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タイトル:特許公報(B2)_血球、幹細胞、および血小板の凍結乾燥生成物の製造方法
出願番号:1995032718
年次:2006
IPC分類:A61K 35/14,A61K 9/14


特許情報キャッシュ

飯島 哲生 石井 芳一 舩越 宣博 岡田 桂治 川田 忠通 JP 3788522 特許公報(B2) 20060407 1995032718 19950221 血球、幹細胞、および血小板の凍結乾燥生成物の製造方法 日本電信電話株式会社 000004226 志賀 正武 100064908 飯島 哲生 石井 芳一 舩越 宣博 岡田 桂治 川田 忠通 JP 1994046531 19940222 JP 1994046551 19940222 JP 1994216683 19940819 20060621 A61K 35/14 20060101AFI20060601BHJP A61K 9/14 20060101ALI20060601BHJP JPA61K35/14 AA61K35/14 ZA61K9/14 A61K 35/14 A61K 9/14 特開平05−126696(JP,A) 特開昭48−035027(JP,A) 特開昭59−139959(JP,A) 特開平03−072401(JP,A) 13 1996109136 19960430 18 19991112 鶴見 秀紀 【0001】【産業上の利用分野】本発明は、冷却に特殊な冷媒・装置を必要としない、したがってそのためのエネルギーの供給も少なくて済み、かつグリセリン等の凍結防止剤を混入・脱離させる必要のない血球、幹細胞、および血小板の凍結乾燥生成物およびその製造方法に関する。【0002】【従来の技術】自分の血液を保存しておいて必要なときに輸血する、いわゆる自己血輸血や、まれな血液型をもつ人が万一の場合に備えて貯血するまれ血、又は一般の輸血用血液、及びこれらの血液成分は、保存を必要とする。保存期間は1カ月以上のものが対象となる場合が多い。【0003】上記血液及び血液成分の長期保存には、代表的なものにエレクトリックフリーザを用いる−80℃の冷凍法や液体窒素を使う冷凍法(約−196℃保存)、また液体ヘリウムを使う冷凍法(−270℃保存)がある。これらの貯血方法はいずれも、冷却するために特殊な冷媒と容器、及びそのためのエネルギーの供給が必要である。また、冷凍保存前に、グリセリン等の、氷の結晶が成長することにより、または浸透圧などにより、細胞膜が破壊されることから細胞を保護する化合物である、凍結防止剤を血液と混合させ、使用時には、解凍後、当該グリセリン等の凍結防止剤を除去する必要があった。【0004】これらの血液及び血液成分の長期保存用貯蔵方法は次のように行われる。以下に濃厚赤血球(ヘマトクリット血*55〜90%)を凍結する場合を例に説明する(*ヘマトクリット値=血液成分全体に対する血球成分の割合で、健常者の末梢血血液の通常値は45〜50%程度である。)1)クエン酸ナトリウム又はヘパリンを抗凝固剤として採血した血液を、遠心分離させ、血漿及びバフィコート(buffy coat)を除いてヘマトクリット値55〜90%の濃厚赤血球を得る。2)これにグリセリンを主成分とする保存液を等量混和させる。当該保存液組成は、例えば、下記のとおりのもの:a)グリセリン 60gb)70%の乳酸ナトリウム 2.57gc)KCl 0.02gd)NaCl 0.26gを純水に溶かし、最終的に100mlとしたものが使われる。3)この混和後の血液を保存容器に入れて冷却する。通常の輸血用容器(容積200ml)に入った血液に対して、平均的な冷却速度は早い方法で100℃/分程度、遅いもので数℃/分程度である。ここで、血液冷却速度とグリセリン濃度には解凍後の血液の溶血率(血球の死亡率に相当する)に対して相関があり、一定の溶血率以下に抑えようとする場合、高い冷却速度の場合には比較的薄い濃度のグリセリンでよく、低い冷却速度の場合には比較的濃い濃度のグリセリンを必要とする。実用的には、以下の2つの方法が用いられる。a)高濃度グリセリン・低冷却速度法(high−concentration glycerol low freezing speed method)b)低濃度グリセリン・高冷却速度法(low−concentrationglycerol high freezing speed method)a)は、上記2)で述べた組成のグリセリン液を等量の血液に加え、適当な容器に入れた後、−80℃のエレクトリックフリーザー中に入れる。この時、容器中の血液は数10分から1ないし2時間で−80℃に到達するので、平均の冷却速度は、1−10℃/分である。(例えば、濃厚赤血球(約200ml)を室温(20℃)から冷却する場合、b)は、例えば28%グリセリン、3%マンニトール、0.65%NaCl、とからなる低濃度グリセリン液を等量の血液に加え、適当な容器に入れた後、液体窒素中に浸せきさせる。