生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_セミカルバゾン誘導体
出願番号:1994154990
年次:2004
IPC分類:7,C07C281/14,A01N47/34,C07D307/52,C07D307/56,C07D307/58,C07D307/68,C07D333/22


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石井 茂 大津 督 八木 和生 沼田 昭 三宅 敏郎 藤田 明彦 三森 紀彦 大宅 博司 古里 孝 JP 3596032 特許公報(B2) 20040917 1994154990 19940706 セミカルバゾン誘導体 日産化学工業株式会社 000003986 石井 茂 大津 督 八木 和生 沼田 昭 三宅 敏郎 藤田 明彦 三森 紀彦 大宅 博司 古里 孝 20041202 7 C07C281/14 A01N47/34 C07D307/52 C07D307/56 C07D307/58 C07D307/68 C07D333/22 JP C07C281/14 A01N47/34 C07D307/52 C07D307/56 C07D307/58 C07D307/68 C07D333/22 7 C07C281/14 C07D307/52 C07D307/56 C07D307/58 C07D307/68 C07D333/22 REGISTRY(STN) CA(STN) A01N 47/34 特開平7−53501(JP,A) 6 1996020571 19960123 129 20010423 吉良 優子 【産業上の利用分野】本発明は新規なセミカルバゾン誘導体ならびに該誘導体を有効成分として含有する有害生物防除剤に関するものである。【従来の技術】従来、1,3−ジフェニル−2−プロペン−1−オンのセミカルバゾン化合物に関しては、ケミカル・ベリヒテ(Chemische Berichte)、94巻、1122頁(1961年)に1−フェニル−3−(4−ニトロフェニル)−2−プロペン−1−オンの4−フェニルセミカルバゾンが知られているが、この1位または3位がフランまたはチオフェンで置換された2−プロペン−1−オンのセミカルバゾン化合物は知られていない。【発明が解決しようとする課題】殺虫剤の長年にわたる使用により、近年、害虫が抵抗性を獲得し、従来の殺虫剤による防除が困難になっている。また殺虫剤の一部は毒性が高く、あるものは残留性により生態系を乱しつつある。よって低毒性かつ低残留性の新規な殺虫剤の開発が常に期待されている。また、植物病害に対して有用な農園芸用殺菌剤の開発も常に要望されている。【0001】本発明者らはセミカルバゾン誘導体について鋭意研究を重ねた結果、新規なフランまたはチオフェンで置換された2−プロペン−1−オンの4−フェニルセミカルバゾン誘導体が低薬量で優れた殺虫活性および殺菌活性を示し、かつホ乳動物、魚類および益虫に対してはほとんど悪影響がない極めて有用な化合物であることを見出し本発明を完成した。【課題を解決するための手段】本発明は一般式(I)【化2】〔式中、Aはフェニル基、チエニル基又はフリル基を示し、いずれもXで任意に置換されていてもよい。Bはフェニル基、チエニル基又はフリル基を示し、いずれもYで任意に置換されていてもよい(ただし、A及びBが同時に置換基を有していてよいフェニル基である場合を除く。)。Wは酸素原子またはイオウ原子を示す。X、Y、Zは各々独立してハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、SCN基、トリメチルシリル基、R9 、OR9、S(O)pR9基、OS(O)2R9基、OC(O)R9基、C(O)R9基、CO2R9基、C(O)N(R9)R10基、SO2N(R9)R10基、NHC(O)R9基、N(R9)R10基、隣あった炭素原子間で形成する−CH=CH−CH=CH−基、−OCH2O−基、−OCH2CH2O−基、−OCF2O−基、−OCF2CF2O−基または−OCF2CF2−基を示す。R1、R2は各々独立して水素原子、R5、R5によって置換されていてもよいC1〜C6アルキル基または(R5)qによって置換されていてもよいフェニル基を示す。R3、R4は各々独立して水素原子、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C1〜C6ハロアルキル基、C2〜C6アルコキシアルキル基、C2〜C6アルキルカルボニル基、C2〜C6アルコキシカルボニル基、C2〜C6ハロアルキルカルボニル基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6ハロアルキルチオ基、R6OC(O)N(R7)S−基、R7(R8)NS−基または(R5)qによって置換されていてもよいベンジル基を示す。R5はハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6ハロアルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6ハロアルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6ハロアルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルホニル基、C1〜C6ハロアルキルスルホニル基、C2〜C6アルコキシカルボニル基、アミノ基またはジC1〜C6アルキルアミノ基を示す。R6、R7、R8は各々独立してC1〜C6アルキル基、(R5)qによって置換されていてもよいフェニル基または(R5)qによって置換されていてもよいベンジル基を示す。R9はC1〜C6アルキル基、C1〜C6ハロアルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6ハロアルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C2〜C6ハロアルキニル基、C3〜C6シクロアルキル基、C3〜C6ハロシクロアルキル基、C4〜C7シクロアルキルアルキル基、C2〜C6アルコキシアルキル基、C2〜C6アルキルチオアルキル基、C2〜C6アルコキシカルボニルアルキル基、C2〜C6シアノアルキル基、(R5)qによって置換されていてもよいフェニル基、(R5)qによって置換されていてもよいベンジル基または(R5)rによって置換されていてもよいピリジル基を示す。R10は水素原子またはC1〜C6アルキル基を示す。nは1〜5の整数(ただし、nが2〜5の場合Zは同一であっても異なっていてもよい)を示す。pは0〜2の整数を示す。qは0〜5の整数(ただし、qが2〜5の場合R5は同一であっても異なっていてもよい)を示す。rは0〜4の整数(ただし、rが2〜4の場合R5は同一であっても異なっていてもよい)を示す。〕で表わされるセミカルバゾン誘導体及び該誘導体の1種又は2種以上を有効成分として含有する有害生物防除剤に関するものである。【0002】本明細書において示した各置換基の例を以下に示す。なお、各置換基のうち炭素鎖は、直鎖、分岐鎖又は環状の何れでもよい。以下、n−はノルマル、i−はイソ、sec−はセカンダリー、t−はターシャリー、c−はシクロを意味する。【0003】C1〜C6アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、c−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、c−ブチル基、n−ペンチル基、c−ペンチル基、n−ヘキシル基、c−ヘキシル基等が挙げられる。【0004】C2〜C6アルケニル基としては、エテニル基、2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、2−ブテニル基等が挙げられる。【0005】C2〜C6アルキニル基としては、エチニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基等が挙げられる。【0006】C2〜C6アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基等が挙げられる。C2〜C6アルキルカルボニル基としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、i−プロピルカルボニル基、c−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、i−ブチルカルボニル基、sec−ブチルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基、c−ブチルカルボニル基等が挙げられる。【0007】C2〜C6アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、c−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、c−ブトキシカルボニル基等が挙げられる。