タイトル: | 特許公報(B2)_高級オレフィンを用いるアルキル化によるガソリン中のベンゼンの減少 |
出願番号: | 1994520068 |
年次: | 2004 |
IPC分類: | 7,C10G35/095,B01J29/40,C07C2/66,C07C7/148,C07C15/02,C07B61/00 |
チン、アーサー・アクヒン コリンズ、ニック・アレン ハランディ、モーセン・ナディミ トムソン、ロバート・トーマス ウェア、ロバート・アダムス JP 3585924 特許公報(B2) 20040813 1994520068 19940214 高級オレフィンを用いるアルキル化によるガソリン中のベンゼンの減少 モービル・オイル・コーポレイション 青山 葆 柴田 康夫 鮫島 睦 チン、アーサー・アクヒン コリンズ、ニック・アレン ハランディ、モーセン・ナディミ トムソン、ロバート・トーマス ウェア、ロバート・アダムス US 028,058 19930308 20041110 7 C10G35/095 B01J29/40 C07C2/66 C07C7/148 C07C15/02 C07B61/00 JP C10G35/095 B01J29/40 X C07C2/66 C07C7/148 C07C15/02 C07B61/00 300 7 C10G 35/095 B01J 29/40 C07C 2/66 C07C 7/148 C07C 15/02 C07B 61/00 300 特表平03−504732(JP,A) 特表平04−504423(JP,A) 特開昭60−188331(JP,A) 特開2000−256674(JP,A) 15 US1994002077 19940214 WO1994020437 19940915 1996507564 19960813 20 20010214 近藤 政克 本発明は、C5+オレフィンを用いてアルキル化することによってガソリン中のベンゼンの実質的な部分を除去することにより、環境的により適合するガソリンを製造する方法に関するものであり、その場合に、アルキル化された芳香族生成物は予想外にC10−芳香族化合物を本質的に含んでなっており、リード蒸気圧(RVP)は降下し、硫黄含量は低下している。自動車からの放出物を制御することについての米国およびその他の諸国における環境的な規制の進展の経過は、自動車への触媒的コンバーターの適用が必要とされること、および走行燃料消費における標準規格のような末端での使用の制御に初期の力点がおかれていたことから、燃料組成の変化により大きな力点がおかれるように移行して来た。最初の変化により、ガソリン中の鉛系のオクタン価向上添加剤が排除された。より最近では、環境的な考慮により決定されたガソリンに対する組成の変化には、低沸点炭化水素成分を減らすこと、ガソリンのベンゼン含量を減らすこと、および処方されたガソリンの酸素含量を実質的に増大する要請が含まれている。将来的には、おそらく、ガソリンのASTM蒸留終点(ASTM Distillation End Point of gasoline)の低下を規定する規制を含めて、更に規制されることが考えられる。現在までに必要とされた変化の全体は、高いオクタン価を維持し、市場において経済的に受け入れられる製品によって、時期的にちょうどよい方法でこれらの要件を満足する、石油産業界への前例のない技術的な課題を呈している。芳香族化合物、例えばベンゼン、トルエンおよびキシレン(BTX)などをより高い濃度で含有するように製造されたガソリンは、高オクタン価燃料を求める市場のオクタン価要件を適当に満すことができる。芳香族化合物、特にベンゼンは、精製プロセス、例えば、長年にわたって常套の精油コンビナートの一部であり続けてきた接触改質などにおいて、共通して製造されている。しかしながら、環境的に不適当な鉛をベースとするオクタン価向上剤に代えてそれらを用いると、それら自体の環境的な問題点によって複雑になる。環境および健康に関連する研究により、人の健康に及ぼすベンゼンの影響に関しての重大な問題点が提起された。