タイトル: | 特許公報(B2)_光学的特性に優れたビスフェノールAF及びその製造方法 |
出願番号: | 1992315603 |
年次: | 2004 |
IPC分類: | 7,G02B1/04,C07C37/82,C07C37/84,C07C39/367 |
磯田 陽一郎 西口 雅己 松石 和也 東 光廣 JP 3598118 特許公報(B2) 20040917 1992315603 19921102 光学的特性に優れたビスフェノールAF及びその製造方法 本州化学工業株式会社 000243272 飯田 敏三 100076439 磯田 陽一郎 西口 雅己 松石 和也 東 光廣 20041208 7G02B1/04C07C37/82C07C37/84C07C39/367 JPG02B1/04C07C37/82C07C37/84C07C39/367 7 G02B 1/04 C07C 39/367,37/82,37/84 特開平2−4730(JP,A) 特開平2−53747(JP,A) 特開平2−48543(JP,A) 特開昭62−12731(JP,A) 特開昭49−70935(JP,A) 特開平2−67239(JP,A) 特開平4−25527(JP,A) 特開平2−306955(JP,A) 特開平1−238553(JP,A) 3 1994145090 19940524 9 19980827 2001009690 20010608 西川 和子 冨永 保 後藤 圭次 【0001】【産業上の利用分野】本発明は、光学的特性に優れた2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(以下ビスフェノールAFと略記する。)である光学材料及びその製造方法に関する。より詳しくいえば、特に高い光透過性及び熱安定性が要求される光学材料、例えばコンパクトディスクあるいはプラスチック光ファイバのコア材等の原料として好適な光学的特性に優れたビスフェノールAFである光学材料及びその製造方法に関するものである。【0002】【従来の技術】一般的にビスフェノールAFはポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルあるいはエポキシ樹脂等種々の高分子材料の原料モノマーとして、あるいは種々の有機化合物の製造のための中間体として有用である。従来、ビスフェノールAFの製造に関しては、フェノールとヘキサフルオロアセトン(HFA)の反応で得た粗製ビスフェノールAFをアルカリ水溶液あるいはアセトニトリルと水酸化カリウム水溶液の混合液に溶解し、その後中和して未反応のヘキサフルオロアセトン(HFA)を除去する方法が例えば特開平4−54144号および特開平4−54136号にそれぞれ記載されている。また、水性液で再結晶させ、約10%の収率で精製品を得る方法が特開平2−67239号に、さらに水性アルコールもしくはアルカリ水溶液に溶解後ろ過により鉄分を除去した後pH7〜9まで中和する方法が特開平2−53747号に各々記載されている。【0003】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これらの製品ビスフェノールAFは上記のコンパクトディスク、プラスチック光ファイバのコア材などの光学材料には不向きであった。例えばポリカーボネートを製造してもこれはプラスチック光ファイバのコア材としての伝送特性などの光学特性を達成できない。またこれは市販の試薬一級の場合も同様であり、それを用いてポリカーボネートを製造してもやはり上記の満足できる光学特性の水準を達成できかった。すなわち上記の従来のビスフェノールAFは耐熱性、強度などが期待されるエンジニアリング樹脂としての一般的用途については特に問題にならなかったが、高い光学特性が要求される材料の原料としては使用できなかった。一方、処理を行うにも市販品のビスフェノールAFはヘキサン、ヘプタンあるいはオクタン等の脂肪族炭化水素溶剤にはほとんど溶解しないため溶剤として使用できない。またメタノール、アセトン等の極性溶剤はビスフェノールAFをよく溶かすが収率が低く、かつ、純度も上がりにくい。また活性炭で処理しても光学材料として高い光学特性をもつものは得られなかった。そのため、一般的用途としてはあまり問題とならなかったが、例えばコンパクトディスクやプラスチック光ファイバのコア材料等の原料としては使用できるビスフェノールAFの開発が切望されていた。したがって、本発明はこのような光学的用途に好適なビスフェノールAFを提供することを目的とする。