この方法では、1ないし2分で室温(約20℃)から液体窒素温度(−196℃)に到達するので、濃厚赤血球(約200ml)あたり、平均の冷却速度は、2−4℃/秒である。4)血液を使用する場合は、冷凍庫から取り出した後、40℃程度の湯浴の中で急速に解凍する。5)解凍後、生理食塩水等で洗浄し、グリセリンを除去する。この作業のため、数時間を要する。【0005】従来、血液の微粒子化の方法については、液体窒素中に気体を利用して滴下させることによって微粒子化させる方法がある。例えば、佐藤知義による「Droplet Freezingによる赤血球凍結保存の研究」北海道医学雑誌、第58巻、第2号、第144〜153頁(1983)に記述がある。この方法では、微粒子化の手段として空気の流入の強さを調節して種々のサイズの塊(droplet)を作り出す。この場合、気体と混合するサイズは同誌中の第4図に示されているように、0.7〜2.8mmと大きい。生存率〔100−(赤血球の溶血率)〕も35〜70%と悪い。また、同図に0.5mmのサイズにした場合には、生存率が20%以下と低く実用にならない。【0006】この方法は内径0.4mmのポリエチレン製内管とこれを包む内径3mmの外套管よりなる二重管を用いるものである。内管から血液を、外套管から気体を導入し、ベルヌーイの原理を用いて前記内管出力端部に負圧を発生させて血液を導入し、気体と混合して、その下に置かれた液体窒素中に滴下するものである。滴下された血液の粒子サイズは、前記内管の直径で決まり、滴下速度は、外套管に流す気体の流量で決まってくる。【0007】したがって、この方法では、前記第4図に示すように0.7mm〜2.8mmと大きく、また、ごく限られた範囲の粒子しか生成できない。内管の直径を大きくすると、図に示すように、粒子サイズは大きくなり溶血率が大きくなる。また、内管の直径を小さくすると、目づまりを起こし、血液の滴下が不能となる。【0008】すなわち、従来の粒子化する方法ではベルヌーイの原理を用いた単純な負圧方式であるため、微粒子化コントロールが不十分である。また粒子サイズが0.7mm〜2.8mmと大きく、また0.5mm以下の粒子の形成は不可能であり、0.5mmのサイズの粒子の場合でもその制御が難しいため生存率が著しく悪い(溶血率が高い)という欠点があった。【0009】【発明が解決しようとする課題】以上述べた従来の血液の保存方法には以下の問題点がある。(1)冷却するために特殊な冷媒と容器を必要とし、そのための大きなエネルギーの供給が必要である。例えば、液体窒素は100円/リットル、液体ヘリウムは3000円/リットルと高価であり、密閉性、保冷性の点で特殊な容器が必要である。(2)グリセリンを主成分とする保存液を使用するので、これを解凍して使用するまでに、脱グリセリン化のための時間を必要とする。【0010】以上に例示したように、従来の血液の保存方法は特殊な冷媒と容器を必要とし、そのための大きなエネルギーを供給しなければならないという問題、更には脱グリセリン化のための繁雑さ、時間がかかるため例えば緊急用には適用できないという問題がある。また、従来のドロップレット法による血液冷凍方法では、粒子サイズが0.7から2.8mmと大きい上に、溶血率が高く実用にならないという欠点があった。【0011】本発明の目的は、保存のためのエネルギーが少なくて済み、常温又は例えば一般の冷蔵庫に保存するだけでよく、かつ脱グリセリン処理等を必要としない、血球、幹細胞、および血小板の凍結乾燥生成物及びその製造方法を提供することにある。【0012】【課題を解決するための手段および作用】 本発明によれば血球を含む血液、骨髄液(造血幹細胞)、および血漿中血小板からなる群から選択される1種の液体を、糖類、バイオポリマー、または、酸もしくはその塩のうちの少なくとも1種類を含有する溶液で前処理する工程と、この前処理した液体を気体との混合噴霧により第1の所定のサイズに微粒子化する工程と、微粒子化した液体を氷点下温度にした気体中に噴霧することにより第2の所定のサイズの生成物に急速冷凍する工程と、凍結物から水分を昇華して乾燥する工程とからなることを特徴とする、血球、幹細胞、および血小板の凍結乾燥生成物の製造方法が提供される。【0013】以下、本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明及び実施例、更に図面の説明においては、血液又は血液成分を例にとり、説明の便宜上、単に血液と略記して説明する。【0014】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図1は、本発明方法の手順の1例を示すブロック図である。1は血液2と前処理液3を混合(混和)する手段、7は血液と前処理液との混合液である。4は血液と前処理液との混合液を微粒子化する手段、5は微粒子化された混合液を冷却(冷凍)する手段、6は乾燥手段である。8は得られた凍結乾燥した保存血液、9は後述するように保存手段、10は戻し(再生)手段である。血液2は、例えばヘマトクリット値55〜90%の濃厚赤血球を使用する。【0015】このとき、当該血液を前処理してもよい。