その知見は、高レベルのベンゼンに曝されることを避けるべきであることを示唆しており、そのために、オクタン価を向上させるためのガソリン中におけるベンゼン濃度が制限されて、比較的低い値に制御される。ガソリン沸点範囲内で沸騰する炭化水素を水素化−脱水素化触媒の存在下において改質する場合、ナフテンの脱水素化による芳香族化合物の生成、パラフィンの脱水素環化(dehydrocyclization)による芳香族化合物の生成、異性化反応および水素化分解反応などを含む多くの反応が起る。改質器流出物(reformer effluent)または改質ガソリン(reformate)の組成は、より高いオクタン価生成物へと移行する。接触改質は、芳香族化合物の生成によって自動車ガソリンのオクタン価を主として向上させるが、ガソリンの収量は増大しない。改質ガソリンは、いずれかの適当な材料、例えば、C5またはC6〜約380゜F(193℃)の範囲で沸騰するナフサ装入材料(naphtha charge material)などを、いずれかの通常の改質触媒に接触している水素に接触させることによる常套の技術によって製造することができる。典型的な改質操作条件には、約800゜F(427℃)〜約1000゜F(538℃)、好ましくは約890゜F(477℃)〜約980゜F(527℃)の範囲の温度、約0.1〜約10、好ましくは約0.5〜約5の範囲の液体時間空間速度、ほぼ大気圧から約700psig(4900kPa)までおよびそれ以上、好ましくは約100(700kPa)〜約600psig(4200kPa)の範囲の圧力、ならびに約0.5〜約20、好ましくは約1〜約10の範囲の装入原料中の水素−炭化水素比が含まれる。結晶性アルミノシリケートゼオライトによる改質ガソリンの処理はこの技術分野において既知であり、物理的処理、例えば選択的な吸着など、ならびに化学的処理、例えばそれらの選択的な転化の両者を含んでいる。米国特許第3,770,614号(グラベン(Graven))には、特別な転化特性を有する結晶性アルミノシリケート触媒に接触させることにより芳香族炭化水素化合物の収量を向上させる、パラフィン成分の接触改質と選択的転化との組み合せによりナフサ沸点範囲の炭化水素を改質(upgrade)するためのプロセスの組み合わせが記載されている。米国特許第3,649,520号(グラベン)には、C6炭化水素をブレンド用のより高いオクタン価生成物に改質(upgrade)することを含めて、改質、芳香族化合物の回収および異性化の統合された方法による、鉛を含まないガソリンの製造方法が記載されている。米国特許第3,767,568号(チェン(Chen))には、改質ガソリンおよび改質器流出物を特定のゼオライト触媒に接触させて、転化条件にてメチルパラフィンを収着させ、改質ガソリン中に含まれる芳香環の一部をアルキレート化することによりそれらを改質する方法が開示されている。近年、ガソリンの改質における従来の幾つかの問題点を克服するためのプロセスが開発された。そのプロセスは、モービル・ベンゼン・リダクション(Mobil Benzene Reduction(MBR))プロセスとして知られており、モービル・オレフィンズ・トゥー・ギャソリーン(Mobil Olefins to Gasoline(MOG))プロセスと密接に関連している。MBRプロセスおよびMOGプロセスは、米国特許第4,827,069号(クシュネリック(Kushnerick))、同第4,950,387号および同第4,992,607号(ハランディ(Harandi))ならびに同第4,746,762号(アヴィダン(Avidan))(すべて共通の譲受人)に記載されている。MBRプロセスは流動床プロセスであって、形状選択性メタロシリケート触媒粒子、好ましくはZSM−5を使用し、例えば、FCCまたはコーカー燃料ガス、過剰のLPG、軽質FCCナフサなどのソース(source)からのオレフィンを用いて、ベンゼンをアルキル芳香族化合物へ転化する。