さらに本発明は、このようなビスフェノールAFの製造方法を提供することを目的とする。【0004】【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のビスフェノールAFが上記のような光学的用途に使用できないという難点を克服するためビスフェノールAFの性質とそれを用いて得られたポリカーボネート樹脂の光学的特性との関係について検討を重ねた結果、▲1▼ビスフェノールAFの所定波長に対する光透過率が、それを用いて得られるポリカーボネート(それから作成したプラスチック光ファイバ)の光学的特性に大きく影響すること、▲2▼光学特性の優れた光学材料を与えるには紫外領域での吸収を抑制して前記光透過率を80%以上とすることが必要であること、そして▲3▼特定の溶媒中活性白土を用いてビスフェノールAF液を処理することにより、はじめてその光透過率を達成しうることを見い出し、この知見に基づき本発明をなすに至った。【0005】すなわち本発明は、(1)20重量%エタノール溶液である、孔径0.1ミクロンのフィルターでろ過処理した後のろ液が、測定波長400nm、光路長250mmで透過率(以下、単に光透過率という)80%以上を有し、光学的特性に優れ、そして光学用途の高分子物質に用いられることを特徴とするビスフェノールAFである光学材料、(2)ビスフェノールAF液を、下記一般式(I)【0006】【化2】【0007】(式中、R1、R2及びR3は互いに同じでも、異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数1〜12のアルキル基を示す。)で表わされるベンゼン類中で活性白土で処理し、20重量%エタノール溶液である、孔径0.1ミクロンのフィルターでろ過処理した後のろ液が、測定波長400nm、光路長250mmで透過率80%以上を有する光学的特性に優れたビスフェノールAF精製物の製造方法、及び(3)前記活性白土による処理後、水の存在下で再結晶させることを特徴とする(2)項記載のビスフェノールAF精製物の製造方法を提供するものである。【0008】本発明の光学的特性の優れたビスフェノールAF精製物は上記の光透過率が80%以上であり、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上である。この光透過率が80%より低いと例えばポリカーボネートとした場合に赤味を帯び光ファイバ等の光学材料として使用できない。通常、市販のビスフェノールAFは赤味のある白色系粉末であり、液体クロマトグラフィー分析純度が98〜99.3%程度でかつ、上記の、20%エタノール溶液とした場合の光透過率は13〜24%程度である。本発明のビスフェノールAF精製物は、光透過率が上記範囲であるが、不純物含量は低い程良い。純度は通常99.0%以上、好ましくは99.5%以上である。【0009】次に本発明のビスフェノールAF精製物の製造方法について詳述する。本発明では溶剤として前記一般式(I)のベンゼン類を使用するが、好ましくは室温付近で液体状のもの、例えばベンゼン、トルエン、キシレン類、エチルベンゼン、プロピルベンゼン類、ジエチルベンゼン類、エチルトルエン類、ジエチルベンゼン類、トリメチルベンゼン類、ジイソプロピルベンゼン類、ブチルベンゼン類、サイメン類、アミルベンゼン、ジブチルベンゼン類、フェニルオクタン、ドデシルベンゼン等であり、これらのいずれか1種もしくは2種以上を混合して用いられる。特にベンゼン、トルエン、キシレン類等のいずれか1種もしくは2種以上の混合溶剤が好ましい。また、これら溶剤の使用量についても特に制限はないが、少なくとも各種溶剤でビスフェノールAFが十分に溶解する量、すなわち仕込ビスフェノールAFに対し重量比で2〜50倍量が通常用いられる。本発明で使用する活性白土についてはその種類を特に限定するものではなく、通常市販されている粉末状及び粒状のシリカ−アルミナを主成分とする活性白土が用いられる。また形状には制限はないが、粒状活性白土よりは粉末状活性白土の方が好ましい。また、これらの活性白土は1種若しくは2種以上の混合物で使用しても差し支えない。【0010】活性白土の使用量については特に制限はなく、原料ビスフェノールAFの品質に応じて適宜その使用量を増減することができる。通常、市販のビスフェノールAFを原料とする場合にはビスフェノールAFに対し、通常0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%の範囲である。