タイトル: | 特許公報(B2)_アルドース構造を有する化合物をケトース構造を有する化合物へ異性化する方法及び異性化或いはその促進剤 |
出願番号: | 1993351118 |
年次: | 2004 |
IPC分類: | 7,C07H3/02,C07F7/30,C07H3/04,C07H3/06 |
佐藤 克行 秋葉 光雄 柿本 紀博 JP 3542041 特許公報(B2) 20040409 1993351118 19931228 アルドース構造を有する化合物をケトース構造を有する化合物へ異性化する方法及び異性化或いはその促進剤 株式会社浅井ゲルマニウム研究所 391001860 小林 雅人 100091247 吉村 直樹 100091258 佐藤 克行 秋葉 光雄 柿本 紀博 20040714 7 C07H3/02 C07F7/30 C07H3/04 C07H3/06 JP C07H3/02 C07F7/30 C C07H3/04 C07H3/06 7 C07H 3/02 C07H 3/04 C07H 3/06 CA(STN) 特開平7−61989(JP,A) 17 1995196678 19950801 11 20001110 弘實 謙二 【0001】【産業上の利用分野】本発明は、アルドース構造を有する化合物をケトース構造を有する化合物へ異性化する方法及びこの異性化に際し使用される異性化剤或いは異性化の促進剤に関するものである。【0002】【従来の技術】エネルギー源等として生物にとって非常に重要であり、且つ、地球上に最も多く存在する有機化合物である炭水化物については、単糖類を主な構成要素としていることが知られており、これら単糖類は、代表的には炭素数3乃至8の炭素原子が環状に連なった構造を有していて、構造的に2種類に大別される。【0003】即ち、アルデヒドの糖類であるアルドースと、ケトンの糖類であるケトースとに分類することができるのであり、アルドース及びケトースのそれぞれが、前記炭素原子の数によってトリオース、テトロース、ペントース及びヘキソースのように分類されている。そして、上記単糖類の反応については種々のものが知られているが、工業的に実施されている反応としては、アルドヘキソースであるグルコース(ブドウ糖)を対応するケトヘキソースであるフルクトース(果糖)へ異性化し、異性化糖を製造する反応を挙げることができる。【0004】上記異性化糖とは、グルコースの一部を異性化して得られるフルクトースと、原料であるグルコースとの混合物であり、甘味の少ないグルコースを甘味の強いフルクトースへ一部変換し、砂糖(ショ糖)に近い甘味を持たせたものである。【0005】上記異性化糖は、その成分であるフルクトースが低温であるほど甘味が強いため、その消費量全体の約70%が清涼飲料等の飲料に添加され、それ以外は食品全般に利用されており、その生産量は全世界で年間約800万トンである。【0006】上記グルコースとフルクトースは、共に構造が近似したヘキソースであり、古くからさまざまな方法による異性化が提案されてきたが、現在では、異性化酵素(グルコースイソメラーゼ)を用いてグルコースの一部をフルクトースに異性化することにより異性化糖を製造することが工業的に行われている。【0007】即ち、トウモロコシデンプン等のデンプンを液化し、グルコアミラーゼで糖化した糖液を、例えばストレプトマイセス属等の菌種に属する菌が生産する異性化酵素を各種の方法で固定化した固定化酵素中を連続的に通過させ、グルコースをフルクトースに異性化しているのである。【0008】そして、上記異性化は、平衡点が1付近に存在する平衡反応であり、平衡到達時において、約60℃の反応温度でグルコースの約50%をフルクトースへ異性化することができるのであるが、この程度まで異性化を進めるには相当長時間を要し、この長時間の加熱のために反応液が着色してしまい、市販するための精製、濃縮工程でのコストを上昇させてしまうため、フルクトースの含有量が約42%程度にまで異性化が進行した段階で反応を終了させている。【0009】既に述べたように、異性化糖は、大量・安価に生産が可能なグルコースに砂糖に近い甘味を持たせることを目的として生産されているのであるが、砂糖の甘味を100とした場合、上記説明したフルクトースを約42%含有する異性化糖(以下、42%異性化糖のようにも表す)の甘味は95〜100であって若干不足しているため、上記異性化反応のみでは、砂糖の甘味を有する異性化糖を直接に得ることは不可能である。【0010】そこで現在では、42%異性化糖中のフルクトースの含有量を55%まで高め、甘味を100〜110とした55%異性化糖が工業的に生産されている。