反応させ、メタクリル酸のアルカリ塩を得、ついで第4級アンモニウム塩の存在下にエピクロルヒドリンと反応させ、脱塩酸することにより製造されている。このように製造されたグリシジルメタクリレート等には通常塩素化合物が塩素濃度で表示すると1,000〜10,000ppm程度残存しており、この残存塩素が塗料材料(例えば紛体塗料)、電子材料および繊維分野において塗料特性、電気特性の低下、皮膚のかぶれ、そして近年は特に発ガン性および作業環境の改善等の問題を引き起こしている。【0003】更に、不純物として含まれる塩素化合物は樹脂および、塗料等の用途に使用した場合、性能の低下を招く原因ともなる。従って、製造されたグリシジルメタクリレート等から不純物である塩素化合物は極力除去されることが望ましい。しかしながら、従来の上記製造方法により得られたグリシジルメタクリレート等は通常、塩素を数千ppm含有している。このような塩素化合物を含まないグリシジルメタクリレート等を製造する方法としてグリシドールとメタクリル酸メチル等とのエステル交換反応により製造する方法がある。この方法により製造されたグリシジルメタクリレート等は本質的に塩素を含まないと考えられ、先に記した樹脂にしたときの性能低下および毒性、環境問題を大幅に改善することができる。【0004】エステル交換反応によりグリシジルメタクリレート等を製造する方法として、特公昭47−38421号公報に触媒としてホスフィンの存在下に行うことが開示されているが、該公報に記載されたグリシジルメタクリレートの生成量がガスクロマトグラフ上で観察されたのみで、一般工業的には意味がない。特公昭53−6133号公報ではシアン化カリウムを触媒として用いることによりグリシドール転化率が98%で得られたことが記載されているが、メタクリル酸メチルおよびグリシジルメタクリレートの二重結合や、グリシドール、グリシジルメタクリレートのエポキシ基等の付加物が生成したり、反応終了後、黒ないしは黒褐色の固形ないしは油状の沈澱物が生成し、蒸留前にこれらを除去しなければならず、煩雑である。【0005】特公昭61−37268号公報では強アルカリ触媒、例えばナトリウムメチラート等を用いて合成を行い、生成するメタノールを減圧下に直ちに除去することによりグリシジルメタクリレート収率95%で得たことが開示されている。しかし、蒸留前に触媒をろ過しなければならず、さらにナトリウムアルコラートは一般的にはメタクリル酸エステル類のアニオン重合開始剤であり、工業的に実施するにはかなりの危険を伴う。【0006】特開平4−173783号公報(比較例3)では酢酸カリウムを触媒として用い、酢酸カリウムはグリシドール中に溶解させ、この溶液をメタクリル酸メチル中に滴下反応させることによりグリシジルメタクリレートを得たことが開示されている。この場合も反応終了後に触媒の酢酸カリウムをろ過しなければならず、例えろ過したとしても、微量に溶け込んだ触媒により蒸留後期のグリシジルメタクリレート回収時に、グリシドールの複製が起こり、得られたグリシジルメタクリレートの純度が大きく低下する。また、上記酢酸カリウムはグリシドールに溶解させる溶解槽が必要であり、さらにグリシドールは酢酸カリウムが存在すると不安定になるため、低温下に保存しなければならないという欠点も有する。【0007】特開平6−1780号公報(実施例1)では触媒としてトリエチルアミンを使用し、さらにグリシドールとメタクリル酸メチルとの反応で生成したメタノールをヘキサンにより速やかに留去する事によりメタクリル酸メチルへのメタノール付加物(LB1)の生成を抑えながら、グリシドール転化率を上げ、さらには蒸留後期のグリシドールの生成を抑え、高純度のグリシジルメタクリレート(98.9%)を得ている。【0008】しかしながら、生成したメタノールを除くために反応主原料のグリシドールとメタクリル酸メチル以外にヘキサンが必要であり、これは釜収率を悪化させ、さらには回収され再使用するメタクリル酸メチルはヘキサンを含むためその純度調整を毎回行わなければならず、作業が煩雑である。そして、触媒のトリエチルアミンはメタクリル酸メチル回収時に除去されることを特徴としているが、回収再使用するメタクリル酸メチル中のトリエチルアミン量も常にチェックしなければならない。加えて、得られたグリシジルメタクリレート中に微量のアミン成分の混入が考えられ、グリシジルメタクリレートの品質を決定的に悪くすることが懸念される。【0009】ジャーナル・オブ・アメリカンケミカル・ソサイアティ(Jounal of the American Chemical Society,93巻,195頁,(1971年1月13日発行))には水層中のシアン化ナトリウムを用いて油層中のハロゲン化アルキルと反応させ、シアン化アルキルを得るのに相間移動触媒として第4級アンモニウムまたは第4級ホスホニウム塩が用いられている。これらは水層および油層での反応を進行させるための相間移動触媒であり、本方法のエステル交換反応とは全く関係ないものである。【0010】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来技術の課題を解決し、グリシドール反応率を上昇させ、また精製過程で製品純度を低下させることなくグリシジルメタクリレート等を得る方法を提供することにある。