前処理液3の例としては、糖類、バイオポリマー、又は酸若しくは酸の塩のうち少なくとも1種類を含有してなる溶液がある。濃厚赤血球と前処理液とは両者適当量混合(混和)する。混合の手段としては、常法でよく、例えばかくはん、振とう等がある。また、混合の手順も当該血液を前処理液に注入する方法でも、その逆の方法であってもよい。好ましくは、該血液中に前処理液を混和しながら加える。【0016】糖類の例としては、マンノース、キシロース、グルコース、トレハロース、スクロース、マルトースから選ばれた糖類を少なくとも一種類以上含むものが挙げられる。【0017】前記バイオポリマーの例としては、デキストラン、りん酸エステル塩、ポリビニルピロリドン(PVP)、アルブミンから選ばれたバイオポリマーを少なくとも一種類以上含むものが挙げられる。ここで、前記りん酸エステル塩の例としては、ホスホリルコリンクロライド[シグマ(Sigma)試薬#P0378]、5−ホスホリルリボース−1−ピロホスフェート(シグマ試薬#P8296)、また、C3H3NO6P(シグマ試薬#P5506)、C3H5NO6P(シグマ試薬#P0753)、C3H8NO6P(シグマ試薬#P0878)、C3H10NO6P(シグマ試薬#P1003)が挙げられ、それらの塩の例としてはナトリウム塩、カルシウム塩が挙げられる。【0018】前記アルブミンの例としては、人アルブミン、牛アルブミン、卵白アルブミンから選ばれたアルブミンを少なくとも一種類以上含むものが挙げられる。【0019】ここで、人アルブミンの例としては、シグマ試薬A−1653,同A−1887,同A−9511,同A−8763,同A−3782,同A−6784,同A−6019,同A−6909,ジニトリフェニール(同A−6661)などがある。【0020】また、牛アルブミンの例としては、シグマ試薬A−2153,同A−3350,同A−4503,同A−3425,同A−9647,同A−8022,同A−6003,同A−2934,同A−9543,同A−4628,同A−7888,同A−4378,同A−3424,同A−7511,同A−7638,同A−0281,同A−3059,同A−3902,同A−7906,同A−6793,同A−6918,同A−3912,同A−7409,同A−7534,同A−7284,同A−1662,同A−3299,同A−3174,同A−7159,同A−7034,同A−3294,同A−7030,同A−9430,同A−3803,同A−7688,同A−3675,同A−9306,などがある。【0021】また、卵白アルブミンの例としては、シグマ試薬A−5253,同A−5378,同A−5503,同A−2512,同A−7641,同A−3154,などがある。【0022】また、前記酸若しくは酸の塩の例としては、フィチン酸(別名、イノシトールヘキサりん酸:IHP)、ピロりん酸塩、アデノシン三りん酸(ATP)、2,3−ジホスホグリセリン酸(2,3−DPG)から選ばれた物質を少なくとも一種類以上含むものが挙げられる。そして前記ピロりん酸塩の例としては、カルシウム塩(Ca2P2O7)、鉄塩[Fe4(P2O7)3]、カリウム塩(K4P2O7)、ナトリウム塩(Na2H2P2O7、又はNa4P2O7・10H2O)、スズ塩(Sn2P2O7)、トリブチルアンモニウム塩が挙げられる。【0023】前処理液3のpHについては、4から9の間に制御する。好ましくは7.0〜8.0の間とする。用いた試薬は、りん酸水素二カリウムとりん酸二水素カリウムである。各々1/15モル濃度溶液を作り混合して緩衝液を作製する。これを基に後述する前処理液を作製する。この最終濃度をpHが4から9の間、好ましくは7.0〜8.0の間にくるようにする。pHが4より低い場合には細胞膜が硬化する傾向になり、変形特性の劣化が見られる。また、pHが9より高いと細胞膜が溶解する傾向にある。【0024】 微粒子化手段4は、例えば図2に示すように、エア、窒素ガス等の気体と血液(上記混合液)を混合噴霧させる構成が好ましい。【0025】図2は、本発明における微粒子化及び急速冷凍を行う装置の1例と、微粒子の挙動を示す断面模式図である。図2において、符号11はノズル、12は気体、13は飛散した混合液、14は血液回収用容器、14′は蓋部、15は冷媒、16は冷却用容器、17は気体回収用の孔、18は容器14の回転軸、19は回転方向、20はノズル径を意味する。図2に示すように、混合液7は気体12とノズル11で混合された飛散・微粒子化される。13は飛散した混合液である。血液回収用容器14は冷却用容器16に入れられた液体窒素などの冷媒15によって冷却されており、飛散した混合液13は血液回収用容器14の内壁で急激に冷却される。【0026】ここで、従来の冷却方法では、前記のように速い方法でも、2−4℃/秒であるのに対し、微粒子化した場合には、熱伝導効率が高い上に、(単位体積当たりの冷却速度が同じであるとしても)体積そのものが小さいため、1微粒子当たりの冷却速度は飛躍的に大きくなる。【0027】例えば、単純にボリウム効果だけを考慮して冷却速度比を推定すれば、体積200mlの血液(前記の場合)と、半径10μmの微粒子化された塊との平均冷却速度の比較は、即ち、5×1010倍となる。