【0011】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記42%異性化糖を55%異性化糖とするには、陽イオン交換樹脂を充填した反応塔のような大掛かりな設備を必要とするばかりか、前記反応塔を利用した連続的糖分離をすることによってまずフルクトース含量約95%のフルクトース液を得、次いでこのフルクトース液と前記42%異性化糖を混合するというように、操作も煩雑であるという難点がある。【0012】一方、アルドース構造を有する他の化合物をケトース構造を有する化合物への異性化としては、例えば、二糖類に属するラクトースのラクツロースへの異性化を挙げることができるが、上記グルコースの場合と異なり、ラクトースをラクツロースへ異性化する酵素が現在まで発見されていないので、ラクトースに対して所定濃度以下となるように水酸化ナトリウムを加え、この混合液を70℃以上の温度に加熱する方法(特公昭52−2984号公報参照)によりラクツロースへの異性化が行われている。ところが、この方法では、異性化率、つまりラクツロースの生成率が20%以下と上記フルクトースの生成率より低く、高濃度でラクツロースを含有するシロップとするためには、やはり得られるラクツロース液を濃縮しなければならないという難点がある。【0013】本発明は、上述した従来技術の難点を解消し、アルドース構造を有する化合物を、高い異性化率で、特別の設備や煩雑な操作を必要とせずにケトース構造を有する化合物に異性化することのできる方法、及び、その際に使用する異性化或いはその促進剤を提供することを目的としてなされた。【0014】【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明が採用したアルドース構造を有する化合物をケトース構造を有する化合物へ異性化する方法の構成は、式(1)【化7】又は式(2)【化8】(式中、R1及びR2は水素原子又は同一或いは異なる低級アルキル基を、Xは水酸基、低級アルキル基又はO−低級アルキル基を、nは3以上の整数をそれぞれ示す)で表される有機ゲルマニウム化合物により、或いはその存在下に、アルドース構造を有する化合物をケトース構造を有する化合物へ異性化することを特徴とするものであり、又、上記目的を達成するために本発明が採用したグルコースの異性化剤の構成は、上記有機ゲルマニウム化合物を主剤とすることを特徴とするものである。【0015】以下に本発明を詳細に説明する。【0016】本発明においては、上述のようにアルドース構造を有する化合物のケトース構造を有する化合物への異性化は、前記式で表される有機ゲルマニウム化合物により、或いはその存在下に行うものであるので、まずこのような有機ゲルマニウム化合物について説明する。【0017】即ち、上記有機ゲルマニウム化合物は、すでに公知のものであって(例えば、特公昭57−53800号公報、特公昭59−36997号公報、特公昭59−36998号公報等参照)、例えば特公昭59−18399号公報に記載の方法により製造することができる。【0018】具体的には、二酸化ゲルマニウムをハロゲン化水素酸中で次亜リン酸又はその塩で処理して得られたハロゲルマニウムリン酸コンプレックスを、式【化9】で示される化合物と反応させて、式【化10】(式中、Xはハロゲン原子である。)で示される化合物を得、さらにこの化合物をアセトン又は水と混合する他の有機溶媒に溶解し、そしてこの溶液に水を添加することによって有機ゲルマニウム化合物を得るのである。【0019】上記式(1)及び(2)におけるR1及びR2は、水素原子又は同一或いは異なるメチル基、エチル基、プロピル基等の低級アルキル基を、Xは水酸基、R1及びR2と同様の低級アルキル基又はO−低級アルキル基を、nは3以上の整数をそれぞれ示しており、従って、本発明で使用する有機ゲルマニウム化合物としては、以下の表1に示すような化合物(3)乃至(5)を例示することができる。【表1】【0020】上記の有機ゲルマニウム化合物に代表される本発明で使用する有機ゲルマニウム化合物については、核磁気共鳴吸収(NMR)スペクトルや赤外線吸収(IR)スペクトル等の機器分析を行い、その結果を前記文献記載の値と比較することにより、これらの化合物が前記一般式で示されるものであることを確認した。尚、この有機ゲルマニウム化合物については、上記式(1)の方がその構造をより正しく表わしていると考えられる。