【0011】【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の結果、触媒として第4級アンモニウム塩((R1 R2 R3 R4 )N+ X- または第4級ホスホニウム塩((R1 R2 R3 R4 )P+ X- )の存在下に反応を行い、反応終了後触媒不活性化剤を添加して反応停止させることによりグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートが高純度で得られること見いだし、本発明を完成させた。【0012】すなわち、本発明は、グリシドールと、メタクリル酸メチルまたはアクリル酸メチルとのエステル交換反応により、グリシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレートを製造する方法において、触媒として一般式(1)に示す第4級アンモニウム塩または一般式(2)に示す第4級ホスホニウム塩を用いて反応を行い、反応終了後触媒不活性化剤を添加して反応を停止し、その後減圧下に未反応メタクリル酸メチルまたはアクリル酸メチルを蒸留除去後、グリシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレートを得ることを特徴とするグリシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレートの製造方法(R1 R2 R3 R4 )N+ X- (1)(R1 R2 R3 R4 )P+ X- (2)(但し、一般式(1)および(2)において、R1 、R2 、R3 、R4 は、それぞれ炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、フェニル基のいずれかであり、Xは、シアンイオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、メタクリル酸イオン、安息香酸イオンのいずれかである。)に関する発明である。【0013】本発明で使用する触媒、および触媒不活性化剤の作用は以下の通りである。(A)触媒の作用反応系に加えた一般式(1)、および一般式(2)に示す触媒は、エステル交換反応触媒として作用する。(B)触媒不活性化剤の作用エステル交換反応終了後、触媒活性をなくすために不活性化剤(SB)を添加し、触媒である(R1 R2 R3 R4 )N+ X- または(R1 R2 R3 R4 )P+ X- をSBにより複分解することにより(R1 R2 R3 R4 )NBまたは(R1 R2 R3 R4 )PBとSXに変化させる。これらの複分解物は全くエステル交換触媒としての活性を示さない。(R1 R2 R3 R4 )N+ X- +SB → (R1 R2 R3 R4 )NB+SX(R1 R2 R3 R4 )P+ X- +SB → (R1 R2 R3 R4 )PB+SXすなわち、合成工程においてはエステル交換反応として充分な活性を示し、反応終了後は触媒を複分解により完全に失活させることにより、高純度のグリシジルメタクリレートが得られることになる。【0014】本発明で使用される一般式(1)の第四級アンモニウム塩または一般式(2)のホスホニウム塩において、R1 、R2 、R3 、R4 は、それぞれ炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、フェニル基のいずれかであり、Xは、シアンイオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、メタクリル酸イオン、安息香酸イオンのいずれかである。【0015】上記一般式(1)で示される第四級アンモニウム塩として、具体的には、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムシアナイド、テトラブチルアンモニウムアセテート、テトラブチルアンモニウムシアナイド、テトラブチルアンモニウムチオシアネート、トリメチルエチルアンモニウムシアナイド、ジメチルジエチルアンモニウムアセテート、メチルトリエチルアンモニウムチオシアネート、トリメチルベンジルアンモニウムアセテート、トリエチルベンジルアンモニウムシアナイドが例示でき、一般式(2)で示される第四級ホスホニウム塩としては、テトラメチルホスホニウムメタクリレート、テトラフェニルホスホニウムシアナイドが例示されるがこれらのものに限定されるものではない。【0016】一般式(1)で示される第四級アンモニウム塩または一般式(2)で示される第四級ホスホニウム塩は、上記の1種でも良く、任意の2種以上のものを組み合わせて使用しても良いが、上記の中でもテトラメチルアンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムシアナイド、テトラメチルアンモニウムメタクリレート、テトラブチルアンモニウムシアナイドが好適に使用される。【0017】本発明で使用する一般式(1)で示される第四級アンモニウム塩または一般式(2)で示される第四級ホスホニウム塩の配合割合は、反応原料であるグリシドール1モルに対して、1〜500ミリモルであり、好ましくは3〜100ミリモル、更に好ましくは5〜50ミリモルである。また、触媒は、固体あるいは水溶液のいずれの形で使用しても良いが、水溶液として使用する場合、30〜80重量%の濃度とすることが実用上望ましい。