【0008】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。【0009】Aは、フェニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−フリル基または3−フリル基を示し、いずれもXで任意に置換されていてもよい。フェニル基の場合、置換基であるXの数は0〜5で、好ましくは0〜2個である。Xは同一であっても異なっていてもよい。チエニル基及びフリル基の場合、置換基であるXの数は0〜3で、好ましくは0〜2個である。Xは同一であっても異なっていてもよい。【0010】Bは、フェニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−フリル基または3−フリル基を示し、いずれもYで任意に置換されていてもよい。フェニル基の場合、置換基であるYの数は0〜5で、好ましくは0〜2個である。Yは同一であっても異なっていてもよい。チエニル基及びフリル基の場合、置換基であるYの数は0〜3で、好ましくは0〜2個である。Yは同一であっても異なっていてもよい(ただし、A及びBが同時に置換基を有していてよいフェニル基である場合を除く。)。【0011】Wとしては酸素原子とイオウ原子が挙げられるが、好ましくは酸素原子が挙げられる。【0012】X、Y、Zとしては各々独立してハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、SCN基、トリメチルシリル基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6ハロアルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6ハロアルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C2〜C6ハロアルキニル基、C3〜C6シクロアルキル基、C3〜C6ハロシクロアルキル基、C4〜C7シクロアルキルアルキル基、C2〜C6アルコキシアルキル基、C2〜C6アルキルチオアルキル基、C2〜C6アルコキシカルボニルアルキル基、C2〜C6シアノアルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6ハロアルコキシ基、C2〜C6アルケニルオキシ基、C2〜C6ハロアルケニルオキシ基、C2〜C6アルキニルオキシ基、C2〜C6ハロアルキニルオキシ基、C3〜C6シクロアルキルオキシ基、C3〜C6ハロシクロアルキルオキシ基、C4〜C7シクロアルキルアルキルオキシ基、C2〜C6アルコキシアルキルオキシ基、C2〜C6アルキルチオアルキルオキシ基、C3〜C6アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、C2〜C6シアノアルキルオキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6ハロアルキルチオ基、C2〜C6アルケニルチオ基、C2〜C6ハロアルケニルチオ基、C2〜C6アルキニルチオ基、C2〜C6ハロアルキニルチオ基、C3〜C6シクロアルキルチオ基、C3〜C6ハロシクロアルキルチオ基、C4〜C7シクロアルキルアルキルチオ基、C2〜C6アルコキシアルキルチオ基、C2〜C6アルキルチオアルキルチオ基、C2〜C6アルコキシカルボニルアルキルチオ基、C2〜C6シアノアルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルフィニル基、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル基、C2〜C6アルケニルスルフィニル基、C2〜C6ハロアルケニルスルフィニル基、C2〜C6アルキニルスルフィニル基、C2〜C6ハロアルキニルスルフィニル基、C3〜C6シクロアルキルスルフィニル基、C3〜C6ハロシクロアルキルスルフィニル基、C4〜C7シクロアルキルアルキルスルフィニル基、C2〜C6アルコキシアルキルスルフィニル基、C2〜C6アルキルチオアルキルスルフィニル基、C1〜C6アルキルスルホニル基、C1〜C6ハロアルキルスルホニル基、C2〜C6アルケニルスルホニル基、C2〜C6ハロアルケニルスルホニル基、C2〜C6アルキニルスルホニル基、C2〜C6ハロアルキニルスルホニル基、C3〜C6シクロアルキルスルホニル基、C3〜C6ハロシクロアルキルスルホニル基、C4〜C7シクロアルキルアルキルスルホニル基、C2〜C6アルコキシアルキルスルホニル基、C2〜C6アルキルチオアルキルスルホニル基、C2〜C6アルコキシカルボニルアルキルスルホニル基、C2〜C6シアノアルキルスルホニル基、C1〜C6アルキルスルホニルオキシ基、C1〜C6ハロアルキルスルホニルオキシ基、C3〜C6シクロアルキルスルホニルオキシ基、C3〜C6ハロシクロアルキルスルホニルオキシ基、C2〜C6シアノアルキルスルホニルオキシ基、C2〜C7アルキルカルボニルオキシ基、C2〜C7ハロアルキルカルボニルオキシ基、C4〜C7シクロアルキルカルボニルオキシ基、C4〜C7ハロシクロアルキルカルボニルオキシ基、C3〜C7シアノアルキルカルボニルオキシ基、C2〜C7アルキルカルボニル基、C2〜C7ハロアルキルカルボニル基、C4〜C7シクロアルキルカルボニル基、C4〜C7ハロシクロアルキルカルボニル基、C3〜C7シアノアルキルカルボニル基、C2〜C7アルコキシカルボニル基、C2〜C7ハロアルコキシカルボニル基、C4〜C7シクロアルキルオキシカルボニル基、C4〜C7ハロシクロアルキルオキシカルボニル基、C3〜C7シアノアルキルオキシカルボニル基、モノC1〜C6アルキルアミノカルボニル基、モノC1〜C6ハロアルキルアミノカルボニル基、ジC1〜C6アルキルアミノカルボニル基、ジC1〜C6ハロアルキルアミノカルボニル基、モノC1〜C6アルキルアミノスルホニル基、モノC1〜C6ハロアルキルアミノスルホニル基、ジC1〜C6アルキルアミノスルホニル基、ジC1〜C6ハロアルキルアミノスルホニル基、アミノカルボニル基、アミノスルホニル基、ホルミルアミノ基、C2〜C7アルキルカルボニルアミノ基、C2〜C7ハロアルキルカルボニルアミノ基、アミノ基、モノC1〜C6アルキルアミノ基、モノC1〜C6ハロアルキルアミノ基、ジC1〜C6アルキルアミノ基、ジC1〜C6ハロアルキルアミノ基、隣あった炭素原子間で形成する−CH=CH−CH=CH−基、−OCH2O−基、−OCH2CH2O−基、−OCF2O−基、−OCF2CF2O−基、−OCF2CF2−基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいフェノキシ基、置換されていてもよいフェニルチオ基、置換されていてもよいフェニルスルフィニル基、置換されていてもよいフェニルスルホニル基、置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基、置換されていてもよいフェニルカルボニルオキシ基、置換されていてもよいフェニルカルボニル基、置換されていてもよいフェノキシカルボニル基、置換されていてもよいフェニルアミノカルボニル基、置換されていてもよいフェニルスルホニルアミノ基、置換されていてもよいフェニルカルボニルアミノ基、置換されていてもよいフェニルアミノ基、置換されていてもよいベンジル基、置換されていてもよいベンジルオキシ基、置換されていてもよいベンジルチオ基、置換されていてもよいベンジルスルフィニル基、置換されていてもよいベンジルスルホニル基、置換されていてもよいベンジルスルホニルオキシ基、置換されていてもよいベンジルカルボニルオキシ基、置換されていてもよいベンジルカルボニル基、置換されていてもよいベンジルオキシカルボニル基、置換されていてもよいベンジルアミノカルボニル基、置換されていてもよいベンジルスルホニルアミノ基、置換されていてもよいベンジルカルボニルアミノ基、置換されていてもよいベンジルアミノ基、置換されていてもよいピリジル基、置換されていてもよいピリジルオキシ基、置換されていてもよいピリジルチオ基、置換されていてもよいピリジルスルフィニル基、置換されていてもよいピリジルスルホニル基、置換されていてもよいピリジルスルホニルオキシ基、置換されていてもよいピリジルカルボニルオキシ基、置換されていてもよいピリジルカルボニル基、置換されていてもよいピリジルオキシカルボニル基、置換されていてもよいピリジルアミノカルボニル基、置換されていてもよいピリジルスルホニルアミノ基、置換されていてもよいピリジルカルボニルアミノ基または置換されていてもよいピリジルアミノ基(ただし置換されていてもよい置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6ハロアルキル基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6ハロアルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルホニル基、C1〜C6ハロアルキルスルホニル基、C1〜C6アルコキシカルボニル基、アミノ基またはジC1〜C6アルキルアミノ基が挙げられる。