生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ヘキサヒドロキシトリフェニレンの製造方法
出願番号:1994252418
年次:2004
IPC分類:7,C07C37/055,C07C39/17


特許情報キャッシュ

青木 摩利男 JP 3594662 特許公報(B2) 20040910 1994252418 19941018 ヘキサヒドロキシトリフェニレンの製造方法 富士写真フイルム株式会社 000005201 柳川 泰男 100074675 青木 摩利男 20041202 7 C07C37/055 C07C39/17 JP C07C37/055 C07C39/17 7 C07C 37/055 C07C 39/17 CA(STN) REGISTRY(STN) イスラエル特許第70572号公報,1987年 モリソンボイド有機化学(上)第6版,株式会社 東京化学同人,1970年 3月 2日,315 3 1996119894 19960514 4 20000710 井上 千弥子 【0001】【産業上の利用分野】本発明は液晶中間体などに有用なヘキサヒドロキシトリフェニレンの製造方法に関し、さらに詳しくは、ヨウ化水素を脱アルキル化剤として用いて、ヘキサアルコキシトリフェニレンからヘキサヒドロキシトリフェニレンを製造する方法に関する。【0002】【従来の技術】ヘキサヒドロキシトリフェニレンは液晶中間体として有用な化合物である(J.MATER.CHEM.,1992,2,1261など)。その合成法は、ヘキサメトキシトリフェニレンの脱メチル化による方法が一般的であり、脱メチル化剤として三臭化ホウ素(J.MATER.CHEM.,1992,2,1261)や臭化水素(イスラエル特許第70572A1号)を用いる方法が知られている。しかし、臭化水素を用いる方法は、反応性が低いために22時間と長時間反応させなければならず、また、三臭化ホウ素は反応性が高いものの、腐食性が大きい上に空気中の水分で容易に分解するなど、工業的に製造する上で問題の大きい方法であった。【0003】【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は、液晶中間体として有用なヘキサヒドロキシトリフェニレンを高収率で合成する工業的に有効な製造方法を提供することにある。【0004】【課題を解決するための手段】上記課題を達成するために、本発明者は、ヘキサアルコキシトリフェニレンの脱アルキル化反応を研究し、ヨウ化水素を用いるヘキサヒドロキシトリフェニレンの合成法を見いだすに至った。【0005】すなわち、本発明の目的は、下式で表されるようにヘキサアルコキシトリフェニレンをヨウ化水素で脱アルキル化することにより、結晶としてヘキサヒドロキシトリフェニレンを析出させることを特徴とするヘキサヒドロキシトリフェニレンの製造方法によって達成された。【0006】【化1】【0007】次にこの反応について詳細に説明する。基質のヘキサアルコキシトリフェニレンについて詳細に説明する。R1からR6で表される置換基はアルキル基であるが、好ましくは炭素数1から12のアルキル基を表す。これらのアルキル基は、すべて同一でもよく、また異なっていてもよい。また、互いにとなり合ったアルキル基同士で互いに連結し、5から7員環を形成していてもよい。【0008】R1 からR6 で表される置換基を具体的にさらに詳しく説明すれば、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ベンジル基などであり、アルキル基同士が連結して環をつくる場合、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などである。【0009】R1からR6で表される置換基は、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ベンジル基、メチレン基であり、さらに好ましくはメチル基、ベンジル基、メチレン基であり、なかでも、置換基がすべて同一なのが特に好ましい。最も好ましいのはすべてメチル基である。【0010】反応に用いられるヨウ化水素は、ヨウ化水素ガスを反応溶媒に吸収させて用いてもよいし、水溶液を用いてもよい。ヨウ化水素を反応溶媒に吸収させて用いる場合、ヨウ化水素の濃度は2パーセント以上が好ましく、反応溶媒に飽和するまで吸収させて用いるのがさらに好ましい。水溶液を用いる場合、その濃度は、5パーセント以上が好ましく20パーセント以上がさらに好ましい。特に好ましい濃度は47パーセント以上である。反応溶媒としては種々の溶媒を用いることが出来、水、メタノールやエタノールなどのアルコール類、クロロベンゼンやジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素類、酢酸やプロピオン酸などの有機酸類があげられる。なかでも、水、メタノール、クロロベンゼン、o−ジクロルベンゼン、トルエン、キシレン、有機酸類が好ましく、水、クロロベンゼン、キシレン、有機酸類がさらに好ましい。特に好ましいのは、有機酸類で、酢酸が最も好ましい。【0011】反応温度は、0℃から200℃であり、100℃から150℃が好ましい。反応は、生成物が酸化されることを防ぐために窒素雰囲気下で行うことが好ましい。【0012】【実施例】次に、実施例によって、本発明を更に詳しく説明する。実施例1ヘキサメトキシトリフェニレン1.02g(2.5mmol)と57%ヨウ化水素水溶液5ml(38mmol)と酢酸5mlを窒素雰囲気下、4時間攪拌還流した。最初懸濁状であるが、反応進行にしたがって均一になり、約2時間後に結晶が析出し始める。室温に冷却後、結晶を濾取した。収量0.80g(定量的)このものは、純度98%以上で、精製することなく、合成原料として用いることが出来る。【0013】実施例2ヘキサメトキシトリフェニレン1.02g(2.5mmol)と57%ヨウ化水素水溶液5ml(38mmol)を窒素雰囲気下、9時間攪拌還流した。室温に冷却後、結晶を濾取した。収量0.81g(定量的)。このものは、純度95%以上であった。【0014】実施例3ヘキサメトキシトリフェニレン1.02g(2.5mmol)と57%ヨウ化水素水溶液5ml(38mmol)とクロロベンゼン5mlを窒素雰囲気下、9時間攪拌還流した。室温に冷却後、結晶を濾取した。収量0.81g(定量的)。このものは、純度95%以上であった。【0015】比較例1ヘキサメトキシトリフェニレン1.02g(2.5mmol)と47%臭化水素水溶液5ml(38mmol)とクロロベンゼン5mlを窒素雰囲気下、9時間攪拌還流した。室温に冷却後、濾取した。収量0.87g。このものは、純度約40%であった。【0016】【発明の効果】本発明の、ヘキサアルコキシトリフェニレンをヨウ化水素で脱アルキル化することを特徴とするヘキサヒドロキシトリフェニレンの製造方法は、高収率で、反応時間を短縮することが出来る。 ヘキサアルコキシトリフェニレンをヨウ化水素で脱アルキル化することにより、結晶としてヘキサヒドロキシトリフェニレンを析出させることを特徴とするヘキサヒドロキシトリフェニレンの製造方法。 前記結晶の純度が95%以上であることを特徴とする請求項1に記載のヘキサヒドロキシトリフェニレンの製造方法。 前記結晶を室温で濾取することを特徴とする請求項1に記載のヘキサヒドロキシトリフェニレンの製造方法。


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