タイトル: | 特許公報(B2)_X線撮像装置 |
出願番号: | 1992074290 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,G01N23/04,A61B6/00 |
宮口 和久 村木 哲彦 JP 3610075 特許公報(B2) 20041022 1992074290 19920330 X線撮像装置 浜松ホトニクス株式会社 000236436 長谷川 芳樹 100088155 塩田 辰也 100089978 寺崎 史朗 100092657 鈴木 守 100113549 宮口 和久 村木 哲彦 20050112 7 G01N23/04 A61B6/00 JP G01N23/04 A61B6/00 7 G01N 23/04 A61B 6/00 特開昭58−118977(JP,A) 特公昭55−29397(JP,B2) 特表平4−501482(JP,A) 1 1993281157 19931029 4 19990218 2002008948 20020517 渡部 利行 菊井 広行 福島 浩司 【0001】【産業上の利用分野】本発明はX線撮像装置に関するものである。【0002】【従来の技術】X線撮像の目的で、CCDのような固体撮像素子が用いられる。ここで、固体撮像素子はX線に感度を持たないので、固体撮像素子の前面にはシンチレータが設けられる。X線が入射されるとシンチレータが発光し、この可視光はファイバ光学プレート(FOP)などを介して固体撮像素子に入射される。【0003】【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のようなX線撮像装置は、一般には容器に収められ、X線撮像に使用される。すると、シンチレータからの発光は、固体撮像素子の方向だけでなく、その反対方向にも生じるため、容器の内面で反射されてシンチレータに再入射され、そのままFOPを通って固体撮像素子に検出されることがある。【0004】このため、X線撮像の解像度が低下しやすかった。特に、容器を反射性の大きいアルミニウム(Al)で形成すると、反射光による解像度低下は著しい。【0005】本発明は、このような課題を解決することを目的としている。【0006】【課題を解決するための手段】本発明は、被写体を透過したX線源からのX線を検出することにより、前記被写体のX線透過像を撮像するX線撮像装置において、被写体で放出される二次X線および外来光を透過せず、被写体を透過したX線源からのX線のみを選択的に透過する容器と、この容器の内部に設けられた撮像デバイスと、この撮像デバイスの受光面側に設けられたファイバ光学プレートと、このファイバ光学プレートの前面に設けられてX線の入射により発光するシンチレータとを備え、上記容器の内面にはシンチレータからの光の反射を防止する処理が施されていることを特徴とする。【0007】【作用】本発明の構成によれば、容器が例えばAl容器のように、外来光と二次X線を透過しない構成なので、X線撮像に係わる高エネルギーのX線のみを透過させる。また、容器の内面には、シンチレーション光の反射防止処理がされているので、シンチレータからの光の再入射による解像度の低下が生じない。【0008】【実施例】以下、図1により実施例に係るX線撮像装置を説明する。【0009】図1は断面構造を示し、X線源1とX線撮像装置2の間には被写体3が置かれている。X線撮像装置2は例えばAl製の容器21を有し、この内部にはX線の入射方向から順に、シンチレータ22、FOP23および固体撮像デバイス24がセットされている。そして、容器21の内面には反射防止膜25が形成されている。【0010】ここで、厚さ1〜2mmのAl板からなる容器21は、外来光と、低エネルギー(10keV以下)の軟X線を透過しない性質を有し、反射防止膜25は可視光を反射させない性質を有している。一方、X線源1は高エネルギー(100keV程度)の硬X線を投射する能力を有し、被写体3はこの硬X線の一部を透過させつつ、二次X線としての軟X線を放出する性質を有する。【0011】次に、上記実施例の作用を説明する。X線源1から硬X線が被写体3に照射されると、被写体3の材質や厚さに応じた割合で硬X線が透過し、同時に軟X線が二次放出される。これらX線のうち、硬X線は容器21および反射防止膜25を透過してシンチレータ22に入射され、軟X線は容器21で吸収あるいは反射される。このため、信号成分の硬X線のみが容器21内に入射される。【0012】硬X線がシンチレータ22に入射すると可視光が生成され、固体撮像デバイス24に向かう方向の成分はFOP23を通って固体撮像デバイス24で検出される。このため、被写体3のイメージングが可能となる。これに対し、固体撮像デバイス24に向かう方向以外のシンチレーション光は、容器21の内面の反射防止膜25で吸収される。このため、反射光がシンチレータ22にフィードバックされてFOP23から固体撮像デバイス24に入射し、解像度が低下するという事態にならない。【0013】なお、FOP23は軟X線を不完全ながら吸収する性質も有しているので、残った軟X線の入射により固体撮像デバイス24でキャリアが生成し、解像度が低下するようなこともなく、また固体撮像デバイス24を長寿命にできる。【0014】本発明における容器21としては、Al製のものに限らず、軟X線および外来光を反射あるいは吸収して、硬X線を透過する性質を持っていればよい。また、内面の反射防止処理は、誘電体多層膜のコーティングにより実現してもよく、黒色アルマイト加工などにより実現してもよい。【0015】【発明の効果】以上の通り、本発明の構成によれば、容器が例えばAl容器のように、外来光と二次X線を透過しない構成なので、X線撮像に係わる高エネルギーのX線(硬X線)のみを透過させる。また、容器の内面には、シンチレーション光の反射防止処理がされているので、シンチレータからの光の再入射による解像度の低下が生じない。このため、簡単な構成によって、大幅な解像度の向上が可能になる。【図面の簡単な説明】【図1】実施例の構成図である。【符号の説明】1…X線源、2…X線撮像装置、21…容器、22…シンチレータ、23…FOP(ファイバ光学プレート)、24…固体撮像デバイス、25…反射防止膜、3…被写体。 被写体を透過したX線源からのX線を検出することにより、前記被写体のX線透過像を撮像するX線撮像装置において、前記被写体で放出される二次X線および外来光を透過せず、前記被写体を透過した前記X線源からのX線のみを選択的に透過する容器と、この容器の内部に設けられた撮像デバイスと、この撮像デバイスの受光面側に設けられたファイバ光学プレートと、このファイバ光学プレートの前面に設けられてX線の入射により発光するシンチレータとを備え、前記容器の内面には前記シンチレータからの光の反射を防止する処理が施されていることを特徴とするX線撮像装置。