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タイトル:特許公報(B2)_炭酸ジアルキルの製造方法
出願番号:1994257175
年次:2007
IPC分類:C07C 68/00,C07C 69/96,B01J 31/02,C07B 61/00


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長 連英 田村 孝章 長 俊連 鈴木 和参 JP 3881386 特許公報(B2) 20061117 1994257175 19941021 炭酸ジアルキルの製造方法 多摩化学工業株式会社 390034245 モーゼス レイク インダストリーズ インコーポレイテッド 594174367 成瀬 勝夫 100082739 中村 智廣 100087343 小泉 雅裕 100085040 長 連英 田村 孝章 長 俊連 鈴木 和参 20070214 C07C 68/00 20060101AFI20070125BHJP C07C 69/96 20060101ALI20070125BHJP B01J 31/02 20060101ALI20070125BHJP C07B 61/00 20060101ALN20070125BHJP JPC07C68/00 CC07C68/00 DC07C69/96 ZB01J31/02 XB01J31/02 102XC07B61/00 300 C07C 68/00 C07C 69/96 特開昭57−026645(JP,A) 特開昭55−102542(JP,A) 3 1996119907 19960514 6 20010918 穴吹 智子 【0001】【産業上の利用分野】この発明は、アルキル基がメチル基又はエチル基である炭酸ジアルキルを製造する方法に係り、詳しくは、尿素を原料として炭酸ジアルキルを製造する方法に関する。【0002】炭酸ジメチルや炭酸ジエチルを製造する方法としては、例えば、ホスゲンとメタノール又はエタノールとを反応させるか、あるいは、一酸化炭素とメタノール又はエタノールとを酸素の存在下に反応させて製造することが知られている。【0003】しかしながら、前者の方法においては、製造原料として有毒なホスゲンを使用するためにその取扱が面倒であり、また、反応副生物として塩化水素が発生し、反応容器やその周辺機器を腐食するため、使用可能な反応容器が限られてしまう等の種々の問題がある。【0004】また、後者の一酸化炭素を用いる方法においては、酸素存在下の酸化反応であるために反応混合物の組成比や反応圧力及び反応温度等を精密にコントロールした製造プラントが必要になり、大量生産には適しているものの、設備費が嵩み、簡便な設備で少量生産や中量生産を行うには不向きである。【0005】【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは、このような問題のない新しい炭酸ジアルキルの製造方法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、尿素あるいはこの尿素にメタノール又はエタノールを反応させて得られるカルバミン酸メチル又はカルバミン酸エチルを原料とし、特定の反応触媒を使用することにより、メタノール又はエタノールを反応させて目的の炭酸ジメチル又は炭酸ジエチルを製造できることを見出し、本発明を完成した。【0006】従って、本発明の目的は、製造原料として有毒なホスゲンや一酸化炭素等を使用することなく、また、簡便な設備で容易に炭酸ジメチルや炭酸ジエチルを製造することができる新規な炭酸ジアルキルの製造方法を提供することにある。【0007】【課題を解決するための手段】 すなわち、本発明は、尿素、カルバミン酸メチル及びカルバミン酸エチルから選ばれた1種又は2種以上の混合物とメタノール及び/又はエタノールとを、テトラメチルアンモニウム又はテトラエチルアンモニウムの酸性炭酸メチルエステル、酸性炭酸エチルエステル又はカルバミン酸塩からなる第四アンモニウム塩基から選ばれた1種又は2種以上の混合物からなる反応触媒の存在下、3〜90気圧の加圧下に、反応温度100〜250℃の条件で反応させる炭酸ジアルキルの製造方法である。【0008】本発明において、原料として用いる尿素やカルバミン酸メチルあるいはカルバミン酸エチルは、その1種のみであっても、また、2種以上の混合物であってもよい。なお、カルバミン酸メチルやカルバミン酸エチルは、尿素をメタノールやエタノールと反応させて容易に製造し得るものであり、また、原料として尿素を使用する本発明の製造方法の中間生成物でもある。