【0021】而して、本発明は、すでに説明したように前記式(1)又は(2)で表される有機ゲルマニウム化合物により或いはその存在下に、アルドース構造を有する化合物をケトース構造を有する化合物へ異性化するものであるが、異性化の対象となる化合物は、Fischer投影法で示すアルドース構造【化11】を当該化合物中に有し、反応式【化12】で示すように、シス−エンジオール構造を中間的に経由し、Fischer投影法で示すケトース構造【化13】を有する化合物へと異性化されるものであればよい。【0022】まず、上記アルドース構造を有する化合物としては、単糖類又はその誘導体を挙げることができ、以下の左に記載する化合物が右に記載した化合物へと異性化される。グリセルアルデヒド→ジヒドロキシアセトンエリトロース、トレオース→エリトルロースリボース、アラビノース→リブロースキシロース、リキソース→キシルロースアロース、アルトロース→プシコースグルコース、マンノース→フルクトースグロース、イドース→ソルボースガラクトース、タロース→タガトース【0023】又、上記アルドース構造を有する化合物として還元性二糖類又はその誘導体を挙げることができ、上記と同様に、以下の左に記載する化合物が右に記載した化合物へと異性化される。マルトース→マルツロースラクトース→ラクツロース【0024】更に、上記アルドース構造を有する三糖類以上のオリゴ糖乃至多糖類又はその誘導体を異性化することもできるが、その場合は末端にアルドース構造を有しているものが対象となる。尚、上記化合物中、例えばマルトースやラクトースについては、対応するケトース構造を有する化合物へ異性化する酵素が現在まで発見されていない。【0025】上記ケトース構造を有する化合物中、ラクツロースについては、高アンモニア血症に伴う精神神経障害や手指の振戦等の改善に臨床投与されている。【0026】尚、上記アルドース構造を有する化合物を異性化するには、異性化酵素を使用しなくとも、又、異性化酵素を併用してもよいが、異性化酵素を使用しない場合の条件としては、従来より行われている異性化酵素を使用したグルコースのフルクトースへの異性化方法と同様、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カルシウム等のアルカリを添加した状態で、常温乃至60乃至90℃の温度で行えばよく、又、弱電解水製造装置で水を分極させることにより得られる電解水のうちのアルカリ側のものを使用することも好ましい。【0027】又、異性化する際の濃度としては、異性化のための時間及び目的とする異性化率等により決定されるもので、特に限定されることはないが、例えば、アルドース構造を有する化合物の10重量%乃至飽和溶液に、前記有機ゲルマニウム化合物を1重量%程度以上使用すればよい。【0028】本発明方法による異性化は、概ね反応時間に応じて異性化率が上昇するので、反応の時間を調節することにより異性化率を制御し、所望の異性化率に達成するまで異性化を行うことができる。【0029】本発明の異性化方法では、従来から行われていた異性化酵素によるグルコースのフルクトースへの異性化の様に、異性化酵素を併用することもできる。【0030】即ち、上記グルコースのフルクトースへの異性化を例にとって説明すれば、まず、トウモロコシデンプン等のデンプンをバシラス(Bacillus)属のα−アミラーゼ等で液化した後、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)のグルコアミラーゼ等で糖化して糖液を得るのである。尚、この糖液のグルコース含有量は約93〜95%の範囲となっている。又、糖化の際、デンプンのα−1,6−グルコシド結合を切断する酵素であるプルラナーゼを併用してもよく、このようにした場合は糖液中のグルコースの含有量は約96%となる。【0031】上記糖液は、必要に応じ精製、濃縮された後、必要に応じ異性化酵素が要求するマグネシウム、マンガン又はコバルトの金属イオンが添加される。尚、食品衛生上の見知からは、この金属イオンとしてはマグネシウムイオンが好ましい。【0032】次いで、上記糖液を異性化工程に付すのであるが、この際に使用される異性化酵素としては、グルコースをフルクトースへと異性化することができるものであればよく、例えば、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、バシルス(Bacillus)属、アースロバクター(Arthrobacter)属、ミクロバクテリウム(Microbacterium)属等の異性化酵素生産菌によるものである。