タイトル: | 特許公報(B2)_ショ糖脂肪酸エステルの製造方法 |
出願番号: | 1994003616 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,C07H13/06 |
小山 恭章 川田 重富 加曽利 行雄 JP 3617064 特許公報(B2) 20041119 1994003616 19940118 ショ糖脂肪酸エステルの製造方法 三菱化学株式会社 000005968 長谷川 曉司 100103997 小山 恭章 川田 重富 加曽利 行雄 20050202 7 C07H13/06 JP C07H13/06 7 C07H 13/06 BIOSIS(DIALOG) CA(STN) WPI(DIALOG) PubMed REGISTRY(STN) 特開平04−257598(JP,A) 特開平03−275102(JP,A) 特開平05−279373(JP,A) 4 1995206889 19950808 7 20000717 加藤 浩 【0001】【産業上の利用分野】本発明は、ショ糖脂肪酸エステル(以下、SEと略記する。)の製造方法に存する。更に詳しくは、本発明は溶媒法によって製造したSEを含む反応混合物から、高純度のSEを工業的有利に、且つ安定的に取得するための工業的な精製方法を提供するものである。【0002】【従来の技術】SEは優れた界面活性能、良好な生分解性および安全性を兼備しているので、従来、食品、化粧品、医薬品、台所用洗剤、飼料、樹脂などの添加剤として、また化学工業においては、例えば重合反応、酸化反応などの、反応助剤として用いられており、極めて有用な化合物である。【0003】SEの製造方法としては、N,N−ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略記する。)等の反応溶媒中で、アルカリ触媒の存在下、ショ糖と脂肪酸メチルのような脂肪酸エステルとのエステル交換反応による方法(特公昭35−13102)等が知られている。【0004】上記方法によって得られた反応混合物は、SEの他に反応溶媒、未反応ショ糖およびアルカリ触媒などを含有している。この混合物からSEを分離するには、通常、ヘキサン、ブチルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、のような有機溶媒および水を用いて液液抽出し、主としてSEを有機溶媒相に、未反応ショ糖、反応溶媒を水相にそれぞれ移行させる。次いで有機溶媒相と水相を分液し、SEを含有する有機溶媒相から有機溶媒を蒸留等により除去し、SEを回収する方法が提案されている。(特公昭48−21927、特公昭48−35049、特開昭50−29417、50−130712等)【0005】この方法において重要なことは、最終的に得られるSE中に有機溶媒を残留させないことである。しかし、SEを含む有機溶媒溶液から、食品、化粧品、医薬品等の用途に好適な程度にまで有機溶媒含量を低減させたSEを回収することは極めて困難である。【0006】【発明が解決しようとする課題】本発明は、DMSO溶媒中でSEを合成し、得られた反応混合物を液液抽出して得たSEを含む有機溶媒溶液からSEを効率よく分離・回収し、高純度SEを工業的有利に、安定的に製造するための工業的精製方法を提供するものである。【0007】【課題を解決するための手段】本発明者等は、ショ糖と脂肪酸エステルとのエステル化反応をDMSO溶媒中で実施して得られる反応混合物からのSEの分離・取得法について種々検討した結果、水と共沸する炭素数4以上のアルコール又はケトンからなる有機溶媒と水を用いて反応混合物を液液抽出してSEを含む有機溶媒溶液を得、次にこの有機溶媒溶液を蒸留塔上部に、水を蒸留塔下部に供給して、共沸蒸留により有機溶媒を留去してSEの水溶液を得、この水溶液から薄膜蒸発器を用いて水を蒸発させることにより、実質的に有機溶媒を含まない、高純度のSEが安定して回収できることを見出し、本発明を完成させた。【0008】以下、本発明につき詳細に説明する。本発明においてショ糖との反応に用いる脂肪酸アルキルエステルとしては、通常、炭素数6〜30、好ましくは8〜22の飽和または不飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などの飽和脂肪酸;リノール酸、オレイン酸、リノレイン酸、エルカ酸、リシノール酸などの不飽和脂肪酸など)と炭素数1〜4の低級脂肪族アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなど)とのエステルが挙げられる。脂肪酸アルキルエステルは、1種又は任意の割合からなる2種以上の混合物を用いてもよい。脂肪酸アルキルエステルは通常、ショ糖1モルに対して0.1〜20モル使用するが0.2〜8モル使用するのがより好ましい。