【0028】実際には、容器の内側に付着凍結された粒子の上に次々と粒子が飛散してくるため、粒状を保ったまま次々と堆積を繰り返し、図2の拡大図に模式的に示すように、これらの粒子が集合したある大きさの樹枝状クラスタとなる。または、ポア(pore)の多い多孔質状(porous)の生成物ができる。従って、このクラスタまたは多孔質状(porous)の生成物を構成する粒子の冷却速度は、前記5×1010倍よりは小さく、実測手段がないため厳密に言うことは困難であるが、少なく見積もっても、103ないし106倍程度、即ち、1000℃/秒ないし数100万℃/秒の冷却速度と推定される。【0029】従って、該血液を構成する水による氷の結晶成長速度より、冷却速度が十分に速いため、凍結時に大きな氷が生成されず、血液(血球)がこわれることなく凍結される。この高い冷却速度は前処理液の影響を更に高め結果的によい血球の生存率を確保することに貢献する。血液回収用容器14は冷却温度を一定に保つため軸18の周りに回転(19)する機構を設ければ、付着する血液の冷却条件を同じにすることができる。血液回収用容器14には、気体回収用の孔17が設けられており、当該容器内圧力はほとんど上昇しない機構となっている。それらの構成にすることによって多量の血液を微粒子化・冷却することができる。又、該容器14は滅菌構造にしておく。【0030】冷却効率をあげるために、容器14を回転させたり、容器14を傾けて回転させてもよい。また、滅菌閉容器中において、回転するクーリングキャン(cooling can)に噴射して、必要に応じてブレードを使用してリアルタイムに取り除いて回収したり、板状の冷却板に吹き付け、必要に応じて相対速度をもたせ、または/かつブレードを使用してリアルタイムに取り除いて回収したり、複数のノズルを用いて、必要に応じて相対速度をもたせ、または/かつブレードを使用してリアルタイムに取り除いて回収することも可能である。【0031】該ノズル11は以下の機能を有するものが望ましい、即ち、「特許出願公告平4−21551」(公告日平成4年4月10日/日本国特許第1730868号)なる「高速渦流気体による超微粒子発生用ノズル」に記述されている、「液体噴射口と、前記液体噴射口を取り組む位置に形成された環状の渦流室と、渦巻状に渦流室に延びて、渦流室内に高速気流を導入する複数の旋回導孔と、前記渦流室の前記液体噴射口に臨む側に液体噴射口の前方に向けて開口され、液体噴射口の前方に焦点をもつ先細り円錐形の高速渦流を噴射形成する環状の気体噴射口と、を備えた高速渦流気体による超微粒子発生ノズル」を用いる。また、同様な機能を有する日本国特許第1689645号,同1689660号,同1757351号,または同1770496号記載のノズルであってもよい。これらは、気体と、液体の導入方法の種々例を規定したものである。【0032】そのポイントは、「気体導入口から導入された気体を、渦巻状に渦流室に延びて渦流室内に高速気流を導入する複数の旋回導孔によって渦巻き状になし、渦流室を経て液体噴射口の前方に焦点をもつ先細り円錐形の環状の気体噴射口から噴射させることによって、高速渦流を発生させ、これによって液体を粉砕・微粒子化する」ものである。ただし、図2には、ノズルの内側構造は詳細に示されていない。このノズルを使うと後述するように血液を含む液体を微粒子化することが可能となる。また、該粒子サイズの分布が狭く、サイズのそろった微粒子化が可能となる。【0033】前記血液は混合する気体の圧力12とノズル径20に依存して異なる粒子サイズ(血球が複数集まって大きな粒子状になったもの)の液状となって飛散する。例えば、ノズル径1.2mmのノズルを使った場合、気体の圧力と前記粒子の大きさの関係は図3に示すようになる。図3で、縦軸は平均粒子サイズ(μm)、横軸はエア噴射圧力(kg/cm2)、23、23′が両者の関係を示す曲線である。図3中のハッチ部分は処理する血液混合液1〜20cc/分の範囲である。図3の例では、ノズル径1.2mmの場合、エア噴射圧力0.5〜6kg/cm2の範囲で数μmから40μm程度までのサイズの粒子が飛散し、容器に付着する。ノズル径が大きくなると、曲線23は24の方向に移動し、粒子サイズと混合液の処理量の制御が可能である。【0034】ここで、「粒子」とは、ノズルから飛散した時のものを意味し、「クラスタ」とは、これらの粒子が複数集合したものを意味する。図4及び図5は図3で説明するノズルを使用して、空気圧力各々1kg/cm2、4Kg/cm2で血液を含む液体を微粒子化し、これをレーザーを用いた粉塵測定器で測定したものである。図からわかるように、サイズは数10ミクロンと小さく、またその分布もシャープでサイズの均一性に優れていることがわかる。なお、図4および図5において、nは被測定粒子数を示す。【0035】微粒子化は図3に示す通り、あるノズル径のものに対して気体圧力、液体流量によって制御可能であり、同特性はノズル径の大きさによっても制御できる。