ベンゼンが転化され、軽質オレフィンもガソリンへと改質され、同時に、オクタン価が向上する。軽質FCCナフサオレフィンの転化も、ガソリンのオレフィン含量および蒸気圧の実質的な低下をもたらす。MBRプロセスのオクタン価−収量の向上作用によって、このプロセスは、幾つかのガソリン改質プロセスの中で石油精製において経済的に実際に有益なプロセスの一つとなっている。これまでに実施されてきたようなMBRプロセスは、ベンゼンへのアルキル化剤としての軽質オレフィンに依存しており、主としてC7−C9範囲の、アルキル芳香族化合物を生成する。しかしながら、精油設備の中には、より大きな炭素数のオレフィン、即ちC5+オレフィンを過剰に有するものもあり、これらのオレフィンを例えばMBRなどのプロセスに使用することができれば、精油産業にとって有益であろう。しかしながら、そのような高級オレフィンによるベンゼンのアルキル化は、モノアルキル化芳香族化合物およびポリアルキル化芳香族化合物の両者として、C11およびそれ以上の炭素数のアルキル芳香族化合物の収量の急激な増大をもたらすと、一般に考えられている。これは、操作およびガソリン組成の好ましいモードではない。形状選択性ゼオライト触媒の流動床に接触している高級なオレフィンを用いて、ベンゼンの豊富なガソリンストリームをアルキル化して、ベンゼン含量が低下したガソリン生成物ストリームを生成することができるということが見出されたが、この場合、ベンゼンアルキル化により生成した高オクタン価アルキル芳香族化合物は、低い炭素数のもの、本質的にC10−である。アルキル化反応の間に同時に、ガソリンストリーム中におけるオレフィンの一部がガソリン沸点範囲の炭化水素に転化され、ガソリンフィードストリームの硫黄含量が低下する。フィードストリームのオクタン価を向上する他に、このプロセスはより低いリード蒸気圧をもたらす。本発明の特に驚くべき要素は、本発明の方法に従ってベンゼンの豊富なガソリンをC5+オレフィンによりアルキル化する場合、実質的にすべてのC10−アルキル芳香族化合物を生成することである。通常、C5+オレフィンを用いるベンゼンのアルキル化は、オレフィンによりモノアルキル化またはポリアルキル化されることによってC11+アルキル芳香族化合物を大量に生成すると予想される。本発明の方法の新しい化学的現象は、そのような高級なアルキル化芳香族化合物の生成を予想外に防止して、主としてC5−C9範囲の高オクタン価ガソリン生成物を生成する。その方法は、ベンゼンの豊富なストリームおよびC5+オレフィンストリームを流動触媒床内の固体の形状選択性アルミノシリケート触媒粒子にベンゼンのアルキル化条件下で接触させることを含んでなり、それによって、低下したベンゼン含量を有するガソリンを含んでなり、実質的にC10−のアルキル化された芳香族化合物を含んでなる芳香族化合物を有する流出物ストリームが生成する。本発明は、先に一般に説明したモービル・ベンゼン・リダクション(MBR)プロセスへの改良を含んでなる。本発明は、ベンゼンの豊富な任意のC5+ガソリン沸点範囲の炭化水素フィードストリームのオクタン価を向上させる一方で、そのベンゼン含量、オレフィン含量、リード蒸気圧および硫黄含量を低下させる方法を提供するものである。軽質オレフィンを用いてベンゼンのアルキル化を行う場合には、これらを達成することはMBRプロセスの基本的な特性であるが、本発明は、より高級な、即ちC10+アルキル芳香族化合物の生成を実質的に増大することがなく、より高級なオレフィン、即ちC5+をアルキル化剤としてMBRプロセスにおいて使用することができるという発見を具体化するものである。好ましい態様において、本発明は、高オクタン価ガソリンを製造するための精油所の改質セクションへ統合されるプロセスを提供する。本発明は、ガソリンプール(gasoline pool)のベンゼン規格を満すこと、好ましくはプールのベンゼン含量を1%以下または0.8%以下に低下させることの経済性を向上させることができる。