処理温度についても特に制限はないが、通常室温から使用溶剤の還流温度の範囲にするのが好ましい。処理時間も特に制限はなく、その温度、処理効果との関係で適宜に設定しうる。通常0.5〜3時間である。本発明方法の原料としては、前記のような市販ビスフェノールAFを使用できるが、これに限定されるものではない。市販ビスフェノールAFよりもさらに光透過率の低いビスフェノールAFであっても、本発明方法を適用し、本発明の処理を繰り返し実施すれば目的の光学的特性に優れたビスフェノールAFを得ることができる。本発明において、活性白土で処理後ビスフェノールAFを再結晶させるが、これは水を加えることにより行うことができる。再結晶時における水の使用量については特に制限するものではないが、通常、仕込ビスフェノールAFに対し重量比で0.1〜3倍量が好ましい。再結晶時に水が存在しない場合でも本発明の光学的特性に優れたビスフェノールAFは得られるものの、その場合には析出結晶が凝固しやすく、晶析及びろ過操作がやりにくく、かつ、製品の収率が低下しやすい。しかるに、溶剤中に水を存在させるとビスフェノールAFの結晶形(白色針状結晶)及び収率を向上させるのに非常に効果的である。【0011】本発明においては、ビスフェノールAF精製物の光透過率が80%以上であることが必要であるが、純度が高くても必ずしも光透過率の高いものは得られない。このようにビスフェノールAFの光透過率が純度とは必ずしも関係がなく光透過率で示される光学的特性が重要である。試薬ビスフェノールAFでも光透過率が極めて低く光学材料として不向きであるのに対し、活性白土での特定の処理により光透過率80%以上が達成される理由、ビスフェノールAF液の状態についてはまだ定かではないが、従来検出できずに存在していた紫外領域ないしは400nmに吸収を有するごく微量の物質が除去されることによって、ポリカーボネートなどの重合反応中に前記物質が原料中の不純物に作用して着色物質を生成させたり、あるいはそれ自身が重合して着色を起したりすることが防止されていると考えられる。【0012】【実施例】以下実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら制限されるものではない。次に本発明におけるビスフェノールAFの物性の測定方法を述べる。光透過率は、特に光路長が250mmでの測定値は含有不純物はもとより、使用溶剤及び混入した不溶物(ゴミ等)によっても大きく影響を受ける。【0013】本発明に関する透過率は以下に示す測定方法及びその測定値で規定するものである。1)ビスフェノールAFの光透過率サンプルは70〜100℃、10mmHgの減圧条件下で約10時間真空乾燥し、再結晶溶剤等の低沸点物質の含有量を最小限(150ppm以下)とし、このサンプルを純度99.5%以上のエタノールに溶解し、20重量%とした。この溶液を孔径0.1ミクロンのPTFE製メンブランフィルターを通し、微細な不溶物(ゴミ類)を除去した。リファレンスとして孔径0.1ミクロンのPTFE製メンブランフィルターを通した上述の測定したものと同じ純度99.5%以上のエタノール(サンプルを溶解したものと同一品)を用い、エタノール溶液に揺らぎがないように、20分間静置した後、光路長250mmの石英円筒セルを使用し、大型測定室を備えた分光光度計で波長400nmの透過率を測定した。分光光度計:U−3410(日立製作所製)測定室:U−3410用大型試料室/20〜25℃の恒温室(日立製作所製)本発明の液体クロマトグラフィー分析の場合も以下に示す分析条件及びその分析値で規定するものである。透過率測定同様にサンプルは十分乾燥し(70〜100℃、10mmHgの減圧条件下で10時間乾燥)、再結晶溶剤等の低沸点物質の含有量を最小限に(150ppm以下)とし、サンプル調合液の濃度(1g/50mlメタノール)及びサンプル注入量(20μl)を一定としかつ、ビスフェノールAFの標品を使用した絶対検量線を作成し、下記の分析条件で不純物の絶対量を定量した。測定機器:LIQID CHROMATOGRAPH 10 Aシリーズ一式(島津製作所製)カラム:Shimpack CLC−ODS(6mm×150mm)(島津製作所製)オーブン温度:50℃検出器:UV−254nm移動層:メタノール/0.2%酢酸水(V/V)=80/20【0014】2)ポリマーの光線透過率ポリマー5%の塩化メチレン溶液を調製し、孔径0.1μmのフィルターでろ過後ろ液を光路長250mmの石英セルを用いて分光光度計U−3410により400nmにおける光線透過率を測定し、ポリマー1cm当りの光線透過率に換算した。