タイトル: | 特許公報(B2)_レチノール安定配合皮膚外用剤 |
出願番号: | 1992227728 |
年次: | 2004 |
IPC分類: | 7,A61K7/00,A61K7/48,A61K47/10 |
柳田 威 阪本 興彦 JP 3545429 特許公報(B2) 20040416 1992227728 19920713 レチノール安定配合皮膚外用剤 株式会社資生堂 000001959 ▲高▼野 俊彦 100094570 柳田 威 阪本 興彦 20040721 7 A61K7/00 A61K7/48 A61K47/10 JP A61K7/00 H A61K7/00 J A61K7/00 W A61K7/48 A61K47/10 7 A61K 7/00-7/50 特開昭56−055307(JP,A) 特開昭52−018811(JP,A) 特開昭01−268617(JP,A) 4 1994032710 19940208 7 19990305 冨永 保 【0001】【産業上の利用分野】本発明はレチノールの安定性を著しく向上させたレチノール安定配合皮膚外用剤に関するものである。【0002】【従来の技術】レチノールは皮膚角化症等の予防、治療や、皮膚老化の防止、回復に有効な成分であることが知られている。【0003】しかしながら、レチノールは構造的に極めて不安定であり、光、空気、熱、金属イオン等により容易に種々の異性化、分解、重合等を起こすため、安定に皮膚外用剤に配合することが困難であった。安定化を目的として脂肪酸エステル化などの手法が試みられているが、エステル化は安定化には効果があるものの皮膚への作用という面ではレチノール自身よりはるかに劣ってしまう。【0004】【発明が解決しようとする課題】本発明者らは係る事情に鑑み鋭意研究の結果、レチノールとともにポリエチレングリコール(以下PEGと省略する。)、ポリプロピレングリコール(以下PPGと省略する。)の一種または二種以上を配合すればレチノールの安定性が著しく向上することを見出し、本発明を完成するに至った。【0005】【課題を解決するための手段】すなわち本発明の要旨は、レチノールと、PEG、PPGの一種または二種以上を配合することを特徴とする皮膚外用剤のレチノール安定化方法に存在する。【0006】以下、本発明の構成について詳述する。【0007】本発明に用いられるレチノールは別名ビタミンAと呼ばれ、末端が水酸基であるレチノール自身を示し、その脂肪酸エステルは含まない。all−トランス型または13−シス型であることが望ましく、それらの混合物であっても構わない。【0008】本発明に従って皮膚外用剤に配合される量としては特に制限はないが、レチノールとしての肌への効果を考えると0.0001重量%以上であり、レチノールの効果を強く訴求するためには好ましくは0.001重量%以上である。配合上限は皮膚外用剤としての性質上好ましくは1重量%である。【0009】また本発明に配合されるPEG、PPGとしてはPEG200、PEG300、PEG400、PEG1500、PEG4000、PEG6000、PEG20000などや、PPG400、PPG750、PPG1200、PPG2000、PPG3000などが有名である。【0010】これらを一種または二種以上配合するが、本発明の効果を発揮する目的で配合される量としては0.1重量%以上が必要であり、過剰に配合しても本発明の効果を阻害するものではない。しかしながら著しく過剰に配合した場合、皮膚外用剤としての品質を損ねることがあるので注意が必要である。【0011】本発明においてレチノールとPEGおよび/またはPPGを配合される皮膚外用剤基剤としては通常の皮膚外用剤基剤ならばいずれのものも利用できる。すなわち、液状、ゲル状、ペースト状、クリーム状、あるいは粉末状、固状などのもので、皮膚外用剤を修飾する成分として保湿剤、油分、界面活性剤、増粘剤、金属封鎖剤、その他の紫外線吸収剤、薬剤、色素、香料などが併用できることは言うまでもない。【0012】【実施例】次に本発明をより多くの実施例で詳述するが本発明はこれにより限定されるものではない。【0013】【表1】【0014】実施例1、2および3では比較例に比べレチノールの安定性が向上しているが、これは本発明に係る効果である。【0015】レチノールの定量方法エタノールを溶媒として用いた325nmでの吸光度測定法により定量を実施した。なお計算にあたっては極大吸収325nm E(1%,1cm)=1835とした。【0016】Aの油相部分とBの水相部分をそれぞれ70℃で加熱溶解し、AをBに加え乳化する。そののち冷却処理をしてクリームを得る。【0017】上記の各原料を80℃で加熱溶解し、そののち所定の容器に流し込みリップスティックを得る。【0018】【0019】【0020】【0021】【0022】実施例及び配合例の皮膚外用剤は日常的な使用においてレチノールの安定性に優れたものであった。【0023】【発明の効果】本発明のレチノール安定配合皮膚外用剤においてはポリエチレングリコールおよび/またはポリプロピレングリコールを配合することによりレチノールの安定性を著しく向上させることができる。 レチノールとともにポリプロピレングリコールを配合したことを特徴とするレチノール安定配合皮膚外用剤。 レチノールとともにポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールを配合したことを特徴とするレチノール安定配合皮膚外用剤。 ポリプロピレングリコールからなる、皮膚外用剤におけるレチノール安定化剤。 レチノールを配合した皮膚外用剤に、ポリプロピレングリコールを配合してレチノールを異性化、分解、重合などから構造的に安定化することを特徴とする、皮膚外用剤における安定化方法。