本発明の方法の一つの態様は、改質ガソリンもしくは改質器流出物、またはベンゼンの豊富ないずれかのC5+ガソリンフィードストリームの一部を転化し、続いて、フラクショネーション・システム(fractionation system、特に精留システム)内でフラクショネーション(分離)することに存する。この方法において転化に付される部分はC6フラクション、また、C6フラクション+芳香族化合物および非芳香族化合物を含有する改質ガソリンのC9+またはC10+フラクションの少なくとも一部である。転化は、形状選択性メタロシリケート(金属シリケート)触媒、好ましくはアルミノシリケートを用いて、水素の添加を伴ってまたは伴わずに、転化条件において行われる。実質的にパラフィン成分および芳香族化合物成分からなる改質ガソリンまたは改質器流出物は、いずれかの適当な材料、例えば、C5から好ましくはC6から約400゜F(204℃)またはそれ以上までの範囲で沸騰する重質直留ガソリンまたはナフサ装入材料を、少なくとも最初はいずれかの改質触媒に接触した状態で水素に接触させることにより、常套の技術に従って調製することができる。これは常套の改質操作であって、水素の正味の生成を含んでおり、ジェイムズ・エイチ・グレイ(James H.Gray)およびグレン・イー・ハンドワーク(Glenn E.Handwerk)による、マーセル・デッカー・インク(Marcel Dekker Inc.)により1984年に刊行された「ペトロリウム・リファイニング(Petroleum Refining)」の第6章(Chapter 6)に記載されているようなものとして当業者によく知られている。改質触媒は一般に、アルミナまたはシリカ−アルミナ基材に担持された白金を含有している。レニウムを白金に組み合わせて、より低圧での操作を許容する、より安定な触媒とすることが好ましい。白金は水素化および脱水素化反応のための触媒部位(catalytic site)として機能し、塩素化されたアルミナは異性化、環化および水素化分解反応のための酸部位(acid site)を提供すると考えられる。フィード中に存在する多少の不純物、例えば硫化水素、アンモニアおよび有機窒素ならびに硫黄化合物は、触媒を失活させる。従って、これらの物質を除去するために、水素化処理の形態でのフィードの前処理が通常採用されている。典型的なフィード原料および改質生成物または改質ガソリンは、以下の分析値を有する:改質操作条件には、約800゜F(427℃)〜約1000゜F(538℃)、好ましくは約890゜F(477℃)〜約980゜F(527℃)の範囲の温度、約0.1〜約10、好ましくは約0.5〜約5の範囲の液体時間空間速度、ほぼ大気圧から約700psig(4900kPa)までおよびそれ以上、好ましくは約100(700kPa)〜約600psig(4200kPa)の範囲の圧力、ならびに約0.5〜約20、好ましくは約1〜約10の範囲の装入原料中の水素−炭化水素比が含まれる。本発明の要旨の一つは、改質ガソリンもしくは改質器流出物またはC5+炭化水素フィードストリームのフラクショネーション(fractionation、特に蒸留)を含んでなる処理工程を組み入れることである。フラクショネーション工程では、改質器流出物をいくつかのストリームまたはフラクションに分けることができる。これらのストリームには、ベンゼンの豊富なC6炭化水素フラクションが含まれており、また、C6+および一部のC9+芳香族化合物の豊富な炭化水素からなるフラクションが含まれている。これらの後者のストリームは、その生成物の環境的な許容性を危うくする改質ガソリンの成分を含んでいる。本発明では、形状選択性アルミノシリケート触媒粒子を含む流動床転化ゾーン内において、これらのストリームの全体または一部をMBRプロセスにより共処理(coprocess)して、これらの成分を環境的に許容され、かつ、高いオクタン価のガソリン成分に改質することができるということが見出された。上述したように、ベンゼンの豊富な任意のC5+ガソリン沸点範囲炭化水素フィードストリームを、通常はアルキル化剤としての軽質オレフィンフィードストリームと共にMBRプロセスにて使用することができる。