【0015】実施例1撹拌機、温度計及び還流コンデンサーを備えた2リットル容四ツ口フラスコに市販ビスフェノールAF(液体クロマトグラフィー分析純度=99.3%、光透過率(25cmセル/400nm)=24.3%)200g、及びトルエン1200gを仕込み、撹拌しつつ昇温する。ビスフェノールAFが溶解した時点で、粉末状の市販活性白土10gを添加し、還流温度で1.5時間撹拌した後、熱ろ過により白土を除去した。無色透明のろ液に水350gを添加しトルエン約900gを留去し、冷却により結晶を析出させ、室温まで冷却してろ過したケーキにトルエン300g及び水150gを加えて再結晶させた。ろ過乾燥して白色針状結晶の製品167.8gを得た。(収率=83.9%)上記で得たビスフェノールAFは液体クロマトグラフィー純度が99.99%(ただし、溶剤トルエンを除く)、光透過率(25cmセル/400nm)が91.2%、融点(メトラー)162.6℃であった。このものの液体クロマトグラフィーによるチャートを図1に示した。図中ピーク1がビスフェノールAFを示す。さらに、上記で得たビスフェノールAFを原料にして溶液法で得たポリカーボネートは無色透明であった。このポリカーボネートの光透過率は90%と高く、このポリカーボネートをコア材としたプラスチック光ファイバの伝送損失は1100dB/km (660nm:LED)であった。【0016】実施例2粗製ビスフェノールAF(液体クロマトグラフィー分析純度=95.61%)300gをトルエン600gと水300gで再結晶及び乾燥したのち、実施例1に準じて仕込及び処理を行った。2回再結晶後、ろ過乾燥して白色針状結晶180gを得た。上記で得たビスフェノールAFは液体クロマトグラフィー純度が99.98%(ただし、溶剤トルエンを除く)、光透過率(25cmセル/400nm)が90.6%、融点(メトラー)162.3℃であった。【0017】実施例3活性白土の量を20gにした以外は実施例1と同様にして処理し、熱ろ過して得たろ液を再結晶し、ろ過乾燥して白色針状結晶の製品172.5gを得た。(収率=86.2%)上記で得たビスフェノールAFは液体クロマトグラフィー純度が99.99%(ただし、溶剤トルエンを除く)、光透過率(25cmセル/400nm)が91.7%、融点(メトラー)162.5℃であった。このビスフェノールAFを原料にしたポリカーボネートは無色透明であった。【0018】実施例4実施例1に準じた装置に、市販ビスフェノールAF150g、トルエン600g、及び活性白土15gを仕込み、その後実施例1に準じて処理した。2回再結晶後、ろ過乾燥して白色針状結晶の製品110gを得た。(収率73.3%)上記で得たビスフェノールAFは液体クロマトグラフィー純度が99.99%(ただし、溶剤トルエンを除く)、光透過率(25cmセル/400nm)が97.2%、融点(メトラー)162.7℃であった。このビスフェノールAFを原料にしたポリカーボネートは無色透明であった。【0019】実施例5実施例4において溶剤トルエンの代わりにキシレンを使用した以外は実施例4と同様にして処理を行った。2回再結晶後、ろ過乾燥して白色針状結晶の製品108gを得た。(収率72.0%)上記で得たビスフェノールAFは液体クロマトグラフィー純度が99.99%(ただし、溶剤トルエンを除く)、光透過率(25cmセル/400nm)が96.8%、融点(メトラー)162.6℃であった。このビスフェノールAFを原料にしたポリカーボネートは無色透明であった。【0020】実施例6実施例4において溶剤トルエンの代わりにベンゼンを使用した以外は実施例4と同様にして処理を行った。2回再結晶後、ろ過乾燥して白色針状結晶の製品112gを得た。(収率74.7%)上記で得たビスフェノールAFは液体クロマトグラフィー純度が99.99%(ただし、溶剤トルエンを除く)、光透過率(25cmセル/400nm)が96.0%、融点(メトラー)162.5℃であった。このビスフェノールAFを原料にしたポリカーボネートは無色透明であった。【0021】比較例1市販品及び試薬ビスフェノールAFの光透過率(25cmセル/400nm)は各々下記の如くであった。市販ビスフェノールAF:19.2〜24.3%試薬ビスフェノールAF(東京化成社品):13.8%これらの市販品及び試薬を原料としたところポリカーボネートは赤味を帯びており、光学用途には使用できなかった。