ノズル噴射口で微粒子のサイズは数ミクロンから数100ミクロンまで制御可能であるが、好ましくは10ミクロンから200ミクロン、細胞サイズ(微粒子の直径)で言えば赤血球の場合、2,3個から数十個の細胞程度の大きさの直径がよい結果が得られた。【0036】前記のように、ノズル噴射口から飛散した粒子は、次々に容器壁に付着し、冷却(凍結)される。従って、凍結後の血液は、個々の粒子が集まって(粒子形態を残したまま)結合して樹枝状のクラスタ(cluster)となる。または、厚く堆積した場合には、ポア(pore)の多い多孔質状(porous)の生成物ができる。【0037】例えば、ノズル噴射口で飛散された粒子サイズが30ミクロンの条件で生成した場合、数10個から数100個程度あつまった樹枝状のクラスタ(cluster)、または、多孔質状(porous)の生成物となる。走査型電子顕微鏡による観察によれば、後述するように凍結乾燥後の大きさは1mm以下、100ないし数100ミクロンの樹枝状のクラスタ(cluster)、または、多孔質状(porous)の生成物であることがわかった。【0038】一方、比較例に示すように、本方式の微粒子化をしない場合には、上記特徴の生成物は得られず、バルク状の固形物となって、保存や戻し工程が限定される。また、粒子サイズが30ミクロン及びそれ以下の粒子が各々独立している(クラスタとなっていない)場合には、凍結乾燥後は軽量の微粉末となるため、飛散し易く取り扱いが極めて難しい。【0039】更に微粒子化、凍結のための前記各方法と異なる方法としては、少なくとも氷点以下の低温のガス中に血液を噴霧することによって小さな粒子として凍結させる方法を用いてもよい。この方法は、アイススクライバとも呼ばれ、液体窒素温度下で、窒素ガス中に液体を導入することによって、小さな凍結粒子をつくる方法を含む。なお、前記した各方法の中では噴霧化を伴う方法が好適である。【0040】付着工程を終了した後、血液回収用容器14は蓋部14′からはずし直ちに乾燥手段6にかけられる。乾燥手段としては一般の真空乾燥機(図示せず)が用いられてもよい。ここでは、付着・凍結した血液は極低温度になっているため、当該乾燥機では昇華過程によって脱水され、凍結乾燥血液8の製造が完成する。この時、上記説明の様に大きさ1mm以下数100μmの樹脂状クラスタ又はポアの厚い多孔質状生成物となる。【0041】凍結乾燥血液8は通常の冷蔵庫(保存温度約5℃程度)に保管しておけばよく、使用する場合は図1の10の戻し手段によって戻され、洗浄後の実際の輸血等に使用される。【0042】【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。【0043】 なお、以下の実施例1ないし6、および比較例1ないし3において、グルコース、キシロース、マンノース、及び二糖類は1から2モル、PVPは分子量約40,000のものを使用した。また、ピロりん酸塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、鉄塩でいずれも同様な結果が得られた。【0044】実施例1本例では、保存後の戻し時の血球の生存率に関しての実施例を述べる。後記の表1に示す代表的な組成の前処理液を用意し、等量の血液(ヘマトクリット値55%〜90%の濃厚赤血球)と混合し、微粒子化・凍結乾燥させた。エア噴射圧は、1kg/cm2、液体(血液)噴射量は20cc/分としたため、ノズル出力端での粒子サイズは、平均で30ないし40μmと推定された。凍結乾燥後の生成物は、大きさ300μm〜700μmの樹枝状クラスタが得られた。乾燥時の含有水分量は0〜30%とした。得られた血液を一般の冷蔵庫(温度5℃)に1カ月保存した後、混合時と同じ量の前処理液を加えて戻した(試料番号#1および#2)。この時、凍結乾燥血液は、戻し液となじみが良く、容易に解けてもどることがわかった。また保存期間の3ケ月の試料をそれぞれ#3および#4とした。得られた血液を毎分2000回転、10分間遠心分離した後に上清を採取し、血球カウンタ〔シスメクス(sysmecs)NE−8000〕でヘモグロビン量を測定した。これを予め測定した微粒子化・凍結乾燥前の混合液のヘモグロビン値で除した(割った)値を溶血率とした。この時の溶血率を微粒子化・冷凍乾燥後の生存率と近似した。生存率=100−(溶血率)%である。【0045】比較例1及び2比較例1及び2として、前記工程で微粒子化を行わず、当該同じ組成の血液混合液をそのままフラスコに入れ、同様な手段によって凍結乾燥血液を製造し、同様な戻し実験を行った(保存期間1か月)。生成物は乾燥状態にあり、容器の内側形状に沿ったバルクの固形物となった。(粒子化していないので粒子サイズはない。)この生成物の場合、戻し液に浸漬して混和しても解けにくく、溶解(戻し)までに多くの時間を要した。また、前処理液をグルコースだけを含有する組成とし同様の実験を行った(比較例3)。結果を下記表1に示す。【0046】【表1】【0049】 以上の結果から明らかなように、本発明の凍結乾燥血液は、保存の安定性に優れ、また実用上十分な生存率を有するので実際の輸血に適応できる。 