しかしながら、改質ガソリンが好ましい。ガソリンのベンゼン含量を減らすためのベンゼンアルキル化プロセスは、エチレン、プロピレンまたはブテンを含む軽質オレフィンガスフィード原料をアルキル化剤として使用する。精油所オレフィンストリームは、FCCオフガス、燃料ガスおよびLPGを典型的に含有する。反応は適当な触媒上で起り、アルキル芳香族炭化水素を生成し、ガソリンオクタン価および収率が向上する。形状選択性ゼオライト、例えばZSM−5触媒などと組み合わせてモービル・ベンゼン・リダクション(MBR)プロセスに使用する場合に、C5+オレフィンも有効なアルキル化剤であるということが判った。アルキル化された芳香族化合物の生成物は本質的にC10−芳香族化合物として残存する。精油所内における分解ガソリンストリームの種々のソースは、流動接触分解(FCC)ガソリンまたはサーモフォア・接触分解(TCC、Thermofor Catalytic Cracking)ガソリン、コーカーガソリンおよび熱分解ガソリンを含めて、アルキル化剤として使用することができる。オレフィンはC5−C7炭化水素範囲において濃縮されやすいので、ストリームのオレフィン含量を最大にするためには、軽質ナフサストリームを用いることが好ましい。他のベンゼンアルキル化プロセスにおいて分解ガソリンフィード(即ち、C5+オレフィン)を使用すると、C11+芳香族化合物の生成をまねく。他のプロセスは、ナフサフィードが存在する場合に促進される触媒の被毒についても、より影響されやすい。操作の理論によって束縛されることを望まないが、本発明においては、形状選択性ゼオライト触媒粒子上でベンゼンの豊富なストリームをC5+オレフィンと共に処理する場合、プロセスの生成物のベンゼン含量の実質的低下をもたらし、同時に、リード蒸気圧および硫黄含量の低下をもたらすいくつかの反応が起ると考えられる。これらの反応には、クラッキング((cracking)分解)、アルキル化およびアルキル交換反応(transalkylation)が含まれると考えられている。芳香族化合物および非芳香族化合物、例えばジアルキル化芳香族化合物などを含むC9+フラクションは、ベンゼンと共に、ベンゼンからC7−C8アルキル化芳香族化合物の生成を導くプロセス条件下で、アルキル交換反応を始めることができる。また、パラフィン、特により高い分子量のノルマルパラフィンおよびわずかに分枝したパラフィンの分解によっても、転化プロセスの条件下において、ベンゼンのアルキル化およびアルキル化芳香族化合物を更に生成することに有効な化合物の生成がもたらされる。本発明において、メタロシリケート触媒粒子と接触させて使用するベンゼンの豊富なガソリンフィードストリームの転化は、500゜F(260℃)〜約1000゜F(538℃)の範囲、好ましくは550〜900゜F(288〜482℃)の範囲、最も好ましくは700〜850゜F(371〜454℃)の範囲の温度にて行われる。圧力は、一般に、約50(350kPa)〜3000psig(21000kPa)の範囲、好ましくは50〜400psig(350〜2860kPa)の範囲である。液体時間空間速度、即ち、時間当りの触媒体積当りの炭化水素の液体体積は、0.1〜250の範囲、好ましくは1〜100の範囲である。最も好ましい重量時間空間速度は、全フィード基準で、0.5〜3WHSVの範囲である。水素を装入する場合、水素の装入炭化水素に対するモル比を10程度まで高くすることができるが、0が好ましい。本発明のプロセスにおいては、流動床、固定床、ライザー反応器、移動床などを含めて、いずれの種類の接触反応器を使用してもよい。しかしながら、流動床接触反応器が好ましい。好ましい触媒は中間孔寸法ゼオライトであり、その中でもZSM−5が最も好ましい。このゼオライトは、通常、四面体状に配位する金属、例えばAl、GaまたはFeなどをゼオライトの骨格内に組み込むことによって、ブレンステッド(Bronsted)酸活性部位を有して合成される。