【0009】反応溶媒としては、熱的安定性、ショ糖に対する溶解性および安全性の点からして、DMSOを用いる。反応溶媒の使用量は、ショ糖と脂肪酸アルキルエステルとの合計量に対して、通常20〜150重量%、好ましくは30〜80重量%である。【0010】反応はアルカリ触媒の存在下に行なうが、反応系は実質的に非水系であるためアルカリ触媒は反応系内に懸濁状態で存在する。アルカリ触媒としては例えば、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、弱酸のアルカリ金属塩等が有効であり、特に炭酸アルカリ金属塩(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなど)が好ましい。これらアルカリ触媒の使用量は通常、脂肪酸アルキルエステルに対して、0.001〜0.1当量である。【0011】反応温度は通常、40〜170℃の範囲の中から採用されるが、特に60〜150℃の範囲が好ましい。反応圧力は通常0.2〜43KPa、好ましくは0.7〜32KPaである。ショ糖と脂肪酸アルキルエステルの反応は反応溶媒の還流下に実施することが望ましい。これにより反応中に副生するアルコールを容易に反応系外に除去することができる。また、反応時間は原料の仕込量や、目的とするSEにより異なるが、通常、1〜10時間程度である。【0012】ショ糖は水酸基を8個有しているので、生成したSEは理論上はモノエステルからオクタエステルまでの混合物であり、原料の使用割合により生成エステルの組成を調製することができる。かくして得られたショ糖と脂肪酸エステルとの反応混合物は、SEの他、反応溶媒のDMSO、未反応原料、アルカリ触媒等を含有している。本発明はこの混合物からSEを高純度で、しかも、高収率で回収しようとするものである。【0013】本発明では先ず、反応混合物につき、抽剤として水と共沸する有機溶媒と水を用いて液液抽出を行ない、反応混合物中のSEを有機溶媒相に抽出し、DMSOや未反応ショ糖等を水相に抽出する。この液液抽出においては、反応混合物中のDMSO濃度が高すぎると、DMSOの水相への移行が不十分となりやすい。従って、反応混合物中のDMSO濃度が高い場合には、予め、その一部を留去して濃度を調整しておくのが好ましい。DMSOの留去は例えば薄膜蒸発器を用いて、減圧下、60〜150℃の温度で実施する。【0014】また、ショ糖と脂肪酸アルキルエステルの反応の末期に、凝縮器から反応容器に還流させるDMSOの一部を系外に抜出することにより、反応混合物中のDMSOの濃度を、先述の範囲に調整することもできる。液液抽出に供する反応混合物中のDMSOの濃度は、10〜80重量%、特に20〜50重量%の範囲にあるのが好ましい。【0015】反応混合物中にはアルカリ触媒が残留しているので、これを中和してから液液抽出を行なうのが好ましい。液液抽出に際して、水相のpHを調整することで、抽出時のSEの加水分解を抑制し、SEの有機溶媒相への効率的な抽出及び有機溶媒相と水相との分液性をより向上させることができる。液液抽出に際しての好適なpHは3〜7.0、特に4〜6.5である。抽出に際してのpHの調整は、予じめ反応混合物に酸を添加して行なっておいてもよく、また反応混合物に酸水溶液と有機溶媒とを一緒に混合することによって行なってもよい。【0016】液液抽出に用いる、水と共沸する有機溶媒としては、炭素数4以上、好ましくは炭素数4〜10のアルコール又はケトンからなるものであり、通常、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルエチルケトン、ジエチルケトンまたはメチルイソブチルケトン等が用いられ、なかでもn−ブタノール、イソブタノールが好ましい。反応混合物に対する有機溶媒の使用量は、反応混合物中のSE1重量部に対して、通常、0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。一方、水の使用割合は、通常、有機溶媒1重量部に対して、水0.05〜10重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。【0017】pH調整のために用いられる酸としては、通常、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、安息香酸、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸および乳酸から選ばれる有機酸であり、好ましくは乳酸およびクエン酸が用いられる。上記有機酸の使用量は、ショ糖と脂肪酸エステルの反応に用いたアルカリ触媒量に対して、通常、0.1〜3.0当量の範囲である。液液抽出時のSEの加水分解、SEの水相側への移行、抽出時の界面形成不良などを抑制する点からは0.5〜1.5の範囲が好ましい。【0018】本発明における反応混合物の液液抽出においては安定操業上、塩析剤の存在下で行なわれることが、より好ましい。