【0013】Xとして好ましくは、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、C1〜C6ハロアルキル基、C1〜C6ハロアルコキシ基、C1〜C6ハロアルキルチオ基、C1〜C6ハロアルキルスルホニルオキシ基が挙げられる。【0014】Yとして好ましくは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6ハロアルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6ハロアルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6ハロアルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルホニル基、C1〜C6ハロアルキルスルホニル基、C1〜C6ハロアルキルスルホニルオキシ基、隣あった炭素原子間で形成する−OCF2O−基または−OCF2CF2O−基が挙げられる。【0015】Zとして好ましくは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C1〜C6ハロアルキル基、C1〜C6ハロアルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6ハロアルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルフィニル基、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル基、C1〜C6アルキルスルホニル基、C1〜C6ハロアルキルスルホニル基、C1〜C6アルキルスルホニルオキシ基、C1〜C6ハロアルキルスルホニルオキシ基、隣あった炭素原子間で形成する−OCF2O−基、−OCF2CF2O−基または−OCF2CF2−基が挙げられる。【0016】R1及びR2としては、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6ハロアルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6ハロアルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6ハロアルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルホニル基、C1〜C6ハロアルキルスルホニル基、C2〜C6アルコキシカルボニル基、アミノ基、ジC1〜C6アルキルアミノ基または置換されていてもよいフェニル基(ただし、置換されていてもよい置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6ハロアルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6ハロアルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6ハロアルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルホニル基、C2〜C6アルコキシカルボニル基、アミノ基またはジC1〜C6アルキルアミノ基が挙げられる)が挙げられる。【0017】R1及びR2として好ましくは、水素原子またはC1〜C6アルキル基が挙げられる。【0018】R3及びR4としては、水素原子、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C1〜C6ハロアルキル基、C2〜C6アルコキシアルキル基、C2〜C6アルキルカルボニル基、C2〜C6アルコキシカルボニル基、C2〜C6ハロアルキルカルボニル基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6ハロアルキルチオ基、C2〜C12ジアルキルアミノチオ基、C3〜C12(アルキル)アルコキシカルボニルアミノチオ基または置換されていてもよいベンジル基(ただし、置換されていてもよい置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6ハロアルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6ハロアルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6ハロアルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルホニル基、C2〜C6アルコキシカルボニル基、アミノ基またはジC1〜C6アルキルアミノ基が挙げられる)が挙げられる。【0019】R3及びR4として好ましくは、水素原子またはC1〜C6アルキル基があげられる。【0020】nは1〜3の整数が好ましい。【0021】本発明化合物としては、下記の化合物が好ましい。【0022】Aはフェニル基、チエニル基又はフリル基を示し、いずれも0−2個のXで任意に置換されていてもよい。Bはフェニル基、チエニル基又はフリル基を示し、いずれも0−2個のYで任意に置換されていてもよい(ただし、A及びBが同時に置換基を有していてよいフェニル基である場合を除く。)。Wは酸素原子を示す。Xは、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、C1〜C6ハロアルキル基、C1〜C6ハロアルコキシ基、C1〜C6ハロアルキルチオ基またはC1〜C6ハロアルキルスルホニルオキシ基を示す。Yは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6ハロアルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6ハロアルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6ハロアルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルホニル基、C1〜C6ハロアルキルスルホニル基、C1〜C6ハロアルキルスルホニルオキシ基、隣あった炭素原子間で形成する−OCF2O−基または−OCF2CF2O−基を示す。Zは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C1〜C6ハロアルキル基、C1〜C6ハロアルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6ハロアルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルフィニル基、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル基、C1〜C6アルキルスルホニル基、C1〜C6ハロアルキルスルホニル基、C1〜C6アルキルスルホニルオキシ基、C1〜C6ハロアルキルスルホニルオキシ基、隣あった炭素原子間で形成する−OCF2O−基、−OCF2CF2O−基または−OCF2CF2−基を示す。R1、R2、R3、R4は各々独立して水素原子またはC1〜C6アルキル基を示す。nは1〜3の整数を示す一般式(I)で示されるセミカルバゾン誘導体。【0023】尚、一般式(I)で表される本発明化合物は、E体及びZ体の異性体が存在するが、本発明は、これらのE体、Z体並びにE体及びZ体を任意の割合で含む混合物を包含する。また不斉炭素原子を有する化合物の場合には、R体及びS体が含まれる。更に、立体配置異性体が存在する場合には、E体及びZ体が含まれる。【0024】本発明に包含される化合物としては、具体的には例えば、第1−1表〜第1−24表の示す化合物が挙げられる。但し、これらの化合物は例示のためのものであって、本発明はこれらのみに限定されるものではない。【0025】なお、Q1〜Q7は次の式で表される基である。【化3】【0026】Xlは、化合物(I)の置換基Aの置換基を表し、Aがフェニル基の時、lは0〜5の整数で、Aがチエニル基及びフリル基の時、lは0〜3の整数を表す。又、Ymは、化合物(I)の置換基Bの置換基を表し、Bがフェニル基の時、mは0〜5の整数で、Bがチエニル基及びフリル基の時、mは0〜3の整数を表す。