ZSM−5結晶構造はX線回折パターンによって容易に認められ、そのことは米国特許第3,702,866号(アーゴーア(Argauer)ら)に記載されており、参照することによって(本明細書に)包含される。中間孔ゼオライトは酸触媒として好ましいものであるが、種々の程度の酸性度を有する1種またはそれ以上の四面体種を有する高ケイ質材料または結晶性メタロシリケートを用いることによって、これらのゼオライト材料の利点を利用することができる。本発明の転化工程において使用するのに好ましい触媒には、少なくとも12のシリカ/アルミナ比および約1〜12の拘束指数を有する中間孔結晶性アルミノシリケートゼオライトが含まれる。この種のゼオライトの代表例は、ZSM−5、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、MCM−22およびZSM−48である。他の酸性物質も有用であることが判る。本発明の方法における触媒として有用であるより大きな孔のゼオライト(拘束指数が2を越えないもの)の代表例は、ゼオライトベータ、TEAモルデナイト、ゼオライトY、特にUSYおよびZSM−12である。ゼオライトベータは米国再発行特許第28,341号(原米国特許第3,308,069号)に記載されており、この触媒の詳細についてはその文献を参照できる。ZSM−12は米国特許第3,832,449号に記載されており、この触媒の詳細についてはその文献を参照できる。拘束指数を測定する方法は、米国特許第4,016,218号に十分に記載されており、この方法の詳細についてはその文献を参照できる。本発明において使用するのに好ましい触媒は、平衡アルファ値が100以下、好ましくは50以下である酸性ZSM−5である。アルファ値、またはアルファ数はゼオライトの酸性官能性の目安であって、その測定方法の詳細も含めて、米国特許第4,016,218号、ジャーナル・オブ・キャタリシス(J.Catalysis)、第6巻、第278〜287頁(1966年)およびジャーナル・オブ・キャタリシス、第61巻、第390〜396頁(1980年)により十分に記載されている。一連のベンチ−スケール(bench−scale)のパイロット装置の実験(本明細書において記載する実施例1〜5)を行ったところ、より重質のオレフィンをアルキル化剤として使用して有効にベンゼンが減ることが示された。2種の異なる分解原料:a)軽質(215゜F)FCCガソリンおよびb)全範囲熱分解ガソリンを評価した。これらについてのフィード原料特性をそれぞれ表3および4に示す。これらの分解ガソリンをベンゼンの豊富な改質ガソリン留分(cut)と種々の割合で混合し、酸性ZSM−5触媒を含む流動床反応器に装入した。操作条件は、以下の通りであった。実施例1〜5の物質収支は、3および8時間の流通時間(オン−ストリーム)にて取った。これらの詳細な物質収支データを表5〜9に示す。表5〜9は、実施例1から5について、C11+アルキル芳香族化合物を非常に少量だけ、即ち1.5重量%〜7.5重量%の範囲で生成する一方で、25%〜42%の範囲のベンゼン転化率が得られたことを示している。ベンゼンの減量以外に、クリーンな燃料の多くの利点も達成された。C5+オレフィンに関して少なくとも60重量%、または72%〜81%の範囲の低下、ならびにRVPについて0.5〜1psiの範囲の低下が得られた。C9芳香族化合物のC10芳香族化合物に対する割合は、少なくとも2.5:1である。かなりの硫黄転化率、即ち60重量%以上の転化率も観察された。実施例2のMB−1(3時間オンストリーム)についてのフィードおよび液体生成物の詳細な硫黄GC分析(表10)は、環状(チオフェノール性)およびメルカプタン性の硫黄種の両者の70%を越える転化を示している。オクタンの増加も得られている。向上の大きさは、フィード原料の組成および反応の過酷度に依存している。ベンゼン減量プロセスにおいて、C5+オレフィンフィードを単独のアルキル化剤として使用することにより、表5〜10に示すような新規な結果が得られる。