塩析剤の種類は任意であるが、pH調整に用いた有機酸の塩が好ましい。SEの食品、医薬品、台所用洗剤、飼料等の添加物としての安全性、安定性および抽出時の界面形成性の点からクエン酸アルカリ塩または乳酸アルカリ塩が好ましい。液液抽出は通常、塩析剤の濃度が50ppm以上の条件下で行なわれるが、安定操業性および経済性の点等から500〜3000ppmの範囲が好ましい。【0019】液液抽出は、ミキサーセトラー抽出器、向流微分型抽出塔、非攪拌式段型抽出塔、攪拌式段型抽出塔等公知の任意の抽出器を用いて行なうことができる。ミキサーセトラー型抽出器が経済性、抽出効率等の点から好ましい。抽出は多段階で行なうのが好ましい。例えばミキサーセトラー型抽出器で第1段階の抽出を行ない、得られたSEを含む有機溶媒溶液を回転円板型抽出塔の下部に供給して上昇させ、塔頂からは水を供給して下降させて、有機溶媒溶液中のDMSOを水相に抽出する。塔頂からはDMSOを殆んど含まない有機溶媒溶液を回収して次の蒸留工程に供給し、塔底からはDMSOを含む水溶液を回収して第1段階のミキサーセトラー抽出器に供給する。【0020】液液抽出により得られた、SEを含有する有機溶媒溶液からのSEの回収は、このSE含有有機溶媒溶液から共沸蒸留により、有機溶媒の大部分を留去してSEの水溶液を得る。蒸留工程と、このSE水溶液から残存する有機溶媒及び水を留去して、SEを回収する薄膜蒸発工程との組合せで行なう。共沸蒸留を行なわずに、例えば減圧条件下でSE含有の有機溶媒溶液を加熱して有機溶媒を留去しようとしても、充分に留去することが難しく、純度の高いSEが得難い。【0021】共沸蒸留によりSE含有有機溶媒溶液から有機溶媒を留去し、SE水溶液を得るには、蒸留塔の下部から水を供給し、蒸留塔の上部から有機溶媒溶液を供給しつつ蒸留を行なう。有機溶媒は塔下部から上昇してくる水蒸気により共沸混合物を形成して塔頂から留出し、塔下部からは有機溶媒濃度の低減したSEの水溶液が回収される。【0022】蒸留塔に供給する水の量は、供給する有機溶媒溶液に対して通常0.1〜10重量倍の範囲であるが、0.1〜5重量倍の範囲で用いるのが好ましい。蒸留塔としては、通常、段塔及び充填塔が使用される。SEの発泡及び経済性などの点から充填塔が好ましい。上記の蒸留工程により得られたSE水溶液は、次いで薄膜蒸発工程で残存する有機溶媒を実質的に完全に除去してSEを取得する。この工程は薄膜蒸発器を用いて行なう。薄膜蒸発器は、通常、上昇薄膜型、流下薄膜型、水平薄膜型、及び上記各種型と加熱管内で回転羽根を回転させる形式のもの等を用いる。好ましくは、流下薄膜型と加熱管内で回転羽根を回転させる形式を組み合わせた形式の薄膜蒸発器を用いる。【0023】薄膜蒸発器による処理の回数は任意であるが、通常は2基以上の薄膜蒸発器を直列に接続した装置を用い、複数回の処理過程を経るようにするのが有利である。このようにすることにより、処理条件を水溶液の状態に適合させることができる。処理は減圧下に行なうのが好ましい。通常は1〜100KPaの圧力下に40〜150℃で処理するが、5〜70KPaの圧力下に70〜120℃で処理するのが更に好ましい。この工程で、SE水溶液中に微量混入している有機溶媒は実質的に完全に除去される。若し、SE水溶液中の有機溶媒量が多い場合には、SE水溶液に水を添加して薄膜蒸発器にかけ、有機溶媒の留去を促進するのが好ましい。【0024】【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて詳述するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において部及び%は重量基準である。【0025】実施例1SEの合成反応器にショ糖とDMSOを仕込み、減圧下に加熱してDMSOを沸騰させた。蒸気の一部を系外に留出させて系内の水を除去し、系内の液の含水量が約0.06%となった時点で蒸気の留出を中止した。次いで反応器にパルミチン酸メチルと触媒の無水炭酸カリウムを加え、減圧下にDMSOを沸騰させながら約90℃で反応させた。ショ糖に対するパルミチン酸メチルのモル比は0.3、パルミチン酸エステルに対する炭酸カリウムのモル比は0.008であった。【0026】反応終了後、アルカリ触媒に対して等量の乳酸を添加して触媒を中和した。この反応混合液から次いでDMSOを留去して濃縮し、DMSO30%、未反応ショ糖45.7%、SE22.3%、その他2%、の組成物とした。【0027】液液抽出上記の組成物をイソブチルアルコール及び水を用いて液液抽出を行ない、イソブチルアルコール60%、水26%及びSE14%を含むイソブチルアルコール溶液を回収した。【0028】イソブチルアルコールの回収充填塔に、その上部から前記で得たイソブチルアルコール溶液を供給し、下部から水を供給して、80℃、55.3KPaの圧力下で共沸蒸留を行なった。