【0027】第 1−1 表【化4】【0028】【表1】【0029】【表2】【0030】【表3】【0031】【表4】【0032】【表5】【0033】【表6】【0034】【表7】【0035】【表8】【0036】【表9】【0037】【表10】【0038】【表11】【0039】【表12】【0040】【表13】【0041】【表14】【0042】【表15】【0043】【表16】【0044】【表17】【0045】【表18】【0046】【表19】【0047】【表20】【0048】【表21】【0049】【表22】【0050】【表23】【0051】【表24】【0052】【表25】【0053】【表26】【0054】【表27】【0055】【表28】【0056】【表29】【0057】【表30】【0058】【表31】【0059】【表32】【0060】【表33】【0061】【表34】【0062】【表35】【0063】【表36】【0064】【表37】【0065】【表38】【0066】【表39】【0067】【表40】【0068】【表41】【0069】【表42】【0070】【表43】【0071】【表44】【0072】【表45】【0073】【表46】【0074】【表47】【0075】【表48】【0076】【表49】【0077】【表50】【0078】【表51】【0079】【表52】【0080】【表53】【0081】【表54】【0082】【表55】【0083】【表56】【0084】【表57】【0085】【表58】【0086】【表59】【0087】【表60】【0088】【表61】【0089】【表62】【0090】【表63】【0091】第1−2表【0092】【化5】【0093】【表64】【0094】【表65】【0095】第1−3表【0096】【化6】【0097】【表66】【0098】【表67】【0099】第1−4表【0100】【化7】【0101】【表68】【0102】【表69】【0103】第1−5表【0104】【化8】【0105】【表70】【0106】【表71】【0107】第1−6表【0108】【化9】【0109】【表72】【0110】【表73】【0111】第1−7表【0112】【化10】【0113】【表74】【0114】【表75】【0115】第1−8表【0116】【化11】【0117】【表76】【0118】【表77】【0119】第1−9表【0120】【化12】【0121】【表78】【0122】第1−10表【0123】【化13】【0124】【表79】【0125】第1−11表【0126】【化14】【0127】【表80】【0128】第1−12表【0129】【化15】【0130】【表81】【0131】第1−13表【0132】【化16】【0133】【表82】【0134】第1−14表【0135】【化17】【0136】【表83】【0137】第1−15表【0138】【化18】【0139】【表84】【0140】第1−16表【0141】【化19】【0142】【表85】【0143】第1−17表【0144】【化20】【0145】【表86】【0146】第1−18表【0147】【化21】【0148】【表87】【0149】第1−19表【0150】【化22】【0151】【表88】【0152】第1−20表【0153】【化23】【0154】【表89】【0155】第1−21表【0156】【化24】【0157】【表90】【0158】第1−22表【0159】【化25】【0160】【表91】【0161】第1−23表【0162】【化26】【0163】【表92】【0164】第1−24表【0165】【化27】【0166】【表93】【0167】本発明において有害生物防除剤とは、特に害虫防除剤および植物病害防除剤を意味する。本発明化合物は極めて低い薬剤濃度で各種の有害な害虫に対して効力を示す。その害虫としては、例えば、ツマグロヨコバイ、トビイロウンカ、モモアカアブラムシ、ニジュウヤホシテントウ、ハスモンヨトウ、コブノメイガ、コナガ等の農業害虫、ナミハダニ、ミカンハダニ、カンザワハダニ等のハダニ類、アカイエカ、イエバエ、チャバネゴキブリ、アリ、ノミ、シラミ等の衛生害虫、コクゾウムシ、コクヌストモドキ、スジマダラメイガ等の貯穀害虫、シロアリのような家屋害虫、ダニ、ノミ、シラミ等の家畜害虫、コナダニ、ヒョウヒダニ、ツメダニ等の屋内塵性ダニ、ナメクジ、カタツムリ等の軟体動物等が挙げられる。すなわち、本発明化合物は直翅目、半翅目、鱗翅目、鞘翅目、膜翅目、双翅目、シロアリ目およびダニ・シラミ類の害虫を低濃度で有効に防除できる。【0168】次に、本発明化合物の対象となる植物病害としては、下記の病害が挙げられる。【0169】イネのいもち病(Pyricularia oryzae) 、ごま葉枯病 (Cochliobolus miyabeanus)、紋枯病 (Rhizoctonia solani) 、ムギ類のうどんこ病 (Erysiphe graminis f.sp.hordei,f. sp.tritici) 、斑葉病 (Pyrenophora graminea) 、網斑病(Pyrenophora teres) 、赤かび病(Gibberella zeae)、さび病 (Puccinia striiformis, P.graminis, P.recondita, P.hordei)、雪腐病(Typhula sp.,Micronectriella nivais)、裸黒穂病 (Ustilago tritici,U.nuda)、アイスポット(Pseudocercosporella herpotrichoides) 、雲形病 (Rhynchosporium secalis) 、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病 (Leptosphaeria nodorum)、カンキツの黒点病 (Diaporthe citri)、そうか病(Elsinoe fawcetti)、果実腐敗病 (Penicillium digitatum,P.italicum) 、リンゴのモニリア病 (Sclerotinia mali)、腐らん病 (Valsa mali) 、うどんこ病 (Podosphaera leucotricha)、斑点落葉病 (Alternaria mali)、黒星病 (Venturia inaequalis) 、ナシの黒星病(Venturia nashicola)、黒斑病 (Alternaria Kikuchiana) 、赤星病(Gymnosporangium haraeanum) 、モモの灰星病(Sclerotinia cinerea) 、黒星病(Cladosporium carpophilum)、フォモプシス腐敗病(Phomopsis sp.) 、ブドウのべと病(Plasmopara viticola) 、黒とう病 (Elsinoe ampelina) 、晩腐病 (Glomerella cingulata) 、うどんこ病(Uncinula necator)、さび病 (Phakopsora ampelopsidis)、カキの炭そ病 (Gloeosporium kaki) 、落葉病(Cercospora kaki, Mycosphaerella nawae) 、ウリ類のべと病(Pseudoperenospora cubensis)、炭そ病 (Colletotrichum lagenarium)、うどんこ病 (Sphaerotheca fuliginea) 、つる枯病(Mycosphaerella melonis) 、トマトの疫病(Phytophthora infestans) 、輪紋病 (Alternaria solani)、葉かび病(Cladosporium fulvam) 、ナスの褐紋病 (Phomopsis vexans)、うどんこ病 (Erysiphe cichoracoarum) 、アブラナ科野菜の黒斑病 (Alternaria japonica)、白斑病(Cerocosporella brassicae)、ネギのさび病(Puccinia allii)、ダイズの紫斑病 (Cercospora kikuchii)、黒とう病 (Elsinoe glycines) 、黒点病 (Diaporthe phaseololum)、インゲンの炭そ病 (Colletotrichum lindemuthianum)、ラッカセイの黒渋病 (Mycosphaerella personatum)、褐斑病(Cercospora arachidicola) 、エンドウのうどんこ病 (Erysiphe pisi)、ジャガイモの夏疫病 (Alternaria solani)、イチゴのうどんこ病(Sphaerotheca humuli) 、チャの網もち病 (Exobasidium reticulatum)、白星病(Elsinoe leucospila)、タバコの赤星病 (Alternaria longipes)、うどんこ病 (Erysiphe cichoracearum) 、炭そ病 (Colletotrichum tabacum) 、テンサイの褐斑病 (Cercospora beticola)、バラの黒星病 (Diplocarpon rosae) 、うどんこ病(Sphaerotheca pannosa)、キクの褐斑病 (Septoria chrysanthemiindici)、白さび病 (Puccinia horiana) 、種々の作物の灰色かび病 (Botrytis cinerea) 、菌核病 (Sclerotinia sclerotiorum) 等が挙げられる。【0170】一方、本発明化合物はホ乳類、魚類、甲殻類および益虫に対してはほとんど悪影響がない極めて有用な化合物であることを見出し、本発明を完成した。【0171】次に、本発明化合物の製造法について説明する。本発明化合物は新規なセミカルバゾン誘導体であり、代表的な製造法を以下に具体的に説明する。