従来技術は、軽質オレフィン性のガスフィード(C2−C4オレフィン)を使用することを特徴としている。ZSM−5上により、重質オレフィンがアルキル化されて、より重質のC11+芳香族化合物ではなく、C7−C10芳香族化合物を生成する。硫黄の減量を含めて、予期されなかったクリーンな燃料の多くの利点も得られている。これらの結果は、MBRが、アルキル化剤として重質オレフィンを使用してベンゼンを有効に転化し、プロセスに追加のフレキシビリティを与えることを示している。このことは、限られた軽質オレフィンしか入手できない精油産業にとって、特に魅力的になり得る。 ベンゼンの豊富なガソリン沸点範囲炭化水素のフィードストリームを、C5+オレフィンを含んでなる炭化水素ストリームを用いてアルキル化し、低下したベンゼン含量を有し、かつ、実質的にC10−アルキル化芳香族化合物を含んでなる芳香族化合物を含有する生成物ガソリンを生成する方法であって、流動触媒床内において、ベンゼンアルキル化条件にて、ベンゼンの豊富なストリームおよびC5+オレフィンストリームを、固体の形状選択性アルミノシリケート触媒粒子に接触させることによって、低下したベンゼン含量を有し、かつ、実質的にC10−アルキル化芳香族化合物を含んでなる芳香族化合物を含有−するガソリンを含んでなる流出物ストリームを生成する工程を有する方法。 触媒が酸性ZSM−5を含んでなる請求項1記載の方法。 ベンゼンアルキル化条件が、500〜1000゜F(260〜538℃)の範囲の温度、約50〜3000psig(350〜21000kPa)の範囲の圧力および0.1〜約250の範囲の液体時間空間速度を含んでなる請求の範囲1または2記載の方法。 ベンゼンアルキル化条件が、700〜850゜F(371〜454℃)の範囲の温度、50〜400psig(350〜2860kPa)の範囲の圧力および約1〜100の範囲の液体時間空間速度を含んでなる請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 C5+オレフィンを含んで成る炭化水素ストリームが、分解ガソリンを含んでなる請求項1〜4のいずれかに記載の方法。 分解ガソリンが、FCCガソリン、TCCガソリン、コーカーガソリンおよび熱分解ガソリンからなる群から選ばれる請求項5記載の方法。 生成物ガソリンが低いリード蒸気圧を有する請求項1〜6のいずれかに記載の方法。 生成物ガソリンがガソリンフィードストリームに比べてより低い硫黄含量を有する請求項1〜7のいずれかに記載の方法。 ベンゼン含量が、炭化水素フィードストリームに比べて、少なくとも25重量%低下している請求項1〜8のいずれかに記載の方法。 ベンゼンおよびC5+オレフィンを含んでなるC5+FCCガソリンフィードストリームのベンゼン含量およびオレフィン含量を低下させる方法であって、流動触媒床内で、ベンゼンアルキル化条件にて、C5+FCCガソリンフィードストリームと固体の形状選択性アルミノシリケート触媒粒子とを接触させることにより、低下したベンゼン含量およびオレフィン含量を有し、かつ、実質的にすべての芳香族成分がC10−アルキル化芳香族化合物である芳香族化合物を含有するガソリンを含んでなる流出物ストリームを生成させる工程を有する方法。 少なくとも25重量%のベンゼン含量の低下、および少なくとも60重量%のC5+オレフィン含量の低下を達成する請求項10記載の方法。 触媒がZSM−5を含んでなる請求項10または11記載の方法。 ベンゼンアルキル化条件が、700〜850゜F(371〜454℃)の温度、50〜400psig(350〜2860kPa)の範囲の圧力、および約1〜100の範囲の液体時間空間速度を含んでなる請求項10〜12のいずれかに記載の方法。 流出物ストリームが、ガソリンフィードストリームより低いリード蒸気圧を有する請求項10〜13のいずれかに記載の方法。 流出物ストリームが、ガソリンフィードストリームよりも低い硫黄含量を有する請求項10〜14記載の方法。