なお、下記の実施例2〜4において、PVP、りん酸エステル塩、及びデキストランは、いずれも分子量約4万のものを用いた。その結果、りん酸エステル塩では、ナトリウム塩とカルシウム塩で同様な結果が得られ、またピロりん酸塩では、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、鉄塩で同様な結果が得られた。【0050】 実施例2 表2に示す組成の前処理液を用意し、等量の血液と混合し、微粒子化・凍結乾燥させた。【0051】微粒子化・急冷速度は1000℃/秒から数100万℃/秒と、前記従来の冷却速度と比較して1000倍から数100万倍速い条件とした。乾燥時の含有水分量は0〜30%とした。得られた樹枝状クラスタ様血液を一般の冷蔵庫(温度5℃)に1カ月保存した後、混合時と同じ量の前処理液を加えて戻した。得られた血液を毎分2000回転、10分間遠心分離した後に上清を採取し、血球カウンタ〔シスメクス(sysmecs)NE−8000〕でヘモグロビン量を測定した。これを予め測定した微粒子化・凍結乾燥前の混合液のヘモグロビン値で除した(割った)値を溶血率とした。この時の溶血率を微粒子化・凍結乾燥後の生存率と近似した。結果を表2に示す。【0052】【表2】【0053】実施例3 前処理液のバイオポリマーの種類を変える以外は実施例2と同様な方法で前処理液を使い同様の実験を行った。結果を表3に示す。【0054】【表3】【0055】実施例4 前処理液の酸又は酸の塩の種類を変える以外は実施例2と同様な方法で前処理液に同様の実験を行った。なお各成分の濃度は以下のとおりである。 糖類 ………………………… 1から2モル りん酸エステル塩……………… 15wt% ATP ………………………… 1.0wt% 2,3−DPG ……………… 1.0wt% 結果を表4に示す。【0056】【表4】以上の実施例の戻し後の血液を生理食塩水などで洗浄し実際の輸血に供し、良好な結果を得た。【0057】 下記の実施例5〜7、及び比較例4において、PVP、りん酸エステル塩、及びデキストランは、いずれも分子量約4万のものを用いた。その結果、りん酸エステル塩では、ナトリウム塩とカルシウム塩で同様な結果が得られ、またピロりん酸塩では、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、鉄塩で同様な結果が得られた。また、pH値については、主に7,4としたが、4から9の間の液の場合は凍結乾燥、及び保存再生後の生存率は同様な値を示した。【0058】実施例5 血液単独組成のもの(濃厚赤血球)と、表5に示す前処理液を用意し等量の血液と混合し、微粒子化・凍結乾燥させた。微粒子化・急冷速度は103℃/秒から106℃/秒と前記従来の冷却速度と比較して103〜106倍程度速い条件とした。乾燥時の含有水分量は0〜30%とした。得られた乾燥血液樹枝状クラスタ様生成物を一般の冷蔵庫(温度5℃)に1カ月保存した後、血液単独のものは等量の前処理液で、また前処理したものは混合時と同じ量の前処理液を加えて戻した。得られた血液を毎分2000回転、10分間遠心分離した後に上清を採取し、血球カウンタ〔シスメクス〕(sysmecs)NE−8000〕でヘモグロビン量を測定した。これを予め測定しておいた微粒子化・凍結乾燥前の混合液(濃厚赤血球と前処理液との混合液)のヘモグロビン値で除した(割った)値を溶血率とした。この時の溶血率を基に、微粒子化・冷凍乾燥後の生存率を(100−溶血率)(%)と近似した。結果を表5に示す。【0059】【表5】【0060】実施例6 前処理液のバイオポリマーの種類を変える以外は実施例5と同様な方法で前処理液を使い同様の実験を行った。結果を表6に示す。【0061】【表6】【0062】実施例7 前処理液の酸又は酸の塩の種類を変える以外は実施例5と同様な方法で前処理液に同様な実験を行った。なお各成分の濃度は以下のとおりである。 糖類 ………………………… 1から2モル りん酸エステル塩……………… 10wt% ATP ………………………… 1.0wt% 2,3−DPG ……………… 1.0wt% 結果を表7に示す。【0063】【表7】以上の実施例の戻し後の血液を生理食塩水などで洗浄し実際の輸血に供し、良好な結果を得た。【0064】比較例4 表5の濃厚赤血球を微粒子化することなく従来の遅い冷却速度で凍結し(凍結に要する時間は数分)乾燥させた。乾燥後はバルクの固形質となり、本実施例でのべたような樹枝状クラスタまたはポアの多い多孔質状の形態とは異質なものとなった。その後同様な条件で保存し、前処理液で処理した結果、すべての血球が壊され、生存率が0であった。 なお、下記の実施例8〜10及び比較例5において、用いた人アルブミン及び牛アルブミンは、いずも分子量約66,000のものを用いた。その結果、人アルブミンでは、同様な結果が得られ、また牛アルブミンについても同様な結果が得られた。また、牛アルブミン、人アルブミン、卵白アルブミンの少なくとも2種を混合して用いた場合でも同様な結果が得られた。