【0172】各方法(A法〜E法)において、A、B、W、Z、R1 、R2 、R3 、R4 、及びnは前記と同じ意味を示し、L1 およびL2 は各々独立して、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アルキルスルホネート基またはアリールスルホネート基のような良好な脱離基を示す。【0173】A法【化28】【0174】化合物(II)と化合物(III)とを触媒の存在下又は不存在下、不活性な溶媒中で反応させることにより本発明化合物(I)が得られる。本反応において用いられる触媒としては塩酸、硫酸等の無機酸又はパラトルエンスルホン酸等の有機酸等が挙げられる。触媒の使用量は化合物(II)に対して0.001重量%から10重量%までの任意の量を設定できるが、0.1重量%から1重量%が好ましい。溶媒としては反応の進行を阻害しないものであれば良く、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、酢酸、水等が挙げられる。これらの不活性溶媒は単独で使用してもよく、また、混合して使用することもできる。一般的にはメタノール、エタノール等の低級アルコール中で触媒として塩酸を用いるのが好ましい。反応温度は−60℃から反応混合物の還流温度までの任意の温度を設定することができるが、室温から反応混合物の還流温度で行なうのが好ましい。【0175】B法【化29】【0176】本法はA法において、R3=R4=水素原子である場合に、R3、R4を導入する方法である。本発明化合物(IV)と化合物(V)を塩基の存在下、不活性な溶媒中で反応させることにより本発明化合物(VI)を得ることができる。つづいて、本発明化合物(VI)と化合物(VII)を塩基の存在下、不活性な溶媒中で反応させることにより本発明化合物(I)が得られる。本反応において、用いられる塩基としてはナトリウムエトキシド、カリウムターシャリーブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基等が挙げられる。用いられる溶媒としては、反応の進行を阻害しないものであれば良く、例えばメタノール、エタノール等の低級アルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドおよび水等が挙げられる。これらの不活性溶媒は単独で使用してもよく、また、混合して使用することもできる。一般的にはテトラヒドロフランやジメチルホルムアミド等の極性溶媒中で、塩基として水素化ナトリウム、水素化カリウム、カリウムターシャリーブトキシドまたは水酸化カリウムを用いるのが好ましい。反応温度は−60℃から反応混合物の還流温度までの任意の温度を設定することができるが、0℃から90℃までで行なうのが好ましい。本反応においてR3=R4の場合は2当量の化合物(V)と2当量の塩基を用いることにより、化合物(VI)を単離することなく、本発明化合物(I)を得ることができる。【0177】C法【化30】【0178】出発原料の化合物(II)はオルガニック・シンセシス(Organic Syntheses)1巻、78頁等を参考にして、化合物(VIII)と化合物(IX)を塩基の存在下、不活性な溶媒中で反応させることにより得られる。本反応において用いられる塩基としては、ナトリウムエトキシド、カリウムターシャリーブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基等が挙げられる。用いられる溶媒としては、反応の進行を阻害しないものであれば良く、例えばメタノール、エタノール等の低級アルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドおよび水等が挙げられる。これらの不活性溶媒は単独で使用してもよく、また、混合して使用することもできる。一般的にはメタノールやエタノール等の低級アルコールか低級アルコールと水との混合溶媒中で、塩基として水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを用いるのが好ましい。反応温度は−60℃から反応混合物の還流温度までの任意の温度を設定することができるが、0℃から40℃で行うのが好ましい。【0179】D法【化31】【0180】本法は、R3=R4=水素原子である場合の出発原料(化合物(III)のR3=R4=水素原子)の合成法である。化合物(X)と化合物(XI)を触媒の存在下又は不存在下、不活性な溶媒中で反応させることにより化合物(XII)が得られる。本反応において用いられる触媒としては、トリエチレンジアミン、ジアザビシクロウンデセン等の有機塩基等が挙げられる。触媒の使用量は化合物(XI)に対して0.001重量%から10重量%までの任意の量を設定できるが、0.1重量%から1重量%が好ましい。溶媒としては反応の進行を阻害しないものであれば良く、例えば、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドおよび水等が挙げられる。これらの不活性溶媒は単独で使用してもよく、また、混合して使用することもできる。反応温度は−60℃から反応混合物の還流温度までの任意の温度を設定することができるが、0℃から50℃で行うのが好ましい。この反応において反応物質のモル比には特に制限はないが化合物(XII)を収率よく得るためには、化合物(XI)に対して化合物(X)を少し過剰に用いるのが好ましい。【0181】E法【化32】【0182】本法は、D法の別法で、R3=R4=水素原子である場合の出発原料(化合物(III)のR3=R4=水素原子)の合成法である。化合物(XIII)と化合物(XI)を触媒の存在下又は不存在下、不活性な溶媒中で反応させることにより化合物(XIV)が得られる。本反応において用いられる触媒、溶媒及び温度等の反応条件はD法と同じである。本法においては、当モルの化合物(XIII)と化合物(XI)を用いて収率よく化合物(XIV)を得ることができるのが特徴である。工程2において、化合物(XIV)を酸の存在下、不活性な溶媒中で反応させることにより、化合物(XII)を得ることができる。用いられる酸としては、塩酸、硫酸等の無機酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸等が挙げられる。溶媒としては、反応の進行を阻害しないものであれば良く、例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジクロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、酢酸および水等が挙げられる。これらの不活性溶媒は単独で使用してもよく、また、混合して使用することもできる。一般的には、メタノール、エタノール等の低級アルコール中で過剰量の塩酸を用いるのが好ましい。反応温度は−60℃から反応混合物の還流温度までの任意の温度を設定することができるが、0℃から反応混合物の還流温度で行うのが好ましい。【0183】各方法において、各反応物質のモル比には特に制限はないが、等モル又はそれに近い比率で反応を行なうのが有利である。【0184】本発明化合物を精製する必要が生じた場合は、再結晶、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー等の任意の精製方法によって分離、精製することができる。【0185】本発明化合物を有害生物防除剤として施用するにあたっては、一般には適当な担体、例えばクレー、タルク、ベントナイト、珪藻土、ホワイトカーボン等の固体担体あるいは水、アルコール類(イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、エーテル類(アニソール等)、ケトン類(シクロヘキサノン、イソホロン等)、エステル類(酢酸ブチル等)、酸アミド類(N−メチルピロリドン等)またはハロゲン化炭化水素類(クロルベンゼン等)などの液体担体と混用して適用することができ、所望により界面活性剤、乳化剤、分散剤、浸透剤、展着剤、増粘剤、凍結防止剤、固結防止剤、安定剤などを添加し、液剤、乳剤、水和剤、ドライフロアブル剤、フロアブル剤、粉剤、粒剤等任意の剤型にて実用に供することができる。【0186】また、本発明化合物は必要に応じて製剤時又は散布時に他種の除草剤、各種殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、植物生長調節剤、共力剤、肥料、土壌改良剤などと混合施用しても良い。【0187】特に他の農薬あるいは植物ホルモンと混合施用することにより、施用薬量の減少による低コスト化、混合薬剤の相乗作用による殺虫スペクトラムの拡大や、より高い有害生物防除効果が期待できる。この際、同時に複数の公知農薬との組み合わせも可能である。本発明化合物と混合使用する農薬の種類としては、例えば、ファーム・ケミカルズ・ハンドブック( Farm Chemicals Handbook) 1994年版に記載されている化合物などがある。