比較例2還流コンデンサー、温度計、撹拌機及び滴下ろとを備えた2リットル容四ツ口フラスコに市販ビスフェノールAF(液体クロマトグラフィー純度=99.3%、透過率(25cmセル/400nm)=24.3%)100g(0.298mol)を仕込み、室温下に10%NaOH水溶液500g(1.25mol)を添加して均一溶液とする。このピンク色の透明溶液にイオン交換水1200gを添加した後不溶物をろ過により除去した。そのろ液に20%HCl水溶液226g(1.24mol)を滴下し、pH8となるまで中和した。析出したビスフェノールAFの微細結晶をろ過、水洗及び乾燥して赤味のある微紛末製品97gを得た。上記で得た製品の液体クロマトグラフィー純度は99.8%に向上したものの、外観上赤味のある微紛末であり、20%エタノール溶液の光透過率(25cmセル/400nm)は19.6%であった。またこの製品を原料としたところポリカーボネートは赤味を帯びており、光学用途には使用できなかった。【0022】比較例3実施例1において活性白土を使用しない以外は実施例1と同様にして仕込み、かつ2回再結晶を行い、ろ過乾燥したところ赤味のある白色系針状結晶145gを得た。(収率=72.5%)上記で得た製品は液体クロマトグラフィー純度は99.98%(ただし、溶剤トルエンを除く)に向上したものの、光透過率(25cmセル/400nm)が43.2%であった。またこの製品を原料にしたポリカーボネートは赤味を帯びていた。このポリカーボネートの光線透過率は78%と低く、このポリカーボネートをコア材としたプラスチック光ファイバの伝送損失は3000dB/km (660nm:LED)であった。比較例4実施例1で使用した活性白土20gの代わりに活性炭20gを使用した以外は実施例1と同様にして仕込み及び処理を行い、赤味のある白色系針状結晶150gを得た。(収率=75.0%)上記で得た製品は液体クロマトグラフィー純度は99.95%(ただし、溶剤トルエンを除く)に向上したものの、光透過率(25cmセル/400nm)が45.3%であった。またこの製品を原料にしたポリカーボネートは赤味を帯びていた。このポリカーボネートは光学用途には使用できなかった。【0023】【発明の効果】通常、市販品のビスフェノールAFを使用して合成したポリカーボネートは赤味を帯びており、コンパクトディスクやプラスチック光ファイバのコア材等の光学用途としては使用できない。これに対し、本発明の精製物は従来のものとは全く異なる、特定の光透過率を有するビスフェノールAFであり、これを用いて合成した高分子物質、特にポリカーボネートは優れた光学特性を示し、一般的用途はもとより特殊な光学用途としても非常に有用な樹脂材料を与えるという優れた効果を奏する。また本発明方法によれば、市販ビスフェノールAFを原料にしてベンゼン、トルエン、キシレン等のアルキルベンゼン類と活性白土を使用することによって、精製ビスフェノールAF又は上記の光学的特性の優れるビスフェノールAF精製物を高収率で得ることができ、かつその操作も容易であり、工業的に実施する方法として好適である。【図面の簡単な説明】【図1】本発明方法により得られたビスフェノールAFの液体クロマトグラフィーを示す。 20重量%エタノール溶液である、孔径0.1ミクロンのフィルターでろ過処理した後のろ液が、測定波長400nm、光路長250mmで透過率80%以上を有し、光学的特性に優れ、そして光学用途の高分子物質に用いられることを特徴とする2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンである光学材料。 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン液を、下記一般式(I)(式中、R1、R2及びR3は互いに同じでも、異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数1〜12のアルキル基を示す。)で表わされるベンゼン類中で活性白土で処理し、20重量%エタノール溶液である、孔径0.1ミクロンのフィルターでろ過処理した後のろ液が、測定波長400nm、光路長250mmで透過率80%以上を有する光学的特性に優れた2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン精製物の製造方法。 前記の活性白土による処理後、水の存在下で再結晶させることを特徴とする請求項2記載の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン精製物の製造方法。