【0009】また、本発明で使用する反応触媒としては、好ましくは、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、メトキシド、エトキシド又はカルバミン酸塩からなるアルカリ金属化合物、及び、テトラメチルアンモニウム又はテトラエチルアンモニウムの水酸化物、正炭酸塩、酸性炭酸塩、酸性炭酸エステル又はカルバミン酸塩からなる第四アンモニウム塩基、及び、トリメチルアミン(TrMA)又はトリエチルアミン(TrEA)からなる第三級アミンから選ばれた1種又は2種以上の混合物である。【0010】具体的には、アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属の水酸化物として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム(RbOH)、水酸化セシウム(CsOH)等が挙げられ、また、アルカリ金属の炭酸塩として炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム(Rb2 CO3 )、炭酸セシウム(Cs2 CO3 )等が挙げられ、更に、アルカリ金属のメトキシドやエトキシドとしてナトリウムメトキサイド(CH3 ONa)、ナトリウムエトキサイド(C2 H5 ONa)、カリウムメトキサイド(CH3 OK)、カリウムエトキサイド(C2 H5 OK)等が挙げられ、更にまた、アルカリ金属のカルバミン酸塩としてカルバミン酸ナトリウムやカルバミン酸カリウム等が挙げられる。【0011】そして、第四アンモニウム塩基としては、テトラメチルアンモニウム又はテトラエチルアンモニウムの水酸化物として水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)や水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)が挙げられ、また、テトラメチルアンモニウム又はテトラエチルアンモニウムの正炭酸塩として炭酸ジテトラメチルアンモニウムや炭酸ジテトラエチルアンモニウムが挙げられ、更に、テトラメチルアンモニウム又はテトラエチルアンモニウムの酸性炭酸塩として炭酸水素テトラメチルアンモニウムや炭酸水素テトラエチルアンモニウムが挙げられ、また、テトラメチルアンモニウム又はテトラエチルアンモニウムの酸性炭酸エステルとして酸性炭酸テトラメチルアンモニウムのメチルエステルや酸性炭酸テトラエチルアンモニウムのエチルエステル等が挙げられ、更にまた、テトラメチルアンモニウム又はテトラエチルアンモニウムのカルバミン酸塩としてカルバミン酸テトラメチルアンモニウムやカルバミン酸テトラエチルアンモニウムが挙げられる。【0012】反応触媒として、アルカリ金属化合物のうちのアルカリ金属メトキシドやアルカリ金属エトキシド、第四アンモニウム塩基、第三級アミンを使用する場合には、これらの反応触媒が有するアルキル基と目的化合物のアルキル基とを同じにすることが望ましく、例えば、炭酸ジメチルを製造する場合には、アルカリ金属化合物としてアルカリ金属メトキシドを使用し、第四アンモニウム塩基としてテトラメチルアンモニウム塩基を使用し、また、第三級アミンとしてはトリメチルアミン(TMA)を使用するのがよい。【0013】本発明において、原料の尿素やカルバミン酸メチルあるいはカルバミン酸エチルに対するメチルアルコールやエチルアルコールの使用量は、通常0.5〜10モル当量、好ましくは2〜5モル当量の範囲で使用するのがよく、また、反応触媒の使用量は、通常0.005〜0.2モル当量、好ましくは0.03〜0.06モル当量の範囲で使用するのがよい。【0014】本発明において、原料の尿素やカルバミン酸メチルあるいはカルバミン酸エチルとメチルアルコール又はエチルアルコールとの反応は、反応温度100〜250℃、好ましくは130〜160℃及び反応圧力3〜90気圧、好ましくは5〜20気圧の条件で行うのがよい。【0015】また、本発明において、尿素やカルバミン酸メチルあるいはカルバミン酸エチルとメチルアルコール又はエチルアルコールとを反応させる際に、反応中に副生するアンモニアガスを反応系から除去するのが望ましい。このことは実施例11と実施例15の結果から裏付けられている。反応系から副生物のアンモニアガスを除去する方法としては、特に限定されるものではなく、反応装置に分溜塔を付設してそこから副生したアンモニアガスを他の高沸点成分と分離して外部に抜き出すようにしてもよく、また、反応系内に水素化モレキュラーシーブ等のアンモニアと反応してアンモニアを除去する脱アンモニア剤を共存させてもよい。