【0188】本発明化合物の施用薬量は適用場面、施用時期、施用方法、栽培作物等により差異はあるが一般には有効成分量としてヘクタール(ha) 当たり0.005〜50kg程度が適当である。【0189】次に具体的に本発明化合物を用いる場合の製剤の配合例を示す。但し本発明の配合例は、これらのみに限定されるものではない。なお、以下の配合例において「部」は重量部を意味する。【0190】〔水和剤〕本発明化合物・・・・・・・ 5〜80部固体担体 ・・・・・・・10〜85部界面活性剤 ・・・・・・・ 1〜10部その他 ・・・・・・・ 1〜5 部その他として、例えば固結防止剤などがあげられる。【0191】〔乳 剤〕本発明化合物・・・・・・・ 1〜30部液体担体 ・・・・・・・30〜95部界面活性剤 ・・・・・・・ 5〜15部【0192】〔フロアブル剤〕本発明化合物・・・・・・・ 5〜70部液体担体 ・・・・・・・15〜65部界面活性剤 ・・・・・・・ 5〜12部その他 ・・・・・・・ 5〜30部その他として、例えば凍結防止剤、増粘剤等があげられる。【0193】〔粒状水和剤(ドライフロアブル剤)〕本発明化合物・・・・・・・20〜90部固体担体 ・・・・・・・10〜60部界面活性剤 ・・・・・・・ 1〜20部【0194】〔粒 剤〕本発明化合物・・・・・・・0.1 〜10部固体担体 ・・・・・・・90〜99.9 部その他 ・・・・・・・ 1〜5 部【0195】〔粉 剤〕本発明化合物・・・・・・・0.01〜30部固体担体 ・・・・・・・67〜99.5 部その他 ・・・・・・・ 0〜3 部【0196】【実施例】実施例(合成例、製剤例、試験例)以下、本発明について実施例(合成例、製剤例、試験例)を挙げて具体的に詳述する。【0197】〔合成例〕本発明に包含される化合物は、以下に示した合成例に基づき製造した又は製造することができるが、本発明はこれらの化合物にのみ限定されるものではない。【0198】合成例12−〔1−フェニル−3−(チオフェン−3−イル)−2−プロペン−1−イリデン〕−N−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドラジンカルボキサミド(本発明化合物No.2−1)1−フェニル−3−(チオフェン−3−イル)−2−プロペン−1−オン0.54gおよびN−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドラジンカルボキサミド0.59gをエタノール15mlに溶解した後、室温で攪拌下、濃塩酸を0.1ml滴下し、さらに室温で16時間攪拌した。析出した結晶をろ過して集め、冷したエタノールで洗浄した後、減圧下で乾燥して、目的化合物を0.33g得た。【0199】融点:162.0−164.0℃1H−NMR(CDCl3, TMS, δppm):6.7−7.7(14H, m), 8.52(1H, s), 10.32(1H, s).【0200】合成例22−〔3−フェニル−1−(チオフェン−3−イル)−2−プロペン−1−イリデン〕−N−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドラジンカルボキサミド(本発明化合物No.5−1)合成例1に準じて、3−フェニル−1−(チオフェン−3−イル)−2−プロペン−1−オン0.54gおよびN−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドラジンカルボキサミド0.59gより、目的化合物を0.26g得た。融点:154.0−155.5℃【0201】1H−NMR(CDCl3, TMS, δppm):6.6−8.4(14H, m), 8.47(1H, s), 10.29(1H, s).【0202】合成例32−〔1,3−ジ(チオフェン−2−イル)−2−プロペン−1−イリデン〕−N−(4−クロロフェニル)ヒドラジンカルボキサミド(本発明化合物No.6−1)合成例1に準じて、1,3−ジ(チオフェン−2−イル)−2−プロペン−1−オン0.55gおよびN−(4−クロロフェニル)ヒドラジンカルボキサミド0.46gより、目的化合物を0.60g得た。融点:171.5−175.0℃【0203】1H−NMR(CDCl3+DMSO d−6, TMS, δppm):6.8−7.7(12H, m), 8.52(1H, s), 10.32(1H, s).【0204】合成例42−〔3−(フラン−2−イル)−1−フェニル−2−プロペン−1−イリデン〕−N−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドラジンカルボキサミド(本発明化合物No.3−1)合成例1に準じて、3−(フラン−2−イル)−1−フェニル−2−プロペン−1−オン0.50gおよびN−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドラジンカルボキサミド0.59gより、目的化合物を0.60g得た。融点:135.0−137.0℃【0205】1H−NMR(CDCl3, TMS, δppm):6.3−7.8(14H, m), 8.50(1H, s), 10.24(1H, s).【0206】合成例52−〔3−(4−クロロチオフェン−2−イル)−1−(3−フルオロフェニル)−2−プロペン−1−イリデン〕−N−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドラジンカルボキサミド(本発明化合物No.1−11)合成例1に準じて、3−(4−クロロチオフェン−2−イル)−1−(3−フルオロフェニル)−2−プロペン−1−オン0.67gおよびN−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドラジンカルボキサミド0.59gより、目的化合物を0.17g得た。【0207】融点:179.0−181.0℃1H−NMR(CDCl3, TMS, δppm):6.50−7.75(9H, m), 8.30(1H, s).【0208】合成例62−〔3−(4−クロロチオフェン−2−イル)−1−(3−ジフルオロメトキシフェニル)−2−プロペン−1−イリデン〕−N−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドラジンカルボキサミド(本発明化合物No.1−39)合成例1に準じて、3−(4−クロロチオフェン−2−イル)−1−(3−ジフルオロメトキシフェニル)−2−プロペン−1−オン0.79gおよびN−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドラジンカルボキサミド0.59gより、目的化合物を0.47g得た。【0209】融点:138.5−140.0℃1H−NMR(CDCl3, TMS, δppm):6.34(1H, d, J=14Hz), 6.60(1H, t, J=72Hz), 6.85−7.80(12H, m), 8.33(1H, s).【0210】参考例13−フェニル−1−(チオフェン−3−イル)−2−プロペン−1−オン水酸化ナトリウム1.98gを水25mlとエタノール15mlに溶解した中に3−アセチルチオフェン4.83gを滴下した後、氷冷下でベンズアルデヒドを4.06g滴下した。室温で4時間攪拌後、氷水に注ぎ込み、析出した結晶をろ過して集めた。乾燥した後、ジイソプロピルエーテルで洗浄して目的化合物を5.96g得た。【0211】1H−NMR(CDCl3, TMS, δppm):7.20−8.20(10H, m).【0212】参考例23−(フラン−2−イル)−1−フェニル−2−プロペン−1−オンアセトフェノン6.01gをメタノール50mlに溶解した中にフルフラール4.80gを滴下した後、氷冷下で2規定水酸化カリウム水溶液7.5mlを15分間で滴下した。室温で18時間攪拌後、氷水中に注ぎ込み、酢酸エチル200mlで抽出した。有機層を水洗して、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(溶出液クロロホルム)で精製して目的化合物を9.19g得た。【0213】1H−NMR(CDCl3, TMS, δppm):6.48(1H, d−d, J=3Hz, 2Hz), 6.77(1H, d, J=3Hz), 7.20−8.00(5H, m), 8.09(1H, d, J=2Hz).【0214】参考例33−(4−クロロフェニルチオフェン−2−イル)−1−(3−フルオロフェニル)−2−プロペン−1−オン3′−フルオロアセトフェノン4.14gおよび4−クロロ−2−チオフェンカルボキサアルデヒド5.17gをメタノール30mlに溶解後、室温で攪拌下2規定水酸化カリウム水溶液4.5mlを滴下した。室温で2時間攪拌後、氷水中に注ぎ込み、生成した結晶をろ過して集めた。乾燥後、メタノールを用いて再結晶化して目的化合物を4.41g得た。【0215】1H−NMR(CDCl3, TMS, δppm):7.10−7.95(8H, m).【0216】参考例43−(4−クロロチオフェン−2−イル)−1−(3−ジフルオロメトキシフェニル)−2−プロペン−1−オン3′−ヒドロキシアセトフェノン13.62gを10%水酸化ナトリウム水溶液100mlに加えて溶解後、室温で攪拌下、4−クロロ−2−チオフェンカルボキサアルデヒド14.66gを滴下した。