【0018】本発明で使用される触媒不活性化剤として、メタンスルホン酸、メタリルスルホン酸、オクチルスルホン酸、ラウリルスルホン酸のナトリウム塩、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、燐タングステン酸、燐モリブデン酸のカリウムを除くアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩が例示できる。触媒不活性化剤は上記から選ばれた1種でも良く、任意の2種以上のものを組み合わせて使用しても良いが、上記の中でもp−トルエンスルホン酸ソーダ、燐タングステン酸ナトリウム、燐モリブデン酸ナトリウムが好適に使用される。本発明において使用される触媒不活性化剤の使用割合はグリシドール1モルに対して1〜1000ミリモルであり、好ましくは3〜200ミリモル、さらに好ましくは5〜100ミリモルである。【0019】これまでに開示されたグリシドールを用いたグリシジルメタクリレートおよびグリシジルアクリレートの製造方法では反応率が不十分であったり、合成中に触媒に基づく不純物生成およびエステル交換反応により生成してきたメタノールとメタクリル酸メチル等およびグリシジルメタクリレート等とのマイケル付加物等の生成によりグリシジルメタクリレート等の収率および純度の低いものしか得られていない。【0020】さらにはこれまでに開示された多くの方法は固形触媒を使用しており、これらの触媒が存在するとグリシジルメタクリレート等の蒸留中にグリシドールが再生され、得られた製品中にグリシドールが含まれ製品純度を低下させ、グリシジルメタクリレート等の製品収率も大きく低下させていた。【0021】本発明の特徴はグリシドールとメタクリル酸メチル等とのエステル交換反応において、例えばテトラエチルアンモニウムシアナイドを用い、短時間で、しかも不純物の生成が極めて少なくエステル交換反応を終了させ、その後触媒不活性化剤(例えばp−トルエンスルホン酸ソーダ、燐タングステン酸ソーダ)を加えることにより用いた触媒の活性をなくし、蒸留中におけるグリシドールの生成を完全に抑えることができるものである。本発明の製造方法の採用により、グリシジルメタクリレート等の純度を実質的に98.0%以上、もしくは98.5%以上の高純度のグリシジルメタクリレート等を比較的容易に得ることができ、さらにエポキシ化合物特有の不純物としての塩素化合物を全く含まないグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートを得ることができる。【0022】また、グリシドールとメタクリル酸メチル等とのエステル交換反応において単にシアン化カリウムを触媒として用い、反応終了後に触媒不活性化剤を加えてもなんら効果はない(本発明の比較例2)。以下に実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。【0023】【実施例】実施例および比較例での原料及び製品の純度測定はGC法によった。本実施例等において、原料、製品等の純度(%)は、全て重量%、ppmは重量ベースで示してある。【0024】参考例1内容積100ミリリットルのオートクレーブに、メタクリル酸メチル27.2g、トリメチルアミン15.3g、メタノール40gを導入し、加熱、振とうする。オートクレーブ内の温度が170℃に達した後、3時間その温度で反応を継続した。反応終了後、冷却し、オートクレーブを常圧に戻した後内容物の分析を行った。その結果、テトラメチルメタクリレートが76モル%(トリメチルアミン基準)の収率で得られた。【0025】実施例1ガス導入管、温度計、攪拌機、塔頂部に還流比調節器を備え付けたマクマホンパッキンを充填した内径15mmφ、長さ300mmの蒸留塔およびサンプル抜きだし管を備え付けた内容積2リットルの5つ口フラスコにメタクリル酸メチル500g(5モル)とp−メトキシフェノール0.5gおよびアルドリッチ(ALDRICH)社製テトラエチルアンモニウムシアナイド0.714g(8.5ミリモル)を加えた。圧力を300mmHgに減圧し、加熱を開始した。釜温度70℃より還流が開始され、蒸留塔塔頂温度を38℃〜55℃になるように還流比10〜30に調節し、生成したメタノールをメタクリル酸メチルとの共沸混合物として留去させた。【0026】反応開始3時間後、釜温は74℃になり反応を終了させた。この温度は塔頂温度が55℃以下に調節できなくなることにより確認ができ、このときのグリシドール反応率はガスクロマトグラフ分析より99.5%であることがわかった。この後直ちに、p−トルエンスルホン酸ソーダ5.6g(51ミリモル)を添加して触媒を不活性化し、圧力を100mmHgに減圧して、過剰量のメタクリル酸メチルを留出回収した。次に、圧力を30〜4mmHgに減圧し、初留成分として30.2gを回収した。この初留成分には4.6%のグリシドールを含むがこの初留成分は次の合成原料として使用することができる。主留成分として97gが回収され、グリシジルメタクリレートの純度は98.7%で、グリシドールは0.3%であった。【0027】実施例2実施例1で使用したと同様の装置に、触媒として参考例1で得たテトラメチルアンモニウムメタクリレート1.591g(10ミリモル)を加えた以外は実施例1と同様の操作で行った。反応2時間後、終了とし、このときのグリシドール反応率は98.4%であり、蒸留により得られたグリシジルメタクリレートの純度は98.0%で、グリシドールを0.9%含んでいた。