また、pH値については、主に7.4としたが、4から9の間の液の場合は凍結乾燥、及び保存再生後の生存率は同様な値を示した。【0065】実施例8 血液単独組成のもの(濃厚赤血球)と、表8に示す前処理液を用意し等量の血液と混合し、微粒子化・凍結乾燥させた。微粒子化・急冷速度は103℃/秒から106℃/秒と前記従来の冷却速度と比較して103〜106倍程度速い条件とした。乾燥時の含有水分量は0〜30%とした。得られた乾燥血液の形態は大きさ数100μmの樹枝状クラスタ又はポアの多い多孔質状となっていることがわかった。得られた乾燥血液を一般の冷蔵庫(温度5℃)に1カ月保存した後、血液単独のものは等量の前処理液で、また前処理したものは混合時と同じ量の前処理液を加えて戻した。得られた血液を毎分2000回転、10分間遠心分離した後に上清を採取し、血球カウンタ〔シスメクス(sysmecs)NE−8000〕でヘモグロビン量を測定した。これを予め測定しておいた微粒子化・凍結乾燥前処理液の混合液(濃厚赤血球と前処理液との混合液)のヘモグロビン値で除した(割った)値を溶血率とした。この時の溶血率を基に、微粒子化・冷凍乾燥後の生存率を(100−溶血率)(%)と近似した。結果を表8に示す。【0066】【表8】【0067】実施例9 前処理液のアルブミンの種類を変える以外は実施例8と同様な方法で前処理液を使い同様の実験を行った。結果を表9に示す。【0068】【表9】【0069】実施例10 前処理液の酸又は酸の塩の種類を変える以外は実施例8と同様な方法で前処理液に同様な実験を行った。なお各成分の濃度は以下のとおりである。 糖類 ………………………… 1から2モル 牛アルブミン ………………… 5wt% 結果を表10に示す。【0070】【表10】以上の実施例の戻し後の血液を生理食塩水などで洗浄し実際の輸血に供し、良好な結果を得た。【0071】比較例5表8の濃厚赤血球を微粒子化することなく従来の遅い冷却速度で凍結し(凍結に要する時間は数分)乾燥させた。この乾燥血液はクラスタ固形質のものであった。その後同様な条件で保存し、前処理液で処理した結果、すべての血球が壊され、生存率が0であった。【0072】実施例11 実施例8の血液単独組成のもの(濃厚赤血球)の替わりに、人から採取され、以下の手順で処理された骨髄液に置き換える以外は同様な方法で、表11に示す前処理液を用意し、等量の骨髄液と混合し、微粒子化・凍結乾燥させた。生成物は大きさ数100μmの樹枝状クラスタとなっていた。尚、表11中、前処理液のアルブミンは前記した牛アルブミンまたは人アルブミン、及び同種またはいずれかの少なくとも2種類の薬品(アルブミン)を使用したが、いずれの場合も同様な結果を得た。【0073】ここで、骨髄液とは骨髄から直接摂取されたものと、骨髄より化学療法等によって抹消血中に動員(mobilizarion)された幹細胞(末梢造血幹細胞)があるが、以下では後者を例に簡単に説明する。本発明はこれに限定されない。なお、本例は島崎千尋、中川雅夫著「自己末梢造血幹細胞の採取法と移植効果」輸血医学、75(1049)頁、1993年7月号)にも紹介されている。【0074】血液採取にはCS3000型装置(Fenwal社)で採取した後、輸血パックのまま6%HES(hydrooxthyl starch)を添加後、1時間静置して、赤血球を除去する。次に、1800rpm、10分程度遠心したあと、PRP(platelet rich plasma;血小板混入血漿)を除去し、幹細胞(末梢造血幹細胞)を得る。【0075】凍結乾燥後、一般の冷蔵庫(約5℃)に1カ月保存した後、前処理液と同様な組成の液で戻した。得られた幹細胞を顕微鏡下で観察し、その正常細胞数をカウントして初期値(凍結乾燥前であって、前処理液添加後の正常細胞数)に対する生存率で比較した。【0076】【表11】【0077】比較例6 実施例11に於いて、採取された幹細胞(未梢造血幹細胞)を、本願の前処理液を加えることなく、通常の凍結保護液、例えば、5%DMSO(ジメチルスルホキシド/dimethylsulfoxide)、6%HES(hydrooxthyl starch)、4%アルブミンからなるものを添加し、凍結乾燥した。生成物はバルク状固形質であった。上記と同様な手順で保存、戻し後の正常細胞を調べた結果、生存率は0であった。【0078】実施例12 実施例8の血液単独組成のもの(濃厚赤血球)の替わりに、採血後通常の手順で分離され、自己血漿中に浮遊させた血小板液(血漿中血小板)に置き換える以外は同様な手順で、表12に示す前処理液を用意し、等量の血漿中血小板と混合し、微粒子化・凍結乾燥させた。生成物は大きさ約100μmの樹枝状クラスタであった。【0079】尚、前処理液のアルブミンは前記した牛アルブミンまたは人アルブミン、及び同種またはいずれかの少なくとも2種類の薬品(アルブミン)を使用したが、いずれの場合も同様な結果を得た。【0080】凍結乾燥後、一般の冷蔵庫(約5℃)に1カ月保存した後、前処理液と同様な組成の液で戻した。