具体的には、Lactobacillus brevisBacillus coagulansBrevibacterium pentosoaminoacidicumArthrobactor sp.Actinoplanes missouriensisStreptomyces pheochromogenesStreptomyces rubiginosusStreptomyces albus NRRL-5778Streptomyces griseofuscus等を例示することができる。【0033】そして、上記化合物により例示される有機ゲルマニウム化合物により或いはそのの存在下、前記糖液に前記異性化酵素を作用させ、該糖液中のグルコースをフルクトースに異性化する。この工程は、前記糖液に有機ゲルマニウム化合物及び異性化酵素を混合した溶液中で行ってもよいが、従来方法に倣い、異性化酵素を各種の方法で固定化した固定化酵素を使用し、有機ゲルマニウム化合物を含有する糖液をこの固定化酵素中を連続的に通過させるようにすることもできる。尚、本発明では異性化酵素以外の菌体蛋白質を失活させた菌体をそのまま使用することを妨げない。【0034】又、本発明によるグルコースのフルクトースへの異性化の際の条件としては、従来公知の方法と同様、例えば、中性から弱アルカリ性で、60乃至90℃の温度で行えばよい。【0035】更に、本発明によるグルコースのフルクトースへの異性化は、以下に説明する実施例に明らかなように、反応時間の経過と共に異性化率が上昇するので、反応の時間を調節することにより異性化率を制御し、所望の異性化率、例えば、フルクトースへの異性化率が約55%以上に到達するまで異性化を行うこともできる。【0036】尚、本発明における有機ゲルマニウム化合物の使用量は、目的とする異性化率等に応じ決定すれば良く、例えば1/100M以上という濃度範囲を挙げることができる。【0037】【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明する。【0038】実施例1(1)有機ゲルマニウム化合物の合成特公昭59−18399号公報記載の方法に倣い、有機ゲルマニウム化合物(3)乃至(5)を合成した。【0039】(2)基質溶液の調製40%グルコース−1.2M有機ゲルマニウム化合物液を以下の手順で調製した。0.8gの無水グルコースを0.8mlの脱イオン水に加え溶解し、この溶液に有機ゲルマニウム化合物(3)乃至(5)を、ゲルマニウムのモル数で1.2Mとなるように、液のpHを微アルカリ側に保ちながら小量ずつ添加し、完全に溶解した。次に、4.9mgの硫酸マグネシウムを加え、液のpHを8.0に調整した後、脱イオン水で全量を2.0mlにした。【0040】(3)酵素の調製放線菌Streptomyces griseofuscus S−41の菌体より抽出した異性化酵素(グルコースイソメラーゼ)を、既知の方法に従って、イオン交換カラムやゲル濾過カラム等を用い、電気泳動的に単一バンドになるまで精製し、標品として用いた。【0041】(4)酵素異性化反応上記基質溶液0.7ml、200mM MOPS緩衝液(pH8.0)0.1ml、酵素液(5.69mg/ml)0.2mlを小試験管にとり、60℃の恒温槽中で反応させ、反応液50μlを一定時間ごとに、予め50μlの0.5N過塩素酸を入れたマイクロバイアル中に加え、反応を停止させた。停止液中の生成フルクトース量を高速液体クロマトグラフィー(島津LC7A、SCR−101(N)カラム)で定量し、グルコースとフルクトース間の異性化率の経時変化を調べた。【0042】(5)結果平衡時の異性化率は、有機ゲルマニウム化合物(3)を使用した場合で91.3%、同(4)を使用した場合で96.6%、同(5)を使用した場合で93.8%であった。尚、表2に示した化合物以外の化合物も、ほぼ同様の異性化率を示した。一方、酵素のみを使用したブランクでは、異性化率は42.0%であった。【0043】実施例2(1)弱電解水の調製弱電解水製造装置(例えば、旭硝子社製「ミクロクラスター」[商品名])に水を通して得られる電解水のうち、アルカリ側のものを取り出し、弱電解水を調製した。【0044】(2)グルコース液の調製14gの無水グルコースを上記調製した弱電解水約80mlに溶解した後、同じく弱電解水を加えて100mlとした。調製直後のpHは9.01であった。【0045】(3)有機ゲルマニウム化合物液の調製有機ゲルマニウム化合物(3)乃至(5)を、最終濃度が1.67Mとなるように脱イオン水約2mlに添加し、小量の水酸化ナトリウムで弱アルカリ性(pH=8.00、8.53)に調整した後、更に脱イオン水を加えて3mlとした。【0046】(4)異性化グルコース液200μlと有機ゲルマニウム化合物液200μl、及び、グルコース液200μlと上記弱電解水200μlを小試験管に採ってよく混合した後、80℃の恒温水槽内に保って反応させた。