【0016】本発明において、反応により生成した目的物の炭酸ジアルキルは、加圧下又は常圧下でそのままあるいは共沸剤の共存下に分溜させて反応混合物から分離し精製して単離する。【0017】【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明方法を具体的に説明する。【0018】実施例1〜9及び比較例1カルバミン酸メチル3モル、メタノール17モル及び表1に示す反応触媒0.5モルを密封反応器に仕込み、160℃に加熱して20気圧の加圧下に5時間反応させた。【0019】反応終了後、反応混合物を常圧下で蒸溜し、溜出物をガスクロマトグラフィーで分析し、反応生成物である炭酸ジメチルの原料カルバミン酸メチルに対する収率を求めた。結果を表1に示す。【0020】【表1】【0021】実施例10及び比較例2カルバミン酸メチルに代えて尿素を使用し、実施例10では実施例7と同様に酸性炭酸テトラメチルアンモニウムのメチルエステル(MMCTMA)を反応触媒として使用し、また、比較例2ではこの反応触媒を使用せずに、それぞれ上記各実施例と同様の条件で反応させ、生成した炭酸ジメチルの尿素に対する収率を求めた。結果は、比較例2の場合が0.10%以下であるのに対して、実施例10の場合が1.27%であった。【0022】実施例11反応触媒として酸性炭酸テトラメチルアンモニウムのメチルエステル(MMCTMA)を使用し、反応温度を145℃とした以外は上記実施例1と同様にして反応させ、経時的に炭酸ジメチルの収率を求めた。結果は、9時間後1.99%、18時間後4.41%、36時間後6.03%、及び74時間後5.91%であった。【0023】実施例12カルバミン酸エチル25.07g(0.2814モル)、エタノール55.77g(1.2105モル)及びCs2 CO3 16.35g(0.0502モル)をオートクレーブ中に仕込み、反応温度150℃及び最大反応圧力18kg/cm2 の条件で5時間反応させ、生成した炭酸ジエチルのカルバミン酸エチルに対する収率を求めた。結果は1.00%であった。【0024】実施例13カルバミン酸エチル25.07g(0.2814モル)、エタノール55.75g(1.2101モル)及びNa2 CO3 5.38g(0.0508モル)をオートクレーブ中に仕込み、反応温度160℃及び最大反応圧力15kg/cm2 の条件で5時間反応させ、生成した炭酸ジエチルのカルバミン酸エチルに対する収率を求めた。結果は1.03%であった。【0025】実施例14反応釜の上部に理論段数15段の分溜塔を付設した反応装置を使用し、尿素を用いて実施例10と同様の条件で反応させ、その際に分溜塔の塔頂冷却器温度を25℃に、また、塔内圧力をゲージ圧9.5気圧に維持し、分溜塔の塔頂から副生したアンモニアガスを抜き出した。生成した炭酸ジメチルの収率を経時的に求めた結果、26時間後7.5%、53時間後15.2%、74時間後18.3%であった。【0026】実施例15実施例14で用いた反応装置を使用し、カルバミン酸メチルを用いて実施例11と同様の条件で反応させ、生成した炭酸ジメチルの収率を経時的に求めた。結果は、30時間後11.8%、54時間後16.1%、83時間後20.2%、及び104時間後18.5%であった。【0027】【発明の効果】本発明によれば、製造原料として有毒なホスゲンや一酸化炭素等を使用することなく、また、簡便な設備を用いて容易に炭酸ジメチルや炭酸ジエチルを製造することができ、設備費が嵩むことがなく、炭酸ジアルキルの小規模生産や中規模生産に好適である。 尿素、カルバミン酸メチル及びカルバミン酸エチルから選ばれた1種又は2種以上の混合物とメタノール及び/又はエタノールとを、テトラメチルアンモニウム又はテトラエチルアンモニウムの酸性炭酸メチルエステル、酸性炭酸エチルエステル又はカルバミン酸塩からなる第四アンモニウム塩基から選ばれた1種又は2種以上の混合物からなる反応触媒の存在下、反応温度100〜250℃及び反応圧力3〜90気圧の条件で反応させることを特徴とする炭酸ジアルキルの製造方法。 反応触媒の第四アンモニウム塩基が有するアルキル基が、目的化合物の炭酸ジアルキルが有するアルキル基と同じである請求項1に記載の炭酸ジアルキルの製造方法。 反応中に生成したアンモニアガスを反応系から除去しながら反応させる請求項1記載の炭酸ジアルキルの製造方法。


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