室温で2時間攪拌した後、氷水中に注ぎ込み、濃塩酸でpHを4〜5に調整し、生成した結晶をろ過して集めた。得られた結晶を乾燥後、ベンゼンとエタノールの混合溶媒を用いて再結晶化して、3−(4−クロロチオフェン−2−イル)−1−(3−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オンを14.71g得た。3−(4−クロロチオフェン−2−イル)−1−(3−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン7.94gと炭酸カリウム5.80gをジメチルホルムアミド75mlに加え、70−80℃で攪拌下、ジフルオロクロロメタンをボンベから1時間にわたって導入した。冷却後、反応液を氷水中に注ぎ込み、酢酸エチル200mlを加えて抽出した。有機層を水洗して、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(溶出液ヘキサン/酢酸エチル=5/1の混合溶媒)で精製して、目的化合物4.68g得た。【0217】1H−NMR(CDCl3, TMS, δppm):6.62(1H, t, J=73Hz), 7.10−7.90(8H, m).【0218】参考例5N−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドラジンカルボキサミドターシャリーブトキシカルボニルヒドラジン33.0gをジクロロメタン350mlに溶解し、氷冷下で攪拌しながら、4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネート50.8gの塩化メチレン溶液50mlを滴下した。室温でさらに12時間攪拌後、減圧下で溶媒を留去した。残留物にジイソプロピルエーテル200mlを加え、加熱下、攪拌し、冷却後、生成した結晶をろ過して集め、乾燥して2−ターシャリーブトキシカルボニル−N−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドラジンカルボキサミドの白色結晶を78.6g得た。これを400mlのメタノールに溶解し、氷冷下で攪拌しながら塩化水素ガスを5分間吹き込んだ。さらに冷却下で攪拌下、濃塩酸125mlを加えた後、室温で1時間攪拌した。反応液を氷水800mlに注ぎ込み、ついで、10%水酸化ナトリウム水溶液で、pH7になるように中和した。析出した結晶をろ過して集め、乾燥後、ジイソプロピルエーテルで洗浄して、N−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドラジンカルボキサミドの白色結晶を47.4g得た。【0219】1H−NMR(CDCl3+DMSO d−6, TMS, δppm):4.22(2H, bs), 7.12(2H, d, J=8Hz), 7.40(1H, bs), 7.60(2H, d, J=8Hz), 8.80(1H, bs).【0220】上記合成例に従って第2−1〜第2−6表に示す化合物を合成した。【0221】第2−1表【0222】【化33】【0223】【表94】【0224】【表95】【0225】第2−2表【0226】【化34】【0227】【表96】【0228】第2−3表【0229】【化35】【0230】【表97】【0231】第2−4表【0232】【化36】【0233】【表98】【0234】第2−5表【0235】【化37】【0236】【表99】【0237】第2−6表【0238】【化38】【0239】【表100】【0240】〔製剤例〕次に、本発明化合物を有効成分とする有害生物防除剤の製剤例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、以下の製剤例において、「部」は重量部を意味する。【0241】〔製剤例1〕水和剤本発明化合物 ・・・・・・・・・50部ジークライトPFP ・・・・・・・・・43部(カオリン系クレー:ジークライト工業(株)商品名)ソルポール 5050 ・・・・・・・・・ 2部(アニオン性界面活性剤:東邦化学工業(株)商品名)ルノックス 1000 C ・・・・・・・・・ 3部(アニオン性界面活性剤:東邦化学工業(株)商品名)カープレックス#80(固結防止剤)・・・ 2部(ホワイトカーボン:塩野義製薬(株)商品名)以上を均一に混合粉砕して水和剤とする。【0242】〔製剤例2〕乳 剤本発明化合物 ・・・・・・・・・ 3部キシレン ・・・・・・・・・76部イソホロン ・・・・・・・・・15部ソルポール3005X ・・・・・・・・・ 6部(非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との混合物:東邦化学工業(株)商品名)以上を均一に混合して乳剤とする。【0243】〔製剤例3〕フロアブル剤本発明化合物 ・・・・・・・・・35部アグリゾールS−711 ・・・・・・・・・ 8部(非イオン性界面活性剤:花王(株)商品名)ルノックス 1000 C ・・・・・・・・・ 0.5部(アニオン性界面活性剤:東邦化学工業(株)商品名)1%ロドポール水 ・・・・・・・・・20部(増粘剤:ローン・プーラン社商品名)エチレングリコール(凍結防止剤)・・・・ 8部水 ・・・・・・・・・28.5部以上を均一に混合して、フロアブル剤とする。【0244】〔製剤例4〕粒状水和剤(ドライフロアブル剤)本発明化合物 ・・・・・・・・・75部イソバンNo.1 ・・・・・・・・・10部(アニオン性界面活性剤:クラレイソプレンケミカル(株)商品名)バニレックスN ・・・・・・・・・ 5部(アニオン性界面活性剤:山陽国策パルプ(株)商品名)カープレックス#80 ・・・・・・・・・10部(ホワイトカーボン:塩野義製薬(株)商品名)以上を均一に混合微粉砕してドライフロアブル剤とする。【0245】〔製剤例5〕粒 剤本発明化合物 ・・・・・・・・0.1部ベントナイト ・・・・・・・55.0部タルク ・・・・・・・44.9部以上を均一に混合粉砕した後、少量の水を加えて攪拌混合捏和し、押出式造粒機で造粒し、乾燥して粒剤にする。【0246】〔製剤例6〕粉 剤本発明化合物 ・・・・・・・・3.0部カープレックス#80 ・・・・・・・・0.5部(ホワイトカーボン:塩野義製薬(株)商品名)クレー ・・・・・・・・ 95部リン酸ジイソプロピル ・・・・・・・・1.5部以上を均一に混合粉砕して粉剤とする。【0247】使用に際しては上記水和剤、乳剤、フロアブル剤、粒状水和剤は水で50〜20000倍に希釈して有効成分が1ヘクタール(ha) 当たり0.005〜50kgになるように散布する。【0248】〔試験例〕次に、本発明化合物の有害生物防除剤としての有用性について、以下の試験例において具体的に説明する。【0249】試験例1 ツマグロヨコバイに対する殺虫試験明細書に記載された本発明化合物の5%乳剤(化合物によっては25%水和剤を供試)を展着剤の入った水で希釈して、1000ppm 濃度の薬液に調製した。この薬液を1/20,000アールのポットに植えたイネの茎葉に十分量散布した。風乾後、円筒を立て、ツマグロヨコバイの2令幼虫をポット当たり10頭を放虫し、蓋をして25℃恒温室に収容し、6日間経過後の死虫率を下記の計算式から求めた。尚、試験は2区制で行なった。【0250】死虫率(%)= (死虫数/放虫数)×100【0251】その結果、以下の化合物が100%の死虫率を示した。本発明化合物:No.1−1, 1−2, 1−3, 1−5, 1−6, 1−7, 1−8, 1−9, 1−10, 1−11, 1−12, 1−13, 1−14, 1−15, 1−16, 1−18, 1−19, 1−20, 1−22, 1−24, 1−27, 1−29, 1−30, 1−31, 1−32, 1−33, 1−34, 1−36, 1−37, 1−38, 1−39, 1−40, 2−1, 3−1, 3−2, 3−3, 4−1, 5−1, 6−1, 6−2.【0252】試験例2 ハスモンヨトウに対する殺虫試験明細書に記載された本発明化合物の5%乳剤(化合物によっては25%水和剤を供試)を展着剤の入った水で希釈して、1000ppm濃度の薬液に調製し、この薬液中にカンランの葉を約10秒間浸漬し、風乾後シャーレに入れ、この中にハスモンヨトウ2令幼虫をシャーレ当たり10頭を放虫し、孔のあいた蓋をして25℃恒温室に収容し、6日間経過後の死虫率を下記の計算式から求めた。尚、試験は2区制で行なった。【0253】死虫率(%)= (死虫数/放虫数)×100【0254】その結果、以下の化合物が100%の死虫率を示した。本発明化合物:No.1−1, 1−2, 1−3, 1−5, 1−6, 1−7, 1−8, 1−9, 1−10, 1−11, 1−13, 1−14, 1−17, 1−18, 1−19, 1−20, 1−22, 1−24, 1−27, 1−29, 1−30, 1−31, 1−32, 1−33, 1−34, 1−36, 1−37, 1−38, 1−39, 3−1, 3−2, 3−3.【0255】試験例3 ニジュウヤホシテントウに対する殺虫試験明細書に記載された本発明化合物の5%乳剤(化合物によっては25%水和剤を供試)を展着剤の入った水で希釈して、1000ppm濃度の薬液に調製し、この薬液中にトマトの葉を約10秒間浸漬し、風乾後シャーレに入れ、この中にニジュウヤホシテントウ2令幼虫をシャーレ当たり10頭を放虫し、蓋をして25℃恒温室に収容し、6日間経過後の死虫率を下記の計算式から求めた。尚、試験は2区制で行なった。【0256】死虫率(%)= (死虫数/放虫数)×100【0257】その結果、以下の化合物が100%の死虫率を示した。本発明化合物:No.1−1, 1−2, 1−3, 1−4, 1−5, 1−6, 1−7, 1−8, 1−9, 1−10, 1−11, 1−12, 1−13, 1−14, 1−15, 1−16, 1−17, 1−18, 1−19, 1−20, 1−21, 1−22, 1−23, 1−24, 1−25, 1−26, 1−27, 1−28, 1−29, 1−30, 1−31, 1−32, 1−33, 1−34, 1−36, 1−38, 1−39, 1−40, 1−41, 1−42, 1−43, 2−1, 3−1, 3−2, 3−3, 4−1, 5−1, 6−1.【0258】試験例4 キュウリうどんこ病防除効果試験直径7cmのポットで育成した1.5葉期のキュウリ(品種:相模半白)に、本発明化合物乳剤を水で希釈して500ppmに調製した薬液を、スプレーガンを用いポット当たり20ml散布した。散布翌日キュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fulinginea)の胞子懸濁液(3×105 個/ml)を噴霧し、接種した。その後、温室におき、接種10日後に形成された病斑面積の接種葉に占める割合を測定し、下記の式に従い、防除価を算出した。【0259】防除価=〔1−(処理区病斑面積率/無処理区病斑面積率)〕×100【0260】その結果、以下の化合物が防除価100を示した。本発明化合物:No.1−1, 1−3, 1−13, 1−21, 1−22, 1−25, 1−27, 1−29, 1−38.【0261】【発明の効果】本発明化合物は多くの農業害虫、ハダニ類に対して優れた殺虫・殺ダニ活性を有し、かつ多くの植物病害に対して優れた殺菌活性を示す。一方、ホ乳類、魚類及び益虫に対してはほとんど悪影響を及ぼさない。従って、本発明化合物は、有用な有害生物防除剤を提供することができる。 一般式(I)〔式中、Aはフェニル基、チエニル基又はフリル基を示し、いずれもXで任意に置換されていてもよい。Bはフェニル基、チエニル基又はフリル基を示し、いずれもYで任意に置換されていてもよい(ただし、A及びBが同時に置換基を有していてよいフェニル基である場合を除く。)。Wは酸素原子またはイオウ原子を示す。X、Y、Zは各々独立してハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、SCN基、トリメチルシリル基、R9 、OR9、S(O)pR9基、OS(O)2R9基、OC(O)R9基、C(O)R9基、CO2R9基、C(O)N(R9)R10基、SO2N(R9)R10基、NHC(O)R9基、N(R9)R10基、隣あった炭素原子間で形成する−CH=CH−CH=CH−基、−OCH2O−基、−OCH2CH2O−基、−OCF2O−基、−OCF2CF2O−基または−OCF2CF2−基を示す。R1、R2は各々独立して水素原子、R5、R5によって置換されていてもよいC1〜C6アルキル基または(R5)qによって置換されていてもよいフェニル基を示す。R3、R4は各々独立して水素原子、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C1〜C6ハロアルキル基、C2〜C6アルコキシアルキル基、C2〜C6アルキルカルボニル基、C2〜C6アルコキシカルボニル基、C2〜C6ハロアルキルカルボニル基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6ハロアルキルチオ基、R6OC(O)N(R7)S−基、R7(R8)NS−基または(R5)qによって置換されていてもよいベンジル基を示ス。R5はハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6ハロアルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6ハロアルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6ハロアルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルホニル基、C1〜C6ハロアルキルスルホニル基、C2〜C6アルコキシカルボニル基、アミノ基またはジC1〜C6アルキルアミノ基を示す。R6、R7、R8は各々独立してC1〜C6アルキル基、(R5)qによって置換されていてもよいフェニル基または(R5)qによって置換されていてもよいベンジル基を示す。R9はC1〜C6アルキル基、C1〜C6ハロアルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6ハロアルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C2〜C6ハロアルキニル基、C3〜C6シクロアルキル基、C3〜C6ハロシクロアルキル基、C4〜C7シクロアルキルアルキル基、C2〜C6アルコキシアルキル基、C2〜C6アルキルチオアルキル基、C2〜C6アルコキシカルボニルアルキル基、C2〜C6シアノアルキル基、(R5)qによって置換されていてもよいフェニル基、(R5)qによって置換されていてもよいベンジル基または(R5)rによって置換されていてもよいピリジル基を示す。R10は水素原子またはC1〜C6アルキル基を示す。nは1〜5の整数(ただし、nが2〜5の場合Zは同一であっても異なっていてもよい)を示す。pは0〜2の整数を示す。qは0〜5の整数(ただし、qが2〜5の場合R5は同一であっても異なっていてもよい)を示す。rは0〜4の整数(ただし、rが2〜4の場合R5は同一であっても異なっていてもよい)を示す。〕で表わされるセミカルバゾン誘導体。 請求項1記載の化合物であって、Aはフェニル基、チエニル基又はフリル基を示し、いずれも0−2個のXで任意に置換されていてもよい。Bはフェニル基、チエニル基又はフリル基を示し、いずれも0−2個のYで任意に置換されていてもよい(ただし、A及びBが同時に置換基を有していてよいフェニル基である場合を除く。)。Wは酸素原子を示す。Xは、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、C1〜C6ハロアルキル基、C1〜C6ハロアルコキシ基、C1〜C6ハロアルキルチオ基またはC1〜C6ハロアルキルスルホニルオキシ基を示す。Yは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6ハロアルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6ハロアルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6ハロアルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルホニル基、C1〜C6ハロアルキルスルホニル基、C1〜C6ハロアルキルスルホニルオキシ基、隣あった炭素原子間で形成する−OCF2O−基または−OCF2CF2O−基を示す。Zは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C1〜C6ハロアルキル基、C1〜C6ハロアルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6ハロアルキルチオ基、C1〜C6アルキルスルフィニル基、C1〜C6ハロアルキルスルフィニル基、C1〜C6アルキルスルホニル基、C1〜C6ハロアルキルスルホニル基、C1〜C6アルキルスルホニルオキシ基、C1〜C6ハロアルキルスルホニルオキシ基、隣あった炭素原子間で形成する−OCF2O−基、−OCF2CF2O−基または−OCF2CF2−基を示す。R1、R2、R3、R4は各々独立して水素原子またはC1〜C6アルキル基を示す。nは1〜3の整数を示すセミカルバゾン誘導体。 請求項1記載のセミカルバゾン誘導体の1種または2種以上を有効成分として含有する殺虫・殺ダニ剤。 請求項2記載のセミカルバゾン誘導体の1種または2種以上を有効成分として含有する殺虫・殺ダニ剤。 請求項1記載のセミカルバゾン誘導体の1種または2種以上を有効成分として含有する殺菌剤。 請求項2記載のセミカルバゾン誘導体の1種または2種以上を有効成分として含有する殺菌剤。


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