1乃至3時間後、反応液50μlを50μlの0.5N−HClO4に加えて反応を停止させた後、脱イオン水で100倍に希釈し、生成フルクトース量及び残存グルコース量を高速液体クロマトグラフィー(島津製7A)で定量した。又、有機ゲルマニウム化合物を使用しない系をブランクとした。【0047】(5)他の糖類の異性化上記と同様にして、他の糖類についても異性化を行った。【0048】(6)結果を以下の表2に示す。尚、表2に示した化合物以外の化合物も、ほぼ同様の異性化率を示した。【表2】【0049】【発明の効果】上記実施例からも明らかなように、本発明は、従来技術の難点を解消し、アルドース構造を有する化合物をケトース構造を有する化合物に異性化することができ、しかも、特別の設備や煩雑な操作を必要としない。【0050】又、本発明は、アルドース構造を有する化合物を、異性化酵素を使用せず或いは異性化酵素を併用して、ケトース構造を有する化合物に異性化することのでき、ケトース構造へ異性化することのできる異性化酵素が存在しないアルドース構造を有する化合物であっても、異性化率の面で不利なアルカリ条件下の加熱という条件によることなく、ケトース構造を有する化合物に異性化することができる。【0051】更に、上記方法を実施する際に有用な本発明の異性化或いはその促進剤は、極めて安全であり、且つ、安定性に優れたものである。 式(1)又は式(2)(式中、R1及びR2は水素原子又は同一或いは異なる低級アルキル基を、Xは水酸基、低級アルキル基又はO−低級アルキル基を、nは3以上の整数をそれぞれ示す)で表される有機ゲルマニウム化合物により、アルドース構造を有する化合物をケトース構造を有する化合物へ異性化することを特徴とする方法。 式(1)又は式(2)(式中、R1及びR2は水素原子又は同一或いは異なる低級アルキル基を、Xは水酸基、低級アルキル基又はO−低級アルキル基を、nは3以上の整数をそれぞれ示す)で表される有機ゲルマニウム化合物の存在下、アルドース構造を有する化合物をケトース構造を有する化合物へ異性化することを特徴とする方法。 有機ゲルマニウム化合物が、上記式(1)で表わされるものである請求項1又は2に記載の方法。 有機ゲルマニウム化合物が、上記式(1)又は式(2)においてR1及びR2が水素原子、Xが水酸基のものである請求項1又は2に記載の方法。 有機ゲルマニウム化合物が、上記式(1)又は式(2)においてR1が水素原子、R2がメチル基、Xが水酸基のものである請求項1又は2に記載の方法。 有機ゲルマニウム化合物が、上記式(1)又は式(2)においてR1がメチル基、R2が水素原子、Xが水酸基のものである請求項1又は2に記載の方法。 アルドース構造を有する化合物のケトース構造を有する化合物への異性化は、アルドース構造を有する化合物のケトース構造を有する化合物へ異性化する酵素を存在させることなく行う請求項1又は2に記載の方法。 アルドース構造を有する化合物をケトース構造を有する化合物に異性化する酵素が存在する場合は、当該酵素を併用して行う請求項1又は2に記載の方法。 アルドース構造を有する化合物は、シス−エンジオール構造を中間的に経由してケトース構造を有する化合物に異性化するものである請求項1又は2に記載の方法。 アルドース構造を有する化合物が単糖類である請求項1又は2に記載の方法。 アルドース構造を有する化合物が二糖類である請求項1又は2に記載の方法。 アルドース構造を有する化合物がオリゴ糖類又は多糖類である請求項1又は2に記載の方法。 式(1)又は式(2)(式中、R1及びR2は水素原子又は同一或いは異なる低級アルキル基を、Xは水酸基、低級アルキル基又はO−低級アルキル基を、nは3以上の整数をそれぞれ示す)表わされる有機ゲルマニウム化合物を主剤とすることを特徴とするアルドース構造を有する化合物のケトース構造を有する化合物への異性化或いはその促進剤。 有機ゲルマニウム化合物が、上記式(1)で表わされるものである請求項13に記載の異性化或いはその促進剤。 有機ゲルマニウム化合物が、上記式(1)又は式(2)においてR1及びR2が水素原子、Xが水酸基のものである請求項13に記載の異性化或いはその促進剤。 有機ゲルマニウム化合物が、上記式(1)又は式(2)においてR1が水素原子、R2がメチル基、Xが水酸基のものである請求項13に記載の異性化或いはその促進剤。 有機ゲルマニウム化合物が、上記式(1)又は式(2)においてR1がメチル基、R2が水素原子、Xが水酸基のものである請求項13に記載の異性化或いはその促進剤。