【0028】実施例3実施例1と同様の装置に、触媒としてアルドリッチ(ALDRICH)社製テトラブチルアンモニウムチオシアネート3.12g(10ミリモル)を加えた以外は実施例1と同様の操作を行った。反応3時間後、反応を終了させた。このときのグリシドール反応率はガスクロマトグラフ分析より98.7%であることがわかった。この後直ちに、燐タングステン酸ナトリウム7.2g(26ミリモル)を添加し、実施例1と同様の操作で蒸留を行い、得られたグリシジルメタクリレートの純度は98.5%で、グリシドールは0.7%であった。【0029】比較例1実施例1と同様の装置に触媒としてシアン化カリウム0.55g(8.5ミリモル)のみを添加し、その後は実施例1と同様の操作を行った。グリシドール反応率99%を達成したが、蒸留中にグリシドールが副生してきたために、得られた製品グリシジルメタクリレートの純度は95%であり、製品収量は65gと極めて低いものであった。【0030】比較例2比較例1と同様にエステル交換反応を行い、グリシドール反応率98.1%を達成した。その後、p−トルエンスルホン酸ソーダ5.6g(51ミリモル)を添加して蒸留を行ったが、蒸留中のグリシドールの複製は全く抑えることができなかった。結果として得られた製品グリシジルメタクリレートの純度は94%であった。【0031】比較例3実施例1と同様の装置に触媒としてテトラメチルアンモニウムクロリド1.86g(17ミリモル)のみを添加し、その後は実施例1と同様の操作を行い、エステル交換反応を2時間行ったが、反応は殆ど進行しなかった。【0032】【発明の効果】本発明の製造方法の採用により、従来の製造では除去不可能であった有害なエピクロルヒドリンや樹脂の物理的性質等を低下させる塩素化合物を全く含まず、かつグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートを高純度、高収率で得ることができる。【0033】【0034】 グリシドールと、メタクリル酸メチルまたはアクリル酸メチルとのエステル交換反応により、グリシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレートを製造する方法において、触媒として一般式(1)に示す第4級アンモニウム塩または一般式(2)に示す第4級ホスホニウム塩を用いて反応を行い、反応終了後触媒不活性化剤を添加して反応を停止し、その後減圧下に未反応メタクリル酸メチルまたはアクリル酸メチルを蒸留除去後、グリシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレートを得ることを特徴とするグリシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレートの製造方法。(R1 R2 R3 R4 )N+ X- (1)(R1 R2 R3 R4 )P+ X- (2)但し、一般式(1)および(2)において、R1 、R2 、R3 、R4 は、それぞれ炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、フェニル基のいずれかであり、Xは、シアンイオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、メタクリル酸イオン、安息香酸イオンのいずれかである。 一般式(1)の第4級アンモニウム塩が、テトラメチルアンモニウムシアナイド、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムシアナイド、テトラブチルアンモニウムアセテート、テトラブチルアンモニウムシアナイド、テトラブチルアンモニウムチオシアネート、トリメチルエチルアンモニウムシアナイド、ジメチルジエチルアンモニウムアセテート、メチルトリエチルアンモニウムチオシアネート、トリメチルベンジルアンモニウムアセテート、トリエチルベンジルアンモニウムシアナイドから選ばれた少なくとも1種であり、または一般式(2)の第4級ホスホニウム塩がテトラメチルホスホニウムメタクリレート、テトラフェニルホスホニウムシアナイドから選ばれた少なくとも1種以上である請求項1記載のグリシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレートの製造方法。 一般式(1)の第4級アンモニウム塩または一般式(2)の第4級ホスホニウム塩の使用割合が、グリシドール1モルに対して1〜500ミリモルである請求項1記載のグリシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレートの製造方法。 使用する触媒不活性化剤がアルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、燐タングステン酸、燐モリブデン酸のカリウムを除くアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩から選ばれた少なくとも1種以上であり且つ、該アルカリ金属塩の使用割合がグリシドール1モルに対して1〜1000ミリモルである請求項1記載のグリシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレートの製造方法。


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