得られた血小板を血球カウンタで測定して、その初期値(凍結乾燥前、前処理液添加後の血小板数)に対する生存率で比較するとともに、血小板凝集能測定装置(CHRONO−LOG Corporation)で測定した結果、正常に近い値を示した。【0081】【表12】【0082】【発明の効果】本発明によれば、血球、幹細胞、および血小板を凍結乾燥しているので常温で保存できる。また、安全を見込んで通常の冷蔵庫に保管すれば一層の長期間保存に耐え得る。つまり、従来の血液保存に比べて保存に際して特殊な冷媒と容器を必要とせず、そのため保存温度維持のための大きなエネルギーを供給しなければならないという問題がない。更には従来必須であった脱グリセリン化のための手段が不必要であるので、使用に際して制約が極めて少ない。したがって、簡便であるため緊急用輸血にも適用できる。【図面の簡単な説明】【図1】本発明方法の手順の1例を示すブロック図である。【図2】本発明における微粒子化及び急速冷凍を行う装置の1例と、微粒子の挙動を示す断面模式図である。【図3】本発明方法の1例における平均粒子サイズとエア噴射圧力との関係を示すグラフである。【図4】図3に示したノズルを使用して、空気圧力1kg/cm2で血液を含む液体を微粒子化した場合のノズル出力端での粒子サイズ分布を示す図である。【図5】図3に示したノズルを使用して、空気圧力4kg/cm2で血液を含む液体を微粒子化した場合のノズル出力端での粒子サイズ分布を示す図である。 血球を含む血液、骨髄液(造血幹細胞)、および血漿中血小板からなる群から選択される1種の液体を、糖類、バイオポリマー、または、酸もしくはその塩のうちの少なくとも1種類を含有する溶液で前処理する工程と、この前処理した液体を気体との混合噴霧により第1の所定のサイズに微粒子化する工程と、微粒子化した液体を氷点下温度にした気体中に噴霧することにより第2の所定のサイズの生成物に急速冷凍する工程と、凍結物から水分を昇華して乾燥する工程とからなることを特徴とする、血球、幹細胞、および血小板の凍結乾燥生成物の製造方法。 前記第1の所定のサイズとは、数μm以上数100μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 前記第1の所定のサイズとは、10μm以上200μm以下であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。 前記第2の所定のサイズとは、1mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 前記第2の所定のサイズとは、100μm以上数100μm以下であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。 前記微粒子化する工程は、高速渦流気体による微粒子発生用ノズルを用いておこなわれ、このノズルは、液体噴射口と、前記液体噴射口を取り囲む位置に形成された環状の渦流室と、渦巻状に渦流室に延びて、渦流室内に高速気流を導入する複数の旋回導孔と、前記渦流室の前記液体噴射口に臨む側に液体噴射口の前方に向けて開口され、液体噴射口の前方に焦点をもつ先細り円錐形の高速渦流を噴射形成する環状の気体噴射口とを備えていることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。 前記糖類は、マンノース、キシロース、グルコース、トレハロース、スクロース、およびマルトースからなる群から選択された糖類を少なくとも1種類以上含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。 前記バイオポリマーは、デキストラン、りん酸エステル塩、ポリビニルピロリドン、およびアルブミンからなる群から選択されたバイオポリマーを少なくとも1種類以上含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。 前記アルブミンは、人アルブミン、牛アルブミン、および卵白アルブミンからなる群から選択されたバイオポリマーを少なくとも1種類以上含んでなることを特徴とする、請求項8に記載の製造方法。 前記酸もしくはその塩は、フィチン酸、ピロりん酸塩、アデノシン三りん酸、および2,3−ジホスホグリセリン酸からなる群から選択された物質を少なくとも1種類以上含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。 前記前処理用溶液は、そのpHが4から9の間であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。 前記前処理用溶液は、そのpHが7から8の間であることを特徴とする、請求項11に記載の製造方法。 前記急速冷凍する工程は、103℃/秒から106℃/秒の範囲で行うことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。


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