塔への供給比率は水1部に対しイソブチルアルコール溶液1.96部とした。塔上部からは、イソブチルアルコール61%及び水39%の留出物を回収した。イソブチルアルコールの回収率は97.7%であった。塔下部より得られたSE水溶液の組成は、水71.5%、SE25%、イソブチルアルコール3.5%であった。【0029】イソブチルアルコールの除去前記で得られたSE水溶液を縦型薄膜蒸発器に水とともに供給し、100℃、10.7KPaの条件下でイソブチルアルコールの除去を行なった。蒸発器へのSE水溶液の供給量は伝熱面積1m2 当り166.5kg/hrとした。また水の供給量はSE水溶液100部に対し10.7部とした。【0030】薄膜蒸発器から流出したSE水溶液の含水率は67%であった。また、この水溶液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、イソブチルアルコールの含有率は50ppmであった。このSE水溶液を再度縦型薄膜蒸発器に126.1kg/m2 、hrで供給し、100℃、10.7KPaの条件下でイソブチルアルコールの除去を行なった。蒸発器から流出した溶液の組成はSE51%、水49%であり、イソブチルアルコールはFDP検出器を用いたガスクロマトグラフィーによる分析では検出されなかった(ガスクロマトグラフィーの検出下限は20ppm)。【0031】SE水溶液の脱水前記にて得られたSE水溶液を58.3kg/m2 、hrで横型薄膜蒸発器に供給し100℃、10.7KPaの条件下で処理した。横型薄膜蒸発器から流出したSE中の水分は0.62重量%で、イソブチルアルコール及びDMSOはガスクロマトグラフィーによる分析では検出されなかった(ガスクロマトグラフィーによるDMSOの検出下限は1ppm)。【0032】比較例1実施例1の液液抽出により得られたイソブチルアルコール溶液300gをロータリーエバポレーター用の内容積1Lの丸底フラスコに入れ、温度60℃の条件下、2時間かけて圧力を大気圧から1.3KPaまで減圧し、次いで2時間かけて温度を90℃まで昇温させ、圧力を0.67KPaに減圧して、イソブチルアルコールの除去を行った。途中、フラスコ内の発泡が激しく、圧力を微妙に調節してフラスコ内容物の流出を防いだ。その後、温度を90℃、圧力を0.13KPaとして2時間保持し、室温まで冷却して内容物を取り出し、イソブチルアルコール濃度を実施例1と同様の方法で測定したところ、250ppmであった。【0033】比較例2比較例1で温度90℃、圧力0.13KPaに到達した後、一旦、圧力を大気圧にしてから水を100g添加して、温度を90℃のまま、2時間かけて圧力を大気圧から0.67KPaまで減圧した。フラスコ内の発泡は比較例1と同様に激しく、圧力調節を行い流出を防いだ。次いで90℃、0.13KPaとし、2時間保持した後、室温まで冷却して内容物を取り出し、イソブチルアルコール濃度を実施例1と同様の方法で測定したところ、110ppmであった。【0034】【発明の効果】本発明によれば、DMSO溶媒法でSEを製造し、得られた反応混合物を液液抽出し、有機溶媒相からSEを効率よく回収する、高純度SEの工業的製造方法を提供する。この方法によって、食品、化粧品および医薬品等の添加物として極めて有用な高純度のSEを製造できる。 アルカリ触媒の存在下、ジメチルスルホキシドを反応溶媒としてショ糖と脂肪酸アルキルエステルとを反応させるショ糖脂肪酸エステルの製造方法において、水と共沸する炭素数4以上のアルコール又はケトンから成る有機溶媒及び水を抽剤として用いて反応混合物を液液抽出し、反応混合物中のショ糖脂肪酸エステルを有機溶媒相に、ジメチルスルホキシド及びショ糖を水相に抽出する抽出工程、抽出工程で得られたショ糖脂肪酸エステルを含む有機溶媒相を蒸留塔の上部から供給し、水を蒸留塔の下部から供給して蒸留し、有機溶媒の大部分を留去して有機溶媒濃度の低減したショ糖脂肪酸エステル水溶液を取得する蒸留工程、及びこのショ糖脂肪酸エステル水溶液を少なくとも2基の薄膜蒸発器を順次経由させて有機溶媒及び水を蒸発除去し製品のショ糖脂肪酸エステルを取得する薄膜蒸発工程の各工程を経ることを特徴とする方法。 蒸留塔への供給を、上部から供給する有機溶媒溶液1重量部に対して下部から供給する水0.1〜5重量部の比率で行うことを特徴とする請求項1記載の方法。 薄膜蒸発工程が、蒸留工程で得られたショ糖脂肪酸エステル水溶液を縦型薄膜蒸発器で処理して有機溶媒濃度の更に低減したショ糖脂肪酸エステル水溶液を取得する前工程と、このショ糖脂肪酸エステル水溶液を横型薄膜蒸発器で脱水して製品のショ糖脂肪酸エステルとする後工程とから成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。